2007年に結成のオルタナティブ・ロックバンド、SPOOL。The NovembersやART-SCHOOLなど日本のロック、シューゲイザー、USオルタナ〜グランジからの影響を受け、全曲のソングライティングを担う、こばやしあゆみ(Vo&Gt)の心象風景が投影された突き刺すように冷く透明で、繊細な色彩を帯びたサウンドが作り上げる独自の世界観に魅了されるリスナーは日本のみならず、海外にも多い。2023年5月に新宿Nine Spicesで開催されたワンマンライブにてドラムのaranが卒業。サポートにcimaco(白い朝に咲く / SHIZUKU)を迎え、2024年本格的に再始動。3曲連続リリースし、11月9日(土)には下北沢SHELTERで初の自主企画『telepathy from mars vol.1』(ゲスト:宇宙ネコ子、downt)を開催する。コロナ禍やメンバー脱退などを乗り越えた新生SPOOLに、バンドの危機、新曲、今のSPOOLのカラー、企画の話などを聞いた。(Interview:小野妙子)
後ろを向いちゃいそうだったけど、すみちゃんが引っ張ってくれて
──aranさん脱退については、いつ頃どういうお話があったんですか?
安倍美奈子(Ba):2023年の2月、ワンマンの3カ月前ぐらいに本人から「今後はバンドからは離れた人生を送りたい」との申し出がありました。
──聞いた時どう思いました?
安倍:私とあみちゃん(こばやし)は中学、高校からの付き合いなので(2018年にGt.ショウジ加入)、やっぱり思うところがあるというか。淋しかったですし、気が付いたら後ろを向いちゃいそうな感じでした。
ショウジスミカ(Gt):3人で長くやってきたので、すごく大きな変化だっていうのと、長くやってきたことを辞めた決意っていうところと、これからどうなっていくんだろうっていう複雑な気持ちではありました。
こばやしあゆみ(Vo&Gt):下手したら全部共倒れになりそうだった。
──やっぱりそういう話も出たんですか?
こばやし:考えてましたね。
──そこからどういう話し合いになったんですか?
こばやし:もうaranが脱退するって決まった時点で「ドラムどうする?」っていう話になって。普段から知ってる女性のドラマーがいいなって、cimacoさんにお声掛けしました。
安倍:そもそも知り合いの女性ドラマーが全然いなかったので、もうcimacoさんに断られてたらどうしてたのか分かんないぐらい(笑)。
──じゃあ、バンドとしてはサポートを入れてやっていこうと前向きに切り替えられたんですね。
安倍:そうですね。わりとすぐに。「決めないと止まるから決めちゃおう」ってすみちゃん(ショウジ)が言ってくれて。
こばやし:引きずられないように。すみちゃんが引っ張って「どんどんやっていこう」って言ってくれたので前に進めたなっていう感じはありますね。
──新宿Nine Spicesでのワンマンはどうでした? 最後、みなさん泣きながら演奏されていたのが感動的でした。
こばやし:あそこまでのロングセットは初めてだったので、あんまり実感がないというか、記憶がないんですよ。多分、めちゃくちゃ全員集中していたと思います。最後にaranがスピーチしてくれたタイミングでようやく、本当にこの4人でのSPOOLは終わるんだって初めて実感して。その時の記憶がすごいあるっていうか。感動とかそういうことでもないし。
ショウジ:物事の終わりを感じた気がします。結構あっさり終わりが来てしまうんだなみたいな。
安倍:本当に終わっちゃうんだ~っていう感覚でしたね。
──その2カ月後にすぐ新体制のライブでしたよね。aranさんが抜けてバンド内のバランスに変化はありましたか?
ショウジ:そこまで変わってないんじゃないかなって思います。サポートで入ったcimacoちゃんが柔軟に合せてくれるので、そんなに性格のギャップがないですね。メンバーが抜けても続けるっていう選択をしたから、ちゃんとそこはやっていこうみたいな気持ちは、特に確認し合ったわけではないんですけど、3人共通してあると思います。