株式会社マガジンハウスは、 『松本隆 言葉の教室』(延江 浩・著)を2021年11月16日(火)に刊行。
「木綿のハンカチーフ」「ルビーの指環」「赤いスイートピー」「硝子の少年」……数多くの記憶に残る歌を生み出してきた稀代の作詞家・松本隆さんに「人の心を動かす」日本語について語り下ろしている。伝説のロックバンド「はっぴいえんど」時代から、 バンド解散後に2000曲以上を手がけてきた(そのうち50曲以上がヒットチャート1位に)売れっ子作詞家としての経験まで、 今振り返って見えてくる創作の源とは。 帯は詩人・最果タヒた。
一人の人が人生の断片と呼べる瞬間に紡いだものなのだ、 ということが、 私には奇跡に思える。
最果タヒ 詩人
目次
レッスン1 記憶は宝箱 創作の源
堆積した記憶のなかから取り出す/幼い頃に観たドイツ映画から/場所の記憶
本の記憶/多感な時期の読書歴/自由気ままにインプット/音楽の記憶
いいものが残っていく
レッスン2 視点と距離 どこから切り取るか
目に映るものをノートに書いてみよう/通りから見た風景/視点をどこに置くか
一枚はさむ/目の高さを意識する/距離を正確に表す/自分とはなにか、 3人称の視点
心を動かす訓練を
レッスン3 光と陰 美しさを際立たせる
デフォルメとアンプリファイア/針で突っつく/陰を描くことで立体的に
死が生を輝かせる
レッスン4 あなたが好きって伝えたい
ディテールを積み上げる/ふっと心が動く瞬間/共感を凝縮/色が移ろう
失意のまま終わらない/俯瞰する視点
レッスン5 リズムとバランスと美意識
易しく伝える/語感の気持ちよさ/字数を意識する/バランスの美意識
言葉によって世界を立ち上げる/色を表現する/とにかくたくさんの言葉を知る
言葉の並べ方/「ポケットいっぱいの秘密」の秘密/ダサかっこいいを極める
カナリア諸島と煉瓦荘
アフターレッスン 松本隆のポリシー
普遍性はどこから生まれるか/コツコツ積む/ときに休憩も大事
音楽も言葉も廃れはしない/歌はみんなの財産/日本語へのこだわり
きみをさらってゆく風
松本隆をめぐるナイン・ストーリーズ ―― 延江 浩
0.風街を往く / 1. 喪われた東京 / 2. レイバンと髭面と幸福な春休み
3.はっぴいえんど結成 / 4. 日本語ロック / 5. きっかけは「ガロ」
6. 5人目のメンバー / 7. 作詞家に転職 / 8. 時代を創る
9. ありったけの愛