「負けを味わった奴だけが売れる、 負け続けたからこそ書ける――」
「平成ノブシコブシ」として『ピカルの定理』などを中心に活躍し、 2018年には『ゴッドタン』の腐り芸人で再ブレイク。 最近では芸人やバラエティ番組を的確に「考察」することでも話題の徳井健太による『敗北からの芸人論』を2月28日(月)、 新潮社より刊行。
「ある世代以上の芸人は全員、 絶望を経験している。 なぜなら、 一番面白くなりたいという気持ちで芸人を目指したのに、 “ダウンタウンよりは一生面白くなれない”ことに気が付くから」
次々に後輩に追い抜かれ、 酒と競馬に明け暮れた加藤浩次が這い上がった思考法、 長い下積みを経て今売れ続けるオードリーの瞬発力、 爆発的ブレイクを果たすかまいたちが覚醒した理由――。 一度負けた状態からスタートし、 自分なりのスタイルを掴むまで、 もがき続けた21組の生き様を紹介。 徳井が悟りの境地で繰り出す熱く、 的確なお笑いの考察に、 ネット連載時から累計700万PV突破の大反響となった。
単行本だけの特別編として、 昨年末のM-1グランプリでも話題を呼んだコンビ「オズワルド」を熱く考察した書き下ろしを収録。 書き下ろし特別編にもどうぞご期待を。
一筋縄ではいかない曲者の伊藤と、 最強の憑依型芸人・畠中のコンビ・オズワルドは、 本来「第7世代」だったはずのに、 ブームの波には一切乗れなかった。 そんな「非第7世代」のオズワルドが、 霜降り明星のブレイクで始まったこの「第7世代」全盛の時代を終わらせるのではないか ――と徳井さんは考察しています。 (―『敗北からの芸人論』「第7世代」を終わらせるコンビ・オズワルド より)
徳井は2018年頃から、 テレビ東京の深夜番組「ゴッドタン」の人気企画「腐り芸人セラピー」で、 インパルス板倉、 ハライチ岩井とともに再注目。 心に闇を抱えるようになり、 やがて孤独の中で腐ってしまった芸人たちに徳井が伝える的確な考察と熱い言葉は、 お笑いファンの心を揺さぶり、 放送のたびに大反響。 その考察眼は芸人界の信頼も厚く、 過去に吉本芸人たちの知られざる伝説を1冊の本にまとめた東野幸治から、 「(芸人について書くなら)徳井くんが適任」と後継者に指名された。
敗北からの芸人論』目次
腐り狂った超天才――東野幸治
相方への「殺意」はやがて「感謝」に――吉村崇(平成ノブシコブシ)
歴史を動かす革命児――千鳥
引退から一転、 異例の早さで新喜劇の座長に――小籔千豊
壮絶な生い立ちから「吉本の宝」へ――渡辺直美
第7世代なのに「昭和」なコンビ――コウテイ
「ナンバーワン」から「オンリーワン」へ――加藤浩次(極楽とんぼ)
日本のしょうもない価値観を変える――EXIT
ギャンブル狂、 苦手分野、 スキャンダル……全てを笑いに――霜降り明星
嘘をつけない岩井、 意外と人に懐かない澤部――ハライチ
消えた“無駄”と“熱量”――コロナ禍のバラエティ番組
M-1で松本人志に放った“あの一言”で覚醒――ニューヨーク
残酷なほど笑いにストイック――『ゴッドタン』と佐久間プロデューサー
「M-1は芸人の希望なんかじゃない」――M-1グランプリ
謎多きコンビの知られざる素顔――シソンヌ
芸歴23年、 ラストチャンスでブレイク中――5GAP
お笑い純度100%――スリムクラブ
「ネタだけやっていたい」ピュアすぎるコンビ――ジャルジャル
日本中が彼らの覚醒を待っている――ダイアン
安心感と期待感を両立できる奇妙なコンビ――オードリー
努力と変化を繰り返し続けたトリオ――ジャングルポケット
令和のハイブリッド芸人――かまいたち
「第7世代」を終わらせるコンビ――オズワルド
徳井健太コメント
「お前なんかに何が分かるんだ」「誰が誰に何を言うてんねん」そんなトゲトゲしい言葉も沢山頂き、 多少ながら傷付きもしました。 けれど、 か細い声ながらも「徳井さんの言葉に救われました」「なんか徳井さんのコラム読んでると泣きそうになりますわ」そんな僅かな感謝や感動の声を傷口に塗りながら、 僕は今日も大好きな人を大声で真っ直ぐ応援していく人生を歩んでいきたいです。
(C)新潮社