12/11(土)SUPER BEAVER まわる、まわるツアー2010
渋谷CHELSEA HOTEL
SUPER BEAVER
東京では2ヶ月ぶりというSUPER BEAVERのライブが、12月11日(土)渋谷CHELSEA HOTELで行われた。9月20日のHEAVEN'S ROCKさいたま新都心VJ-3から始まった“SUPER BEAVER まわる、まわるツアー2010”のファイナルワンマンである。この間各地を回っていた彼らが、よりたくましくなって東京に戻って来ているに違いないと、私は渋谷の人混みを掻き分けながらCHELSEA HOTELへと向かった。
そろそろ開演時間だというのに、外にはまだ人が溢れている。やっとの思いで会場に入ったのだが、ライブが始まる前から既にフロアはモッシュゾーンと化していた。18時20分近くになったところで、ようやくライブがスタート。歓声で迎えられるメンバー。ドラム・藤原のヘアスタイルからも充分に気合いが感じられる。もちろん「ちょっと剃りすぎじゃないか?」という思いは間違いなくあったが…。
1曲目の『ヒカリ』から、すでにフルスロットルで魅せるステージとそれに応えるフロア。この日のライブが終わった時に、最初からずっと「最後の曲です」ぐらいテンションの高いライブだったと思ったほど、1曲目から飛ばしまくる。『リセット』を演奏中、ベースでありリーダー上杉の「行けるか〜!!」のかけ声でフロアはさらにヒートアップ。私は、彼があまりにも頼もしく見えて既に感動。今から数年前の、メンバーがまだ10代で初めてインタビューをさせてもらった日の彼はほとんど喋らず、目も合わせてくれなかった事を思い出した。そんな初々しかった少年が、3〜4年が経過した今、これだけ堂々とステージでお客さんを魅了している姿がとにかく印象的だった。ギター・ベース・ドラムの3人のグルーヴは強靱さを増し、ボーカル渋谷の歌声は力強くもあり言葉のひとつひとつに説得力を感じさせる。このツアーが充実していたことも充分に伝わって来るようだ。
ベースのメロディが印象深い『リフレイン』は、苛立ちや不満を吐き出した歌詞となっているが、ライブで聴くとちゃんとポップミュージックとして昇華されていた。ライブ中盤で演奏された新曲『Hello World』は、ここ数ヵ月の間に何かを掴んできたのだろう、そして未来を想像させるタイトルだった。後半戦も新旧交えた楽曲が演奏される。『道標』〜『深呼吸』〜『心景』の流れは、彼らの初期を思い出させる。これらの曲が誕生してから何年かが経過し、“曲が成長する”とはよく言うが、ライブでここまで盛り上がる曲になるとは想像をしていない曲だった。でも、まさにバンドとともに曲が成長し、フロアに訴える力を持った曲へと変わっていた。ギター柳沢とベースの上杉はステージを右往左往と駆け回り、ボーカルの渋谷もシャツをビショビショにして力の限り歌う。ドラムの藤原に至っては溢れる衝動を抑えきれず、何度もドラムのイスに立ち上がりフロアを煽る。4人の感情と、フロアの気持ちが一体となっていた。最後は『home』を演奏。じっくりと聴かせ、ライブは終わりを告げたが、まだまだ行けるというアンコールは鳴り止まない。呼び戻されて再度メンバーが登場。ここで、もう1曲新曲が演奏された。そして『日常サイクル』で盛り上がり、アンコールを含めて全20曲。みっちりギッシリ濃厚なライブだった。
CHELSEA HOTELを後にし、歩きながら今日のライブを振り返った。あの曲がすごく良かったとか、メンバーが見るたびに成長して強くなっているとか、雰囲気の良いライブだったとか。そして、最後に「渋谷くんは、MCも上手くなっていたな」と。(Rooftop:やまだともこ)
セットリスト
1 ヒカリ
2 how are you
3 リセット
4 pan
5 リフレイン
6 天気予報
7 空の彼方
8 満員電車
9 グッバイ
10 Hello World
11 イメージ
12 証の歌
13 ささやかな
14 道標
15 深呼吸
16 心景
17 まわる、まわる
18 home
アンコール
1 二人のこと
2 日常サイクル