ミニアルバム『xxxx』──”フロアもアツかった”MV撮影秘話とメンバーの推し曲
──それでは、今回リリースされた『xxxx』についてですが、なにやら表題曲「xxxx」のMVがバズっていると。
木村おまる。:そうです。プチバズ、これを大バズにしたい。今、38,000回(2024年10月初旬時点)。
田中しろめ:初めてだよ、その、ちょっとでも勢いあるみたいな。いつも低空飛行(笑)。
月城ゆのん:徐々に徐々に(笑)。でも難しい、だってまだMVが出て1週間経ってないのに。
田中しろめ:嬉しくて何したらいいか分かんない。今頑張んなきゃいけないのに。
──慌ててリプ返しますとかね(笑)。
田中しろめ:恥ずかしい。バレてる。でも嬉しい。5万、10万も観てほしい。どこでそんなに観ていただけてるのかが気になる。
──なぜそんなに観てもらえているんだろうというのをみんなで探っていければと思ったんですが。
木村おまる。:一番思ったのは、ワンマンの時もお客さんの友達のお客さんが来てくれたのと同じで、MVも拡散で友達の友達が観てくれてる。そこからまた別界隈の友達が観てくれている。どんどん広がっていってくれていたらいいなって思います。
廻環美:今まで出したMVの時は、棘-おどろ- のことが大好きなお客さんが「棘-おどろ- 最高」ってコメントしてくれたり、Xにリンクを貼ってくれたりしてたんですけど、『xxxx』が出てからは名前を知らない方々が「これめっちゃいい」とか、ポツンとリンクだけ投稿して「聴いてます」みたいなのが結構あって。私たちも顔と名前が一致しないような人たちのところまで届いてるんだって思って嬉しいです。
──そうなったポイントは何だと思ってます?
田中しろめ:渋谷じゃん? 渋谷でみんな踊ってるところ。
木村おまる。:そう、スクランブル交差点のど真ん中で踊ってるんですよ。
廻環美:めっちゃ暑かったね。
猫田れん:どういうあつい?
廻環美:ホットの暑い。
木村おまる。:でもフロアもアツかったし、視線も熱かったし全てが暑かったね、あの日は。
一同:(大爆笑)
田中しろめ:おまるは天才の予感がする。
猫田れん:だってスクランブル交差点はフロアだもん。
木村おまる。:あとは海外のSNSに載ってるんじゃないか? くらいめっちゃカシャカシャ撮られたね。
猫田れん:動画撮ってたよね。あれはどこに行ったんですか?
月城ゆのん:海外の人ってビデオ通話しながら歩くから、動画撮ってるように見えて通話で見せてるんじゃない? だから、多分どこにも行ってない。
猫田れん:だって私たちあの後調べてたよね。「渋谷スクランブル / ダンス」とか。誰もあげてなかった。だからどこに行ってしまったんだろうな~って考えてたけど。
田中しろめ:写ってる人がみんな見てくれればいいね。間違って写っちゃった人が。
──スクランブル交差点の信号って意外と短いじゃないですか? 何テイクくらいしたんですか?
木村おまる。:ダンスは10テイクはしたよね?
田中しろめ:でも撮ったのは10回もなくない? 行ったけど間に合わなかった。
月城ゆのん:ちょうどあのフレーズを流して終わるぐらいが赤信号に変わる時間だったから、1回行って場所確認したらもう赤になっちゃうみたいな。
田中しろめ:みんなめっちゃ走ってたもんね。
猫田れん:ずっと走ってた。
木村おまる。:私とかんちゃんがスクランブル交差点に立ってるだけっていうシーンもあるんですけど、それでもお互い3、4テイクずつぐらいはやったかな。
廻環美:走ってくださいっていうシーンで走ってたら前を人が通っちゃうとか。
猫田れん:確かにあのかんちゃんのシーン難しそう。綺麗に撮るのが。
田中しろめ:しろめちゃんも、地下に行く道の出入り口で撮ってたらバイクがブーンって。
猫田れん:人多いからね、そういうのもあるね。
廻環美:うちらの方が邪魔だから仕方ないんだけど。失礼、失礼。ごめんなさいって。
──次の5万再生突破で、メイキングを流すのはどうですか?
木村おまる。:5万でメイキング。編集木村おまる。が担当なので急ぎます。もうすぐ5万だから、よろしくお願いします。
▼木村おまる。作『MV撮影オフショットムービー』公開中!
──僕が思う跳ねた理由は「やっぱりみんな女の子の可愛いお顔が見たい」だと思います。
木村おまる。:確かに今回、みんなが可愛い映像だったね。
月城ゆのん:それぞれの推しのスクショの写真とかみんな載せてくれてるね。
廻環美:顔のアップが多分今までのMVで一番多いかな。今までは引きで雰囲気があるやつとか、ダンスメインとか、『Bang!Bang!』はストーリーがあったから。今回は確かに、顔の瞬間がすごく綺麗みたいな感想も多かった気がする。
──光がめちゃめちゃ良かったと思います。スタジオのテイクもそうだし、街中のテイクも。皆さんの顔がすごく綺麗に映ってる。これはすごいなと思って。
木村おまる。:天才プロカメラマン様にやっていただきました。
田中しろめ:いつもアーティスト写真も撮ってくれている方だから、分かってくださってるのかもしれない。確かに。
月城ゆのん:みんなの可愛く撮れるところとか、角度とか的確に教えてくれるんです。「ゆのんちゃんはここの角度が盛れるから、不意にこの角度で向いてください」みたいな、細かく指摘してもらって。
廻環美:そこまでやってもらえると助かるよね。
月城ゆのん:動画見たらしっかり「うわー、盛れてんなー!!」みたいな。
──ラストショットのセンター街、あれもめちゃめちゃ綺麗だなと思いました。
木村おまる。:あれも何テイクもしたし、一番周りに見られたかもね。スクランブル交差点の次に、カメラ回されてたかも。
月城ゆのん:時間帯的にもね。
──あとやっぱり振り付けがめちゃめちゃ印象的です。
一同:ジャラーン(田中しろめに向けて)。
──曲のフレーズとも合ってるし、動画、TikTok映えするだろうなと思いました。
木村おまる。:リリースイベントでTikTok撮影の特典があったんですが、『Bang!Bang!』の時よりみんな撮ってくれています。バズりますよ。どんどん広げていただいて。
──他の曲についても聞かせてください。新曲の「xxxx」以外は過去の曲が入ったりというような感じですよね。
田中しろめ:『go!go!』はやっとかも。ライブではやっていたけど、配信もサブスクとかもないし音源化していなかった。
廻環美:ほぼ3年越しの音源化のような気がする。 『go!go!』は私が入って数カ月でお披露目した記憶があるから。音源化までめっちゃ長かったね。
──アルバムに入れるのはこの曲で行こうという話はどういうところから?
田中しろめ:今までのアルバムとかシングルに入ってない曲。まだあるけど、去年出したアルバムに入っている曲は外して。
──この6曲ですと決まった時はどんな印象を受けましたか?
木村おまる。:1曲ずつ、次これ録ろうね、その次はこれ録ろうねだったから、この6曲になったと気づいたのは撮り終わった後だね。撮り終わった後にこれで6曲かみたいな。で、この間、家で1曲目から順に聴いてたんです。すっごい流れが綺麗だなって思いました。私たちのアルバムながらすごいなって思いました。
廻環美:棘-おどろ- はそこ(曲の流れ)を褒められるのは多いかも。それこそ去年のアルバムも、アルバムの流れで聴くのがすごい良いって褒めてくれる人は多かった。
猫田れん:作り込まれてたね。
月城ゆのん:本当に、ライブのセトリばりに聴き応えがある。
猫田れん:棘-おどろ- の楽曲は個性的な曲が多いけど、その中でも結構個性的な曲が集まった感じがする。いろんな角度の棘-おどろ- が感じられるミニアルバムです。
──それぞれ皆さんの好きな曲、印象に残っている曲は?
猫田れん:「ぐるぐる」です。
木村おまる。:「go!go!」か「ぐるぐる」で悩んだんですけど…。「ぐるぐる」はすごく歌詞がいいんですよ。「2人で」っていう言葉と、「ずっと」とか、抽象的だけど未来を感じられるところはすごい好きです。棘-おどろ- とお客さんとは、「2人」ではないけど「みんなでこの先もずっと」みたいなのを感じられる。ライブ中もエモい気持ちになれる。振り付けもピースで、ハッピーな曲だなと思ってすごく好きです。「ぐるぐる」。
猫田れん:ちょっといいコメントすぎる! お客さんと目が合いやすい曲って感じがする。こういう…、みんなと目が合いますよ、みたいな、いい感じに言葉にして。
木村おまる。:ピースしながら客席を端から端まで見る振り付けがある。
猫田れん:そう、それがお客さんと通じ合ってる感じがして好きです。
──アイドル9カ月の赤ちゃんにバッチリフォローされちゃってますね(笑)。
木村おまる。:口から生まれたんだよ。
廻環美:ピッコロ…(笑)。
月城ゆのん:私も「go!go!」です! 振り付けも好きだし、駆け抜ける感じの、シンプルに曲調とかがめちゃめちゃ自分のドストライク。
木村おまる。:ゆのんちゃん似合うね、「go!go!」っぽいなと思う。
月城ゆのん:明るい曲? なんていうんだろう、あれ、あれなんだろう。
木村おまる。:アップテンポの曲。
月城ゆのん:そうそう。
廻環美:また9カ月がフォローしてくれてる(笑)。
月城ゆのん:いい説明の仕方があんまり思い浮かばない…。でもしろめちゃんの振り付けが本当に好き。
田中しろめ:曲関係ない(笑)。
月城ゆのん:曲も込みで! しろめちゃんが振り付けしてくれるからなんなら好きになる。
猫田れん:次の方に行きましょう~。
廻環美:「1212」と「yahyah」が好き。特に私、「yahyah」がずっと好きなんですよ。歌詞がすごくおもしろくて、悔しい! 「ファンタジー」が、「FANTA」に「G」でファンタグレープだったりとか、「バラまいたチープスター」は「チップスター」だったりとか。そういう隠された意味が散りばめられていたり、日本語は意味がわからない。「感覚音、鳴ればそこに」とか、どういう意味なのかわからないけど、イエーイ! みたいな感じで。「ドーナツの上で君と踊ろう」とか。
猫田れん:それこないだ話したんだよね。こんな可愛い歌詞どうやったら書けるんだろうね、って。
廻環美:「ドーナツの上で君と踊ろう 回る地球」ってどういう意味なの?
田中しろめ:ドーナツだったのに、急に地球だもんね。
廻環美:意味がわからないけど、まとまってる歌詞。私が前のシングルのカップリングで「くらくら」っていう曲の歌詞を書いてたんで、やっぱプロの方が書く歌詞ってすごいな、私もこういう歌詞を書けるようになりたいなと思いました。
──しろめさんは?
田中しろめ:「go!go!」と「1212」です。「go!go!」は自分で振り付けした中でも結構気に入ってる曲です。ぴょんぴょん飛んだり跳ねたりが多くて、ちょっと一番大変になっちゃったけど。あと「空に描く君へ」って歌詞が好き。あんま歌詞わかんなくて、いつも歌詞の意味とか考えて歌ってないんですけど、大変恥ずかしながら。考えると恥ずかしくなっちゃうから、考えない、逆に。「1212」は、棘-おどろ- が以前動休止する前に出した最後の曲だったんです。だからその頃はめっちゃ辛かったけど、頑張って良かったなと思って。ちょっと説明下手ですけど。その頃の辛いイメージはあるけど、ライブでやっててすごい楽しかったから、今もずっと楽しいですね。ちょっとまた下手になっちゃった。その頃、その頃、あの頃。すいません。
──昔ちょっと嫌だなと思ったことを振り返って、いい思い出にもできるというのはすごく良いことだなって思います。それではアルバムについて最後、頑張ったところ、聴きどころを教えてください。
木村おまる。:はい。「イロイロ」の「早く~」のサビです。レコーディングするまでは私一人で歌ってたんです。今回かんちゃんと一緒になって、二人で歌ってます。ライブも。パワー二倍だぞって、心強いです。
廻環美:よく一人で歌ってたよね。実を言うと、ライブで辛いです(笑)。結構ピッチも高くて、長く伸ばさなきゃいけないし、「イロイロ」は結構踊るから。
木村おまる。:腹から声出さないといけないのに、他のみんなからしたら「大変だね」ぐらいの感じ。大変さを分かり合える人ができて嬉しいです。ここはよく聴いて欲しいです。
猫田れん:やっぱ「xxxx」の早口言葉じゃない? あれ、今はでもちょっと慣れたけど、初めて来た時に「こんなの絶対に歌えるわけがないよ~」と思って。
廻環美:バンドセットで、これっすか? みたいな。
猫田れん:みんな基本的にあんまり得意じゃなくない? 早口言葉。
廻環美:べろが絡まっちゃう。
田中しろめ:しかも高いしね。
猫田れん:だからレコーディングの時は、ちょっとヒヤヒヤしながら挑んだ記憶がある。練習したけど。
──何テイクでOK出ました?
猫田れん:でも意外といけたね。
──今までの棘-おどろ- にはない歌詞の量の多さだなって思いました。早口でボーカロイドみたいな。
廻環美:ボーカロイドって言ってる人いたかも。でもあんなに早口だけど、曲はボーカロイドを通ってきた感じがしないから新鮮でいいみたいな。
田中しろめ:しろめちゃんは「yahyah」の歌割りがまるっきり変わって、ライブでやり始めた時に間違えちゃう、今までの自分のところじゃない! というのが大変でした。
月城ゆのん:「yahyah」は、一回全部みんな歌ってみてどこが合うか、という感じでやってもらったんですけど、ニュアンスが難しかった。全部歌ったけど、正解が見つからなくて、めちゃめちゃ練習して、ここはちょっと撫でるように歌うとか、めちゃめちゃメモで書きまくったり。でも結果的に、ここはこんな感じなんですよねって言われて、思ってたのと違かったか…みたいな。録音してもらいながらあわせるみたいな。一番難しかったのは「yahyah」かもしれない。
廻環美:私はハモリが増えました。私今まであんまりハモリやってこなかったんですけど、なんか最近ハモるなって思って。
──確かに、ライブでも環美さんのハモリパートが印象にあります。
廻環美:今までミサちゃんがハモリパート多かったのが、この5人体制になって、私が引き継いでる感じなのかなって思って。でもミサちゃんハモリめっちゃ上手かったから、ごめん、ごめんと思います。
木村おまる。:かんちゃんのハモリ歌いやすい。ぶつからないし、精密。
廻環美:絶対間違ってるんじゃないかと思うし、怖いし難しい。次の課題でもあるので頑張ります。