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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】In the Soup × SHIGEAKI KOBAYASHI('99年8月号)- シェルターでやっているときでも、気持ちはウッドストックでやっているのと同じ

【復刻インタビュー】In the Soup × SHIGEAKI KOBAYASHI('99年8月号)- シェルターでやっているときでも、気持ちはウッドストックでやっているのと同じ

1999.08.14

小林茂明 ×
ヴォーカル 中尾諭介(ゆうすけ)
ギター   八谷健太郎(ハチ)
ベース   草場敬普(ケー)
ドラム   吉田慎一郎(シン)

 

4人の絡み合ったパワーにやられちゃった

──LOFTのLIVEのあと、みなさん茂さんとなにやら話し込んでましたね。

ケー:シンが。オナニー談義に。

シン:おぼえてねー。オナニー話? 性歴についてとか? 一応、感じる仲間としてですか(笑)。

小林:うるさいよ。これ活字になるよ。いいのかよ。

ケー:だぁから、そうなんでしょ。ねえ(笑)。

──ちょっと、、。困ります。ホント勘弁して下さいよ。(取り直して)そうそう、茂さんとIn the Soupとの出会いから話して下さい。

小林:1年半前にさかのぼる話で。ライブみてもう決めちゃった。言葉が出ないくらい感動して。In the Soupの感じを広げていきたい、すげーなって。ライブからあふれ出てくる4人が出すパワー。

4人:(苦笑)。

小林:何笑ってんだよ! なんだよ! ホントだって!

ゆうすけ:茂さんはLOFTの店長をやってて、同じようにパワーを感じたのはどのバンドなんですか?

小林:オンステージとオフステージのギャップ。それと音楽に対する気持ちの入れ込みよう。そういう点だとブルーハーツの最初の感動と似ているかな。全体の感じで。そういうバンドはLOFTが狭く感じるんだよ。4人が絡み合ってる感じがして。

ケー:絡み合ってる?

小林:真面目に言ってるんだよ! まぁ、ホントいいバンドだよ。

ゆうすけ&シン ありがとうございますっ!!

ハチ:いやいや、てれるなぁ(笑)。

魂にタッチして生まれた歌

──In the Soupは、実体験からの歌詞が多いのかなぁって思いますが、

ゆうすけ:ええ。建前ではそういってます。

シン:ダメじゃん!そんなの(笑)。

ゆうすけ:嘘か本当かということを問いつめていったらね、僕は本当は嘘だなって思ったんですよ。自分のやっていること全てが。嘘も、僕の環境の中から生まれたものすれば、それは本当な事になるのかもしれないですけど。その環境も嘘かもしれないでしょ。よく分からなくなっちゃったけど、そういう矛盾だらけなんだけど、魂に一度タッチしてきた歌っていうのは、いいですよ。そういうものは、大概つじつまなんてあいっこないんですよ。AメロとBメロで言ってることが違ってたり。でも歌の面白いことはね、そのつじつまが合わない感じが、なんかしらんけど、ふと繋がって見えるんですよ。魂に触れる瞬間。それでやっと、自分の言いたいことが分かるんだよ。

小林:言葉自体が持っている雰囲気があって、音の持つ世界が加算されるよね。それで、人の耳にはいるときに、音楽という立体的な世界ができあがるんだよね。

ゆうすけ:そう。言葉がメロディを連れてきたり、その反対の場合もあるけど。

小林:それをね、バンドの音で表現する世界を創りあげるじゃない。それがすごく気持ちいいんだよね。In the Soupの場合は自分達の世界が確立しつつあるんだよ。

ラララ~だけの歌

──ハチさんは、In the Soupの詞をどう感じているのですか? 意味とか求めますか?

ハチ:いいんじゃないの。歌詞を読んで自分で消化して、雰囲気が伝わってくるものだったら、それでいい。それで色が見えたり、空気が見えてくれば。俺はそれをどう料理しようかなぁって考えいくのが楽しいから。

ケー:俺は歌詞からイメージして音をつくる方だから、最初に歌詞が欲しい。

ゆうすけ:意味がなくちゃダメだってずっと思っていたんですよ。だけど最近気がついたことは、歌詞なんてどうでもいいじゃんってって思う瞬間が来るんですよ。

シン:えっ?? それじゃ、ダメじゃん(笑)。

ゆうすけ:違う、違うの。頭の外の方、意味とか歌詞とかはきっとこの辺にあるの。

小林:あえて考える必要がないんでしょ。頭で考えて出てくる「歌詞」はどうでもいいということね。

ゆうすけ:そう。だから、僕は極端な話しラララ~だけのものもあっていいと思っているんですよ。そこに揺るぎない想いさえあれば。いつまでたってもラララ~だけで。でも、聞いている人は曇りガラスの中にいるようなものなんだろうけど。でも、ラララ~ってやっていくうちにその曇りガラスが、きれいに拭き取られていく瞬間が絶対に来るんだよ。それが出来たら、歌詞自体の言葉に意味がなくてもいいよね。そんなことまだまだ、できっこない話なんですけどね。

ハチ:多分、そのときは俺達からなんか知らんけど、出てるんだろうな。

シン:頭のこの辺からでしょ。漫画の吹き出しみたいにね(笑)。

──分かるような、分からないような、、、、

ハチ:だぁかぁらぁ頭で考えちゃダメなの。頭では理解しきれんの。

井の頭公園のボートで航海に出る アメリカ、ウッドストックを目指せ!

──(気を取り直して)FUJI ROCKにも出るんですよね。

シン:FUJI ROCKに出るのが決まって一番嬉しかったのはね、In the Soupを始めた当初から、俺らの目標はウッドストックに出演することだったんですよ。それにヴィジョンを合わせてやってきたら、FUJI ROCKがきたんだよね。

──ちょっといいですか? ウッドストックという目標はメンバー全員一丸となったものなんですか?

ハチ:それぞれでウッドストックに対する想いっていうのは違って来るんですけど。まぁ、はったりですね。

シン:でも、そこに出たい、出るぞという気持ちで、In the Soupやっているんで。

ゆうすけ:あの、社訓ですよ。普段は気にしてないんだけど、頭で考える必要なくて。当たり前のことだから。

ケー:俺だって出たいよウッドストック。

シン:メンバーは耳にタコなんですけど、僕らが目指していることを航海に例えると、井の頭公園のボートでアメリカ目指して航海しているようなもんなんですよ。まぁ、時には黒潮が来て波に乗れたりするようなミラクルもあるんですよ。

──FUJI ROCKはどの辺まで来たということになるんですか?

シン:そうですねぇ、大島が見えたか?というところでしょ。

ケー:え?方向は大島でいいの?

シン:だって、アメリカ目指してるから。

ケー:大島の向こうにアメリカがあるの?

──あれ?舵取り大丈夫ですか??

シン:もういい! おれはシェルターでやっているときでも、気持ちはウッドストックでやっているのと同じなんだよ!!

ゆうすけ:でも、本当に夢じゃなくなってきたよ。なんか言ってた。夢で言ってた。(一同笑い)

──その後は9月2日にLOFTのワンマン、15日には野音がありますね。

ゆうすけ:どんなときもそうなんだけど、脳味噌を家においてきて下さい。何でもそうなんですけど、不条理なこととかってたくさんあるじゃないですか。分かりやすさを追求して、脳味噌を使ってつじつまを合わせようとすると、結局つまんなくなっちゃうんですよね。

小林:なんにしても、In the Soupに出会って人生変わっちゃったって、いわれるようなバンドになって欲しいね。あえてメッセージを込めろというわけじゃなくてさ。

 

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