オールナイト上映企画『日活ロマンポルノ入門講座』が来たる4月23日(土)・24日(日)に渋谷ホワイトシネクイントにて開催される。
本企画は、渋谷PARCO 全館企画【PARCO PRIDE WEEK】の一環として開催される、いろいろな個性を持ったカルチャーを応援するフェスティバル「あいとあいまい」のメインイベントの一つとして実施。
日本映画史においても重要な位置を占め、数多くの名作や監督を輩出してきた日活ロマンポルノだが、そのレーベル名のインパクトによって、作品の魅力が伝わる前に観ることを敬遠される方も多いのではないか。馴染みのない方が劇場鑑賞するにはハードルが高く、気軽に楽しめる機会が少ないのではないか。そんな思いから、今回、日活ロマンポルノの魅力を知ってもらうきっかけとなるような初心者向けの入門イベントとして企画された。
今秋には50周年という節目に合わせた新作3本の公開が控え、今なお生き続けるロマンポルノの魅力を味わうまたとない機会と言えそうだ。©日活
オールナイト上映企画 日活ロマンポルノ入門講座
上映日程:2022年4月23日(土)〜2022年4月24日(日)23時開場 / 23時半開演 / 5時半終了予定 ※年齢制限あり
上映作品:『ラブホテル』『秘色情めす市場』『黒薔薇昇天』 ※3作品全てBlu-ray上映となります。
鑑賞料金:4,000円均一
会場:渋谷 ホワイトシネクイント(東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコ8階)
※新型コロナウィルスの感染拡大状況により、急遽上映が中止、作品が一部変更となる可能性がございます。チケット発売日などの詳細は確定次第、劇場HPにてご案内いたします。
上映作品概要
イラストレーターのたなかみさきがおすすめ作品を四季折々の感性で描く月刊コラム。
日活ロマンポルノ50周年を記念した人気連載「ロマンポルノ季候」より2作品をセレクション。
第7回掲載作品『ラブホテル』
『セーラー服と機関銃』(1981年)の名匠・相米慎二監督が自ら望んで撮った唯一のロマンポルノ。経営する会社が倒産し、人生に絶望した村木は自殺を決意。死ぬ前にある女を買い、ラブホテルで凌辱する──。2年後、自殺を思いとどまった村木はタクシー運転手となり、女と偶然再会するが…。夜の海へ向かうタクシー、埠頭でイヤリングを探す村木、通話が切れた電話で話し続ける名美…数々の忘れがたいシーンに、もんたよしのりの「赤いアンブレラ」と山口百恵の「夜へ…」がせつない余韻を残す、ラブストーリーの名作。
監督:相米慎二 脚本:石井隆 撮影:篠田昇 照明:熊谷秀夫
出演:速水典子 寺田農 志水季里子 益富信孝 中川梨絵 尾美としのり 佐藤浩市
1985年 / 88分 / カラー
第10回掲載作品『秘色情めす市場』
19歳のトメは、大阪・西成のドヤ街で客を引くフリーの娼婦。店やヤクザから組織に入るよう言われても、頑として従わないほど強気だが、知的障がいのある弟には限りなくやさしい。同じ娼婦である母との諍い、指名手配犯にそっくりの男や駆け落ちしてきたカップルとの出会いと別れ、そして弟の出奔を通して、トメが決意した覚悟とは…。隠し撮りしたドキュメンタリーのような生々しい映像、トメを演じる芹明香の圧倒的な存在感、モノクロからカラーへ転調する爆発力が、見る者すべてに鮮烈な印象を焼きつける映画史に残る傑作。2021年、世界三大映画祭である『ヴェネツィア国際映画祭』のクラシック部門正式招待作品。
監督:田中登 脚本:いどあきお 撮影:安藤庄平 照明:新川真 音楽:樋口康雄
出演:芹明香 花柳幻舟 宮下順子 絵沢萠子 夢村四郎 萩原朔美 高橋明
1974年 / 83分 / パートカラー
さらにもう1作品上映決定!
『黒薔薇昇天』
「芸術作ってます〜!」と、ほとばしる情熱をブルーフィルムに込める監督・十三。女優が妊娠して降板、十三が代わりに起用したいのは和服が似合う美女・幾代。大金持ちの愛人の幾代は、十三にしつこく口説かれても拒むが、次第にその勢いに巻き込まれていく…。躍動感あふれるカメラワークでとらえた70年代の大阪の風景、絶妙なタイミングで流れる歌謡曲とエネルギッシュな登場人物たちのカオスが、突き抜けた明るさを生む快作。岸田森の怪演と谷ナオミの美貌のコメディエンヌぶりはまさに必見。
監督・脚本:神代辰巳 原作:藤本義一 撮影:姫田真左久 照明:直井勝正
出演:谷ナオミ 岸田森 芹明香 谷本一 高橋明 山谷初男 東てる美 庄司三郎
1975年 / 72分 / カラー