「どうせ好きになってくれないから、好きになるのやめよう」って接するようにしてて
──自主企画の時に「バンドと恋愛は似ている。自分は負け続けてきた」というMCをフクダさんがされていたのが印象的だったんですが、お二人は恋愛するとどうなるんですか?
吉田:ヒステリックになりますね。
──男の人に合せるタイプですか?
吉田:合わせないです。「お前が合わせろ」っていう感じです。
──強いですね(笑)。フクダさんは?
フクダ:私は相手の都合に合わせてしまうというか。「会いたい」って言った時に会える人が好きで(笑)。こっちの都合に合わせて頂いてるっていう感じなんですけど。苦手ですね恋愛は(笑)。
──負け続けてきたというのは、恋が多いということなんですか?
フクダ:いや、私、自己肯定感が低くて。「この人はどうせ私が好きになっても好きになってくれないから、好きになるのやめよう」って人と接するようにしているんです。それが私の中では負けだなと思ってて。ちゃんと好きなら好きでいけばいいやんて感じなんですけど、「もとから好きじゃないです」って思い込んで過ごすようにしてて(笑)。それが個人的には負けだなって思う。
──今はいい恋愛されていますか?
吉田:まったくないですね。お客さんがXで「元カレが~」ってDMで恋愛相談くれたりするんですけど、「いいね」を押すことぐらいしか(笑)。
フクダ:恋愛相談に乗ったりとか。
──お客さんから「この話を曲にしてください」と言われたりするそうですが、自分や友達の体験談を曲にして実際にライブで演奏して、そういう想いが昇華されていってる感覚はありますか?
吉田:想像以上に自分の手元を離れていってる感じがあります。「私はこの曲を作っていません」みたいな気持ちになりますね。
──曲がみんなのものになっていくのを俯瞰している感覚なんですか?
吉田:はい。「あ、好きなんだ。へー」みたいな(笑)。
──そうなんですね。MCでも女の子を肯定して「最強の女子の味方」だとおっしゃっていましたが、ウマシカてのライブでつらい気持ちをみんなと共有して思いっきり泣いて、元気になって帰っていくっていう、そういう場なんだなと思いました。
吉田:一時期、最前の女の子たちがとんでもない形相で泣きながらこっち見つめてくるみたいな、嗚咽するほど泣いてる子とかいましたね。前までは男性の方が多かったんですけど、今は9割女子とかで。ビックリしています。
──EPを出して今ツアー中ですが、お客さんに曲が届いている実感や手応えはありますか?
吉田:めっちゃありますね。大阪も静岡も、現地の子と、東京や大阪からそれぞれの場所に遠征してきてくれたりして。嬉しいです。
──女性はすごく共感すると思うんですけど、男性はウマシカての曲をどういう気持ちで聴いているんでしょうね?
吉田:予防ですね。悪い男にならないための。教室なんで。通ってもらって。
フクダ:反面教師として。
──どうやったらクソ男を撲滅できるんでしょうか?
フクダ:でも、人間は過ちを犯して成長していくしかないので(笑)、自分で気づくしかないというか。
吉田:皆が学び、近づかない。
フクダ:そう(笑)。この人はそういう人だって自分から線を引けるようになったら…
吉田:クソ男っていう概念がなくなって、最終的にはいなくなる。
フクダ:ただの人であればいいなって思ってます(笑)。平和な世界に。
──このEPを聴いてしっかり学べってことですね。
フクダ:そうですね(笑)。
恋愛ソングでしか救えない何かがあると思う
──サウンド面など、今後やりたいことはありますか?
吉田:シューゲイザーですね。The Novembersが好きで。うちのサークルが結構ART-SCHOOLとかダウナーチックのやつが好きなんですよ。サポートで入ってくれてるドラムの人もずっとコピバンやってて。あと、最近は超能力戦士ドリアンみたいなコミックバンドをどうしても組みたいんです。
フクダ:観たいですね(笑)。客として行きたい。
──恋愛コンセプトは継続していくんですか?
吉田:恋愛ソングでしか救えない何かがあると思うんで、恋愛ソングをいっぱい作ろうと思います。
フクダ:てざわりさんの昔作った曲もすごい良くて、恋愛じゃない「人生」って感じのまだ世に出てないやつがあるので、それも出したいです。
──今後の目標や対バンしたいバンドなどいますか?
吉田:ムロフェスに出たいです。対バンしたいバンドはわりと出来るようになってきてるんですよ。あとは、神聖かまってちゃんですかね。曲に出てくるのでyonigeとか。1回やりたいのは、元恋人を連れて来たら1人無料みたいな、修羅場のようなライブをやりたいな~(笑)。
フクダ:私は最終的にクリープハイプ。あとback numberと、My Hair is Badと対バンしたいです。
──ツアーラストへ向けての意気込みと、全国のクソ男さん&傷ついている女子たちへ向けてメッセージをお願いします。
吉田:反省しに来い!
フクダ:(笑)クソ男に対しては、過去を顧みて生きて行ってほしいなって思います。今回初めてのツアーで、東京から遥か彼方離れた地方へ行っても、自分たちを求めてくれている人がいるっていうことが分かっただけでもう収穫があったなって思っていて。これからもバンドを続けていけるように頑張りたいなという所存でおります。あと、ツアーの後も決まっている企画があるので、楽しみにしていてください!