本来の形でしっかりと味わっていただけるのが楽しみです
――ずっとクライマックスなので、短い作品とはいえ制作するのは疲れそうですが如何でしたか。
上西:技術的には普通の映画1本撮るくらいの段取りを全てやっていますから、10分作品と考えると大変だったかもしれませんね。
――やはり、カロリー高めだったんですね。構成の技術はどのように経験を積まれたのですか。
上西:ジブリなどの色々な作品のメイキングを観て、あとは一緒に仕事させていただいた監督のみなさんとのやり取りから勉強させていただきました。
――上西監督は『シン・ゴジラ』『シン・ウルトラマン』にも参加されていますが、庵野秀明監督から影響を受けたものもあったのでしょうか。
上西:そうですね。庵野監督も子供のころに観た『帰ってきたウルトラマン』の影響が『シン・ウルトラマン』にあるということですが、その気持ちは凄く分かります。僕の場合はそれがゴジラになります。小さいときに影響を受けったものを自分が作り直すとなったときのお手本として庵野監督とお仕事させていただいた時に勉強させていただいたものを今作の制作に生かしています。
――今回、劇場で公開されるということで5.1chになりますが、音は撮り直されたのですか。
上西:最初から音を5.1chになっていて、劇場作品想定して制作していました。今回は想定通りの音と映像をみなさんに観ていただける形になります。音楽の面で言うとメガロが出てきたときの音楽はオリジナルの『無敵のメガロ』という曲をアレンジさせてもらっています。それを本来の形でしっかりと味わっていただけるのが楽しみです。『ゴジラVSメガロ』は怪獣アクションがメインなので、映画『GEMNIBUS vol.1』の中でも劇場で観る価値がより強い映画だと思います。
――そうですね。ゴジラはスクリーンで観るのが特に楽しいですから。
上西:はい。ぜひ、劇場で観ていただきたいです。
――完成した作品をスクリーンでご覧になりましたか。
上西:はい。やっぱり怪獣映画は劇場で観た方がいいなと改めて感じました。
――そうですね。今は海外の方も来られるようになっているので、熱いファンは日本に来て観たいという方もいらっしゃると思います。
上西:この映画は言葉が分からなくても観られる作品なので、日本だけでなくいろいろな国の方にもスクリーンでも観てほしいです。ちょっとした小ネタで言うと、シートピアの女の子が手に持っているペンダントの中にある何かは『ゴジラ対メガロ』のシートピア海底王国人と同じ服装をアレンジしたシンボルになっています。そういう小ネタが一杯あるので、劇場の大きなスクリーンで探してもらえると嬉しいです。