お笑い芸人としてだけでなく、 舞台やドラマ、 映画で俳優としても活躍し、 初めて描いた漫画『大家さんと僕』で第22回手塚治虫文化賞短編賞を受賞した矢部太郎。 実の父である絵本作家・やべみつのりと、 自身の幼少期のエピソードを描いた漫画『ぼくのお父さん』を6月17日、 新潮社より刊行。 40ページ超の描きおろし、 全編オールカラーの豪華版。
40年前の東京・東村山を舞台に、 つくし採取、 自転車の二人乗り、 屋根から眺めた花火、 普遍的でノスタルジックな心温まるストーリー。 子どもを見守りながら、 同じ目線で共に遊ぶ。 常識にとらわれず、 のびのびと子どもと向き合い、 ときに親自身も成長していくエピソードはいまの子育て世代にこそ届けたい家族のすがた。
今作のモデルとなった矢部太郎のお父さんは、 絵本・紙芝居作家のやべみつのり。 発表した絵本作品に『かばさん』『ふたごのまるまるちゃん』『あかいろくんとびだす』『色セロハンあそび ぼくはうみ わたしはひかり』などがある。小柄でやさしそうな笑顔が矢部にそっくりだ。
矢部太郎コメント
子供の頃、 いつも一緒に遊び、 絵を描いていた父が「みんなのお父さんとは違うなあ」とふしぎで、 はずかしいこと、 わからないことがたくさんありました。 漫画に描くうちに……余計にわからなくなりました(笑)。 父に読んでもらったら、 「こんな理想の父親みたいに描かないでよ~」と言われて、 どこをどう読むとそうなるのか、 やっぱりわかりません(笑)。 そんな『ぼくのお父さん』、 みなさんも何か忘れていたことを思い出してもらえたりしたら嬉しいです。 あと、 ちょっと笑ってもらえたらさらに嬉しいです。