昨秋『FASTMUSIC CARNIVAL』と題して、新宿LOFTのホール&バーを使ってイベントを行なったBentham。全19バンドが出演し、満員御礼・大成功で終了した余韻を携えたまま、今年のBenthamはまず『FASTMUSIC CARNIVAL TOUR 2024』と題して東名阪を周るツアーに出る。初日でもある東京・新宿LOFTでの公演は2月9日(金)、夜の本気ダンス(本文中・夜ダン)・SAKANAMONを招いての開催だ。Bentham・オゼキタツヤは"音楽へのスタンスはそれぞれ違うと思うけど、本当に数少ない、信頼できる仲間みたいなところがある"と共演の2組について語った上、"新宿LOFTでこの3バンドでやるというのは相当すごいと思う!"と熱く語る。ということでこの3マンは一体どうなる!? というのを占うべく、各バンドのボーカル&ギターであるフロントマンで座談会を行なった。歳の差もバンドのキャリアも近いと言っていい3人が繰り広げるお話は思い抱いていた本音も飛び出し、ここだけの話が多い時間となった。この3マン、やっぱり見逃せない!(Interview:高橋ちえ)
お互いに“仲良くやろうぜ”みたいなスタンスではない3組
オゼキ:最近お2人は、どう?
藤森:そういう感じで対談、始まるんだ(笑)。Benthamとは何気に、すごいお久しぶりだよね。夜ダンさんとはガッツリ対バンっていうのはこれまでやったことがないですよね?
米田:2マンとかはない…ですよね?
藤森:イベントとかでお見かけしたりはしてましたけど。だからようやく対バンできるっていう気持ちもあったり、Benthamとはスゲー久しぶりに一緒にライブができると思ってて個人的にはこのイベント、メチャクチャ楽しみにしてます!
米田:そうですね。SAKANAMONとは、藤森さんがいま仰っていた通りなんですけども、Benthamとは、ベースのマイケルが(Bentham・ベース)辻さんと、すごい仲良くさせてもらってまして。2人でベースの会みたいなイベントを京都でやってるぐらいで2人がどんどん仲良くなりすぎてて(笑)。もうそろそろバンド同士も対バンしておかないと、それでもっとバンド同士も仲良くなりたいなと思ってまして。今回は良い機会を作ってくださったなと思って非常に楽しみにしております。
Bentham
オゼキ:ありがとうございます! 俺ら3組の最初の接点みたいなところなんですけど、まず俺から話すと、SAKANAMONの「ミュージックプランクトン」(『浮遊ギミック』/2011)が好きすぎて、下北沢のベースメントバーのライブを見に行って。俺、“これからリリースします”って、BenthamのCDを渡してるんですよ。
一同:えっ!?
オゼキ:年齢も俺のちょっと上でバンド歴も上で、自分的の音楽的な好みも合ってて。しかも人気者で、でも近づけるような人柄の良いバンドってあまりいなくて。仲良くしたいなと思ったけど、お互いに“仲良くやろうぜ!”みたいなスタンスではないし。
藤森:グイグイ行く感じではないよね(笑)。
オゼキ:それは夜ダンもそうで、付き合いは途切れずで今まで来ている数少ないバンド、ですかね。
藤森:でもごめんなさい、僕、CDをもらったのは全然覚えてない…。
オゼキ:ライブ終わりに(ステージ上の)エフェクターボードの上にCDを置いたんですよ。その後に“CDを置かせていただきました”って何らかで連絡をしたら、元生くんからちゃんと返信ももらってるんですよ。
藤森:あ〜、そうだったのかぁ! Benthamはね、デビューしたての頃から会わせてもらってて、オゼくんの声も好きだしバンドのノリも良いなって思ってて。
オゼキ:だから時系列的に、元生くんはBenthamのデビューは知ってるけど、僕はもともとSAKANAMONが好きで自分から近づいて行ってた、っていう感じですかね。夜ダンとSAKANAMONの接点っていうのはどうですか?
藤森:もともとSAKANAMONがビクター時代のレーベルメイトだったんですよ。いよいよレーベルも盛り上がってきたなと思ったら僕たちが移籍しちゃって(笑)。結果、これまでなかなか対バンとかもなかったんですよね。もちろんライブは何度も見てはいてメチャクチャカッコ良いな、ノれて楽しいな〜って思ってて時が流れ。ここで来ましたね、Benthamのおかげでようやく話もできるっていう感じで。僕らも人見知りだし、夜ダンの皆さんもそんな感じかなと思ってたし(笑)。
米田:僕たちもそうですね(笑)。
藤森:ぜひこの機会にいっぱい話して仲良くなれればと思っております。
米田:よろしくお願いします。僕にとってSAKANAMONは、学生の頃にスペースシャワーTVや(現)MUSIC ON!TVに出てくるメチャクチャカッコ良いバンドっていうのが最初だったので。テレビの人や! っていう(笑)、テレビの向こう側の人という印象でした。Benthamとは『THE KINGS PLACE』(J-WAVE)っていうラジオ番組で同じ時期に違う曜日を担当してたので、仲間意識と言うか、その時代を一緒にやって来たっていう気持ちがありますね。ラジオ番組(から派生して)のライブがあって、そこでBenthamの曲をカバーさせてもらったり、思い出がいろいろとあります。Benthamって硬派なバンドやなってずっと思ってて、僕はそこがすごく好きですね。媚を売らないと言うか、自分たちのカッコ良い音楽を信じてやってはるんやな、っていうのをすごく感じてます。
オゼキ:ありがとうございます。でも今年は媚を売りまくろうと思ってますけどね(一同笑)。絶対に売れたいと思ってるから、俺はそのためなら。
米田:それはそれで良いと思います。そう言えるところも、僕は好きですね。
オゼキ:俺は、両バンドとも自分たちのやりたいことがちゃんと音楽ファンに受け入れられて結果を残しているバンド、っていう印象がありまして。夜ダンは露出の仕方も途切れないし、メンバー間やスタッフさんとの連携がとても上手くいってるんだろうなという感じでメッチャ羨ましい。それで着実に成果を残してるのがすごくて尊敬してるし、追いつきたいな、っていうのは違うのかもだけど、ずっと忙しくされてるのを見てるから早く一緒に演れたら良いなって思ってたのがこのタイミングで。出てくれるのも気持ちがないとできないところもあったと思うし、メチャクチャ感謝してます。
米田:ありがとうございます。
SAKANAMON
オゼキ:SAKANAMONに関しては、あの…去年の夏頃に出た曲が、音圧がもうバッキバキで。
藤森:マカロニ(えんぴつ)のよっちゃん(田辺由明)にギターを弾いてもらった「光の中へ åfeat. 田辺由明(マカロニえんぴつ)」かな?
オゼキ:マカロニ効果なのか(笑)分かんないですけど、音圧がメチャメチャすごかったんですよ。聴いて速攻、うちのギターの須田(原生)に電話したらやっぱり聴いてて“音、ヤバくない?”って。外部を巻き込んでそういうことをやったり、音のアプローチが毎回違うので、すごく音楽に対して誠実だし自分のポジションも確立してる。クセが強いのに今このポジションにいるのが、マジでスゴイっす。大好きです!
藤森:ありがとう! わーい!! じゃあ、皆が皆をリスペクト、っていうことで良いんですよね!
米田:そう思います!
オゼキ:好きなバンドであり今一緒に演りたいバンドである2組と対バンできる期間も空いて、新宿LOFTでのライブは“Benthamは今、こういう感じなのか”っていうのが伝わるライブをしよう、ってメンバーとも話してて。昨日もリハだったんですけど、お客さんはもちろん、SAKANAMONと夜ダンにも今のBenthamの状態をしっかり見せたいなっていう思いが強くあって。僕の一存でそういうセットリストにほぼ決めましたね、ちょっと最近はやってなかった曲も入れて。
藤森&米田:楽しみにしてまーす!
オゼキ:俺、去年からバンドでもプライベートでもメチャクチャいろいろとあったんですよ。それでも音楽をやってる、限られた時間の中で2組もバンドをしっかり続けてて自分たちの企画で同じ空間で音を鳴らせるのって本当にありがたいなと思ってて。これって多分、周りにサポートしてくれる人がいたら感じられなかった気持ち…だと思うんですね。なのでこの気持ちを大事にしたいと思うし、この気持ちを反映したセットリスト、ですかね。
藤森:うちのバンドはセットリスト番長が森野(光晴/ベース)ですけど、森野さんが企んでると思いますよ。もし、やって欲しい曲があったら僕らはガンガンやるので、リクエストがあれば言ってください!
オゼキ:ありがとうございます、個人的にあるので早めに連絡します!(笑)
米田:オゼさんが言ってることに近いと思いますが、対バンをしてなかった時間に僕たちもいろんな挑戦をしてきたし、昔の曲でそう言ってもらえることももちろん嬉しいんですけど、“新しい曲、カッコ良かったよ!”って言ってもらえるような、ピークのポイントを新しい曲で作れるような、そういうライブをしたいなと思いますね。