終戦を知らせる「玉音放送」を聴いた1945年8月15日。 あの日を境に世界は変わったのか。合同会社ブラインドライターズが4年をかけて取材した戦争体験記が、 本になった。
「戦時中の“常識”と、 現代の“常識”ってこんなに違うんだ!」「玉音放送って、 聴取率ほぼ100%ってすごくない?」と思い、 始めた取材。 ソニー元副社長で、 テニス選手の錦織圭を育てた盛田正明、茶道・裏千家の前お家元、 千玄室、全米オープンテニスダブルス優勝の宮城淳、ギネスブックに載っている現役最高齢薬剤師の比留間榮子、元日本ボクシング連盟会長の山根明、日本人初エミー賞受賞したナラ・ターナーカオリ、嵐の松本潤さん大ファンで有名になった、 現役佃煮店経営者の草間千恵子、樺太で生まれ育ち、 そのままソ連国民となっていた「サハリン残留」体験を持つ近藤孝子、など、 総勢18名のかたたちの戦中・戦後の物語。
サハリン残留、 シベリア抑留、 満州引き揚げ、 特攻隊 ……戦争で起こったさまざまな事件を、 体験記として取り上げている。 また、 終戦で一区切りするのではなく、 戦後の復興までお話を聞いている。 焼け野原になった街から、 日本がどう復興したのかも見ることができる。
用語解説や地図などを入れて、 戦時中の全体像がわかるように構成。個人の体験記の後に、 客観視点で解説を加えることで、 より多方面から「戦争」を見つめることができる。コロナ禍の今、 取材者のみなさんからのメッセージが心に響く。
本書では、 ブラインドライターズのスタッフが取材起こしを担当し、 代表の和久井が取材・執筆を行なった。合同会社ブラインドライターズは、 障害を持ったスタッフで構成され、 視覚障害者による文字起こしサービスを提供や、 書籍の企画・編集・執筆を行う会社。