「このように書かれた「彼ら」を読むのは初めてだ。 圧倒された」(音楽家・細野晴臣氏)
新型コロナウイルスの影響で、 来日ツアーが中止になってしまったボブ・ディラン。 そんな「ディラン・ロス」を解消してくれるエッセイが4月22日(水)に光文社から刊行される。 著者は片岡義男。 『コーヒーとドーナツ盤、 黒いニットのタイ』『珈琲が呼ぶ』に続く、 「書き下ろし三部作」の第3弾。 今作はその博覧強記ぶりを如何なく発揮した一冊で、 発売前から話題を集めている。
「彼ら」とはボブ・ディラン、 ザ・ビートルズ、 そしてエルヴィス・プレスリーだ。 書き下ろしエッセイに登場する彼らの映画・ドキュメンタリーなどの映像はDVD37枚分。 その1枚1枚を取り上げながら、 あの乾いた筆致で著者・片岡義男が「彼ら」への思いを綴った、 必読の一冊となっている。 エッセイ本文に添えられたディラン、 ビートルズ、 エルヴィスの貴重写真はなんと87枚。 文章と絶妙に絡み合う、 オールカラーページBOOKという豪華なつくりとなっている。
片岡義男といえば、 最近のロングセラーは『珈琲が呼ぶ』。 彼の小説世界にはコーヒーが頻繁に登場するのに「なぜ今まで片岡義男の珈琲エッセイ本がなかったのか?」と大きな反響を呼んだ。 この『彼らを書く』も、 音楽に造詣が深い著者にとって「なぜ今まで片岡義男のディラン、 ビートルズ、 エルヴィス本がなかったのか?」との期待は高まる。
その目次の、 ごく一部を眺めただけで、 今すぐ読みたくなる強烈な“磁力”が発生している。
目次より
<ザ・ビートルズ>
●さきにかねをもらわないと
●ご家族みんなのビートルズ
●THE BEETLESと綴られたことは何度もある
<ボブ・ディラン>
●時代はとっくに変わった
●始まりの終わりの始まりの始まり
●答えを見つけることはとっくにやめたよ
<エルヴィス・プレスリー>
●それは白黒シネマスコープの西部劇だった
●ピーナツバターとバナナのサンドイッチ
●偶然というものはない
取り上げられた映像作品は「THE BEATLES THE FIRST U.S. VISIT」「BACKBEAT」「I Wanna Hold Your Hand」「NOWHERE BOY」「NO DIRECTION HOME」「Dylan Speaks」「DONT LOOK BACK」「Love Me Tender」「Jailhouse Rock」「Heartbreak Hotel」など、 全部で31作品。 有名な「A HARD DAY'S NIGHT」や「HELP!」などが含まれていない“カタオカ・チョイス”にも、 ファンの深読みがすでに始まっている。 9月公開予定のザ・ビートルズ映画「GET BACK」を心待ちにしながら読み進めるのに最適の一冊。