Rooftop ルーフトップ

NEWS

トップニュース1979年、ポストパンク時代のマージーサイドを舞台に英国ユース・カルチャーを描いた青春映画『アウェイデイズ』が待望の日本初公開決定!

1979年、ポストパンク時代のマージーサイドを舞台に英国ユース・カルチャーを描いた青春映画『アウェイデイズ』が待望の日本初公開決定!

2020.07.27

メイン.jpg

1979年のマージーサイドを舞台に、破滅的な若者たちと日本ではほとんど紹介されることのなかった英国フットボール発祥の文化“Football Casual”<カジュアルズ>の黎明期を描いたイギリス映画『アウェイデイズ』(2009年本国公開)が、完成から11年の歳月を経て遂に2020年10月16日(金)より新宿シネマカリテほかにて日本初公開されることが決定した。
 
1979年、イングランド北西部マージーサイド州バーケンヘッド。カーティとエルヴィスは《Echo & The Bunnymen》のギグで運命的な出会いを果たす。そして2人の間には誰にも邪魔することの出来ない友情が芽生える。しかし、それは互いに惹きつけ合いながらもどこか不安定で、いつ壊れてもおかしくないコントロール不能なものだった──。
 

サブ_1.jpgサブ_2.jpgサブ_3.jpg

圧倒的な暴力とセクシャル、そしてロックンロールに満ち溢れ、現代人にとってはどこか滑稽にも映ってしまう映画『アウェイデイズ』の世界は、ケヴィン・サンプソンが1998年に上梓した同名小説を基に、ポストパンク時代の研ぎ澄まされていたエナジーを記録した真実の物語である。
Joy Division、The Cure、Magazine、Echo & The Bunnymen、Ultravoxの音楽をバックに、若者たちが自らの拠りどころを探し、絶対的な者へ憧憬を抱き、そして形成された“族”の中で避けることの出来ない運命にもがき苦しむ様をリアルに映像化している。
 

サブ_4.JPGサブ_5.jpgサブ_6.jpg

また、本作はこれまで日本ではほとんど紹介されることのなかった英国フットボール発祥の文化“Football Casual”<カジュアルズ>の黎明期を初めて切り取った映画でもある。
本国では公開当時『さらば青春の光』(1979年)、『トレインスポッティング』(1996年)、『コントロール』(2007年)、さらには『スタンド・バイ・ミー』(1986年)等の映画を例えに、さらにこれらすべての要素を詰め込んだ、若者の生き辛さを描いた小説『ライ麦畑でつかまえて』(J・D・サリンジャー著 / 1951年)のジャックナイフ版であると紹介された。
本国公開より11年の月日を経て遂に日本での劇場公開が決定。英国青春映画の足りなかったピースがようやく埋まろうとしている。
 

サブ_7.jpgサブ_8.jpgサブ_9.JPGサブ_10.jpg

物語の筋はこうだ。
母親を1年前に亡くした19歳のカーティは下級公務員として働きながら、郊外の中産階級の家庭で悲しみにくれる父、そして血気盛んな妹モリーと暮らしていた。収入のすべてはクラブ遊び、レコード、サッカー、ライブに費やしている。
そんなある日、《Echo & The Bunnymen》のライブでカーティはエルヴィスに出会う。エルヴィスはカーティが魅了されていた悪名高いギャング集団“パック”の一員だった。彼らはピーターストームにフレッドペリー、ロイスのジーンズ、そしてアディダスのスニーカーを履いてスタジアムで常に問題を起こしていた。エルヴィスはカーティに“パック”と付き合うことが危険であることを警告した。それよりもエルヴィスはカーティの様に芸術、音楽、詩、そして死について語り合える友人をずっと待っていた。そして、いつしかエルヴィスはカーティに夢中になっていく。
しかし、カーティの“パック”への憧れはエスカレートして行き、エルヴィスの警告にもかかわらず、危険な世界の扉を徐々に開いていくのだった。ある日の遠征(=Awayday)でカーティは成果を得るが、“パック”のボス、ゴッドンに認められることはなかった。自分よりも、謎に包まれた存在のエルヴィスが尊敬を集めていることに苛立つカーティ、自分の想いが届かないことに苦悩するエルヴィス。次第に綻びは大きな傷になっていくのだった──。
 

サブ_11.JPGサブ_12.jpgサブ_13.jpgサブ_14.jpg

本作のキーワードである《カジュアルズ》とは何か。
一般的にイングランドでは毎週末にサッカースタジアムに通う労働者階級のファッションを“Football Casual”と呼ぶ。フーリガンの別称として“カジュアルズ=Casuals”という言葉を使う向きがあるが、Football Casualという言葉自体は80年代に入ってから雑誌がカテゴライズして広まった言葉であり、70年代の終わりに、何千というリヴァプールのサポーターたちがチームに帯同してヨーロッパをまわりアディダスのスニーカーを手に入れ、それを履いてロンドンのチームとの試合に行く、それを見たロンドン子たちが衝撃を受け真似ていったという大きな流れがある。
リヴァプールでは自分たちを“Scallys”と呼び、カジュアルズはロンドンでの呼称として広まった。まずフットボールありきで、スタジアムに入り易くするためにスポーツブランドに身を隠すようになったと言われている。
 

サブ_15.jpgサブ_17.jpgサブ_18.jpgサブ_19.jpg

また、劇中を彩るポストパンク、ニューウェイブの名曲群も本作を語る上で重要な要素となっている。
Ultravoxの「Young Savage」「Slow Motion」「Just For A Moment」、The Rascalsの「All That Jazz (Exclusive Recording)」、Cabaret Voltaireの「Nag Nag Nag」、Magazineの「The Light Pours Out Of Me」、The Cureの「Saturday Night (RS Organ Home Demo With Vox 2/78)」、Joy Divisionの「Insight」、Echo And The Bunnymenの「Going Up by」、The Mekonsの「Where Were You」、The Jamの「When You're Young」、Elvis Costelloの「Night Rally」、Dalek Iの「The World」、The Teardrop Explodesの「Sleeping Gas」、OMD(Orchestral Manoeuvres In The Dark)の「Electricity」、The Human Leagueの「Being Boiled」、Wireの「I Am The Fly」、Gang Of Fourの「Damaged Goods」。これらの楽曲が劇中でどんな効果をもたらしているのかを観るのも一興ではないか。

商品情報

映画『アウェイデイズ』

【プロデューサー】デヴィッド・A・ヒューズ
【監督】パット・ホールデン
【脚本】ケヴィン・サンプソン(原作『AWAYDAYS』ケヴィン・サンプソン著)
【出演】ニッキー・ベル、リアム・ボイル、スティーブン・グレアム、イアン・プレストン・デイビーズ、ホリデイ・グレインジャー、サシャ・パーキンソン、オリヴァー・リー、ショーン・ワード、マイケル・ライアン、リー・バトル、レベッカ・アトキンソン、ダニエレ・マローン、デヴィッド・バーロウ、アンソニー・ボロウズ ほか
【原題】AWAYDAYS
2009年 | イギリス | 105分 | カラー | ビスタ | 5.1ch | DCP | 映倫審査前
© Copyright RED UNION FILMS 2008
【本国公開】2009年5月22日
【日本語字幕】額賀深雪
【日本語字幕監修】イノベヒロキ / LRF
【宣伝】VALERIA
【配給】SPACE SHOWER FILMS
10月16日(金)より新宿シネマカリテほかにてロードショー! 以降、全国順次公開!

関連リンク

このアーティストの関連記事

RANKINGアクセスランキング

データを取得できませんでした

休刊のおしらせ
ロフトアーカイブス
復刻