1999年にVHSが、2001年にDVDが米国でリリースされ、USハードコア・ファンなら誰もが一度は輸入盤で観たであろうFUGAZIの映像作品『INSTRUMENT』が、5月30日(水)に『INSTRUMENT フガジ:インストゥルメント』の邦題で初の日本語字幕付き国内盤DVDとして発売されることが決定した。
本作は80年代に吹き荒れたUSハードコア・シーンの中心だったバンド、MINOR THREATのイアン・マッケイ(Vo)が、1987年にポスト・ハードコアを実践すべく結成したFUGAZIの映像作品。
映像作家ジェム・コーエンが1987年から1998年までの12年間、スーパー8mm、16mm、ビデオなど様々なメディアでFUGAZIを記録、117分間の作品としてまとめたもの。
その独特の編集、音、映像の質感などは、以後の多くの映像クリエイターたちに多大な影響を及ぼしたであろう唯一無二なインパクトを放ち、ライブ、レコーディング、ツアーを中心とした映像に、随所にメンバーの発言を挟み、FUGAZIとその中心人物であるイアン・マッケイ、そしてイアンが運営するレーベル「DISCHORD RECORDS」などワシントンDCを拠点とする彼らの精神性を寡黙に浮かび上がらせていく。
FUGAZIは90年代に米国で累計100万枚以上のセールスを記録したとされているが、80年代から現在に至るまで完全にインディペンデント性を保ち続けるそんな彼らのスタンスが、今この作品を観ても新鮮に響いてくる。
今回のDVD発売では、発表から20年近くの歳月を経て初めて全篇に日本語字幕が付き、遂に日本人でも内容をダイレクトに理解することのできる環境が整ったことは大きな出来事と言える。
そして、DVDは輸入盤に含まれていた映像特典もすべて字幕付きで収録。また特筆すべきは、発売元のキュリオスコープがDISCHORDとライセンス契約を実現したこと。徹底したインディペンデント&DIYなスタンスであるがゆえに、今までDISCHORDは世界的にライセンス契約などで他人の手に委ねるディストリビューションは行なってこなかった。これが今まで字幕がなかった原因だったが、今回、異例の契約が実現したのはまさに快挙だ。
さらに本作のHDリマスター版の劇場公開やDVD発売は、米国に先行した世界初のもの。そんな歴史的なリリースとも言うべき本作の国内盤DVD化、すべてのUSハードコア・ファンは必携と言えるだろう。
なお、本作の日本での劇場公開に際してイアン・マッケイはこのようにコメントしている。
これはコンサート・フィルムではない、だがフガジの在る姿が映っている。
これは物語ではない、だがここにはストーリーがある。
これはドキュメンタリーではない、だが真実だ。
『INSTRUMENT』はジェム・コーエンとバンドによって作り上げられた映像記録だ。
本作が日本で公開されることを光栄に思っている。ありがとう。
──イアン・マッケイ(フガジ)
商品情報
DVD『INSTRUMENT フガジ:インストゥルメント』
2018年5月30日(水)発売
【DVD】KIBF-1577 / ¥3,800+税 / 本編約117分+映像特典約24分 / 片面2層 / オリジナル英語(ドルビーデジタル 2.0ch)/ 日本語字幕 / 16:9(スタンダード)/ カラー(一部モノクロ)
【映像特典】
★短編『Little Flags』、『Glue Man』:監督・ジェム・コーエン、音楽・FUGAZI
★FUGAZI ライブ:「Waiting Room」、「Turnover」、「Long Division」
オリジナル・ブックレット封入
【発売】キュリオスコープ
【販売】キングレコード
※ジャケットデザインや商品仕様は予定となっております。予告なく変更となる場合がございますので予めご了承ください。
『INSTRUMENT フガジ:インストゥルメント』
1999年 / アメリカ作品 / 原題:INSTRUMENT
●監督:ジェム・コーエン
●出演:FUGAZI(イアン・マッケイ、ジョー・ラリー、ブレンダン・キャンティー、ギー・ピチョット)
©1998, 2018 Dischord Records