株式会社KADOKAWAは、 2020年6月2日(火)に高倉健の遺した言葉を紹介する単行本 『幸せになるんだぞ 高倉健 あの時、 あの言葉』 を発売。著者・谷充代氏は約30年にわたり高倉健が亡くなるまで取材を続け信頼を得てきた編集者。 彼女のもとには、 106本におよぶ当時の取材テープが残されていた。 なかには高倉健本人から 「俺が死んだら、 みんなで聴いてくれ」 と託されたカセットテープも。
そこには、 高倉健自身、 そして極めて親しい人たちの声が収められている。 江利チエミ、 小林稔侍、 佐藤浩市、 降旗康夫監督、 ドライバー、 キャメラマン、 活動屋たち…… ともに仕事をし、 一緒に過ごした仲間へ健さんはいつもエールを送っていた。 健さんの遺した大切な26の言葉を、 当時のエピソードとともに紹介。
目次
序 高倉健“最後”の肉声テープ
年表
生きる
咲きっぱなしだと造花になってしまうよ。
畜生。 金があったらなって、 何度思ったかしれない。
仲間を信じることができない人とは、 一緒に仕事をすべきではない。
不器用ですから。
これからの人生の持ち時間に何を優先して生きていくのだろうか。
目を瞑って一番好きな人、 恩のある人を思い出してください。
幸せかどうかは、 結局、 本人が決めるしかない。
人間ってホントに平等に作られているんですよ。
あの、 よたもんの俳優だよ~。
仲間
一日一歩でも前に進まなければいけない。
エア・チケットが僕自身へのボーナスです。
仕事は、 見世物じゃねぇんだよ。
北海道の人は別れに慣れていない。
監督は家ではタダの酔っぱらい(笑)。
映画
「出逢い」……人生、 それだけだと思います。
ルルーシュ監督の『男と女』のような映画に出たい。
言葉はいくら数多く喋っても伝わらないものは伝わらない。
一瞬一瞬が血と肉で、 仕事をするってことはそれを切り売りしていることなんだよ。
“気”は確実にフィルムに焼き付く。
人間が人間のことを想う、 これ以上に美しいものはない。
おい! 佐藤、 飲み過ぎだぞ!
往く
自分がここで死ぬんだというところを早く見つけたい。
おっ、 しゃっくりが出てきた。
ここで暮らして、 あと二、 三本は映画を撮りたいなあ。
僕の中に法律があるとしたら、 それはおふくろだね。
幸せになるんだぞ。
結び 春は来る、 光溢れる春は必ずやってくるよ