第72回ベルリン国際映画祭正式出品、カンタン・デュピュー監督の最新作『地下室のヘンな穴』が9月2日(金)に新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国公開される。
監督は“フランスのスパイク・ジョーンズ”の異名をとるカンタン・デュピュー。殺人タイヤの『ラバー』、鹿革男の狂気『ディアスキン 鹿革の殺人鬼』などの異色作、怪作で知られ、新作ごとに同国でスマッシュヒットを記録している、仏映画界でいま最も注目されるオンリーワンの鬼才だ。
そんなデュピュー監督がこの最新作で創造したのは、「時間軸が半日進み、肉体が3日若返る」という微妙すぎるパワーを持ったヘンな穴。この穴にハマったせいで、平凡な夫婦の、胸の奥底に封印していた欲望、衝動が呼び覚まされていく。ナンセンスなまでにバカバカしい設定が、あれよあれよという間に現実味を獲得していくストーリー展開に引き込まれずにいられない。本国で『ジュラシック・ワールド』『トップガン』といったハリウッド超大作に次ぐフランス映画ではNo.1のヒットを記録。監督史上最大のヒットを叩き出した。
© ATELIER DE PRODUCTION - ARTE FRANCE CINÉMA - VERSUS PRODUCTION – 2022
今年結成40周年を迎える筋肉少女帯や、特撮のボーカリストであり、作家としても知られる“オーケン”こと大槻ケンヂが本作を大絶賛。パンフレットに掲載されている大槻のレビューの一部を紹介しよう。
冒頭から、「『地下室のヘンな穴』のまず評価すべきポイントはその尺であると断言したい。74分。なんと1時間14分しかないのだ。素晴らしい。ホメるところが見あたらなくて上映時間の短さをせめてホメているわけなんかじゃあないのだ。逆だ。ホメるところしか無い。不条理もペーソスも教訓も、さらには『ファイナル・デッドコースター』シリーズよりもはるかにおそろしい衝撃のあの事故シーンまでもぎゅうぎゅうにつめこみながら、なんと74分でピタリと終わらせてみせたのだ。見事だ。「やればできるじゃないか!」という感心だ」と大絶賛。
続けて「最近映画を倍速で観る若者のことがとやかく言われているが、アレは若者の集中力の無さが原因なのではない。最近の映画が長いのも難題なのだ。で、そこに来て『地下室のヘンな穴』の74分である。もう一度、素晴らしい。サクッと観れる。眠くなるヒマもない。尻も腰も痛くならない。そして、途中でトイレに行きたくなったけどこらえるべきかやっぱ行っとくべきか悩む心配がない…これは、今でも健気に映画館へ映画を観に行っている我々中高年同志諸君にとっては、革命的なことだ!」と“オーケン節”も炸裂させている。気になる全文は、劇場販売用パンフレットに収録されており、9月2日より各劇場で販売される。
また、大槻は、9月1日(木)19時からの公開直前生配信番組にも辛酸なめ子ん、月刊ムー編集長・三上丈晴と共に出演予定で、本作の穴の謎や魅力について余すことなく語る予定。
さらに本編映像も解禁。今回公開されたのは、これまでDJとして世界的に活躍し数多くのキテレツ、摩訶不思議なMVを作り出してきた鬼才カンタン監督の真骨頂ともいうべきシーン。足を引きずりCAに支えられえながら飛行機を降りる上司から、炎に包まれる車まで、独特な音楽にのせ、たった数秒の間にドラマティックなシーンがぎゅうぎゅうにつめ込まれている。しかし、これはこの後続くシーンのごく一部。この後どんな展開になっていくのか、摩訶不思議な音楽と映像のマジックに片時も目が離せない。
▼解禁本編映像YouTubeリンク:https://youtu.be/Fle4Lw-SYIA
商品情報
映画『地下室のヘンな穴』
監督・脚本:カンタン・デュピュー
出演:アラン・シャバ、レア・ドリュッケール、ブノワ・マジメル、アナイス・ドゥムースティエ
2022年/フランス・ベルギー/仏語・日本語/74分/シネスコ/カラー/5.1ch/英題:Incredible But True /日本語字幕:高部義之
配給:ロングライド
9月2日(金)新宿ピカデリー、 ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
© ATELIER DE PRODUCTION - ARTE FRANCE CINÉMA - VERSUS PRODUCTION – 2022
【STORY】
緑豊かな郊外に建つモダニズム風一軒家の下見に訪れた中年夫婦のアランとマリー。購入すべきか迷う夫婦に怪しげな不動産業者がとっておきのセールスポイントを伝える。地下室にぽっかり空いた“穴”に入ると「12時間進んで、3日若返る」というのだ。夫婦は半信半疑でその新居に引っ越すが、やがてこの穴はふたりの生活を一変させていく……。
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