新幹線の中で訪れた土地のグルメを肴にお酒を楽しむという、誰にでもできる楽しみをコミカルに描いたドラマ『#居酒屋新幹線』。北陸・上越を舞台にシーズン2が開店した。新たな旅の思い出、本作の制作の裏側をシーズン1に続き主役の高宮進を演じる眞島秀和に話を聞いた。
[interview:柏木 聡(LOFT/PLUS ONE)]
心が安らぐ作品でいいなと思っています
眞島秀和:わかります。僕もナレーションを録画している時もお腹がなるので、技師の方に申し訳なかったです(笑)。
――そうなんですね。眞島さんは「まさかこんなに緩い作品で続編ができると思ってもみなかった」とのことですが。
眞島:そこだけ、切り取られると意味合いが変わってきますね(笑)。このドラマは何かが起きるというお話ではなく、日常を切り取った作品なのでそう表現しました。
――もちろん、ドラマチックで物語のある作品も面白いですが、こういった何気ない日常を切り取った作品は仕事終わりなどでリラックスして観るのに最適です。
眞島:何も不穏なことが起きない、おいしいお酒とおつまみが出てくるのも良いですよね。心が安らぐ作品でいいなと思っています。ぜひ、みなさんには安心してご覧いただきたいです。
――撮影の雰囲気はどんな感じでしたか。
眞島:実は撮影はシーズン1よりはゆったりしてはいなかったんです。次々と撮影場所も変わって、11月中旬以降の撮影ということもあり、寒さとの戦いでした。のんびりした作品ですが、スタッフ・キャストとも頑張って撮りました。
――そうか、こういった作品では放送時の季節とリンクすることも大事なんですね。
眞島:そうです。
――北陸・上越はいままで訪れる機会がそれほどなかった街だったということですが、実際に訪れてみていかがでしたか。
眞島:綺麗でとても活気がある街でした。
――意外と新幹線で食べるグルメに注目するドラマというのはなかったです。
眞島:ドラマではなかったかもしれませんが、新幹線をよく利用する方が普段やっていたことを掘り下げてお届けしている形です。だから、今度あれを試してみようと『#居酒屋新幹線』を楽しんでいただけるんだと思います。
――あそこまでセットをそろえる方は少ないでしょうが、多くの方が気軽にまねできる作品です。
眞島:あそこまで行くと上級者というか変な人の域までいっているかもしれません(笑)。昔ながらの日本酒はもちろん、今はクラフトビールも土地ごとに豊富に用意されているので楽しいです。駅ビルやお土産屋さんで取り扱っているものもあるので、観光で訪れるかたはみなさんももちろん、仕事で行く際もそういった楽しみもありますよという提案です。
――おっしゃる通り、日本酒以外の地元のお酒もたくさんありますよね。
眞島:クラフトビールもここ何年かで一気に増えました。日本酒のラベルや箱も刷新されていて、デザインを見ているのも楽しいです。
――作中で食べて印象に残っているものはありますか。
眞島:どれも美味しかったです。シーズン2で言うと長野に市田柿ミルフィーユがあって、干し柿とバターが層になっていたものが美味しかったです。僕は干し柿がそれほど得意ではありませんでしたが、これを食べて美味しいんだという発見がありました。
――いままで苦手意識があっても、調理によってその苦手意識がなくなり好きになることもありますよね。
眞島:そうなんです。あと、東京では中々見ない敦賀のソウルフードのフジバーグもおいしかったです。フジバーグは専門店があるわけではなく、スーパーで売られているお惣菜ですが美味しかったです。
――地元では当たり前でもほかの場所では知られていない美味しいものはたくさんありますよね。
眞島:ソウルフードと呼ばれているものは、どれも美味しくて面白いです。
新幹線というのはどこか非日常感覚があります
眞島:新幹線というのはどこか非日常感覚があります。行くときの高揚感、帰るときの名残惜しさ。そういう非日常の空間が『#居酒屋新幹線』の良さだと思います。
――シーズン1であった、『#居酒屋新幹線』をするキッカケの出会いも旅ならでは良かったです。
眞島:モロ師岡さんが演じられた師匠との出会いですね。
――私も学生時代に隣の席に乗り合わせたサラリーマンの方に缶ビールとおつまみをごちそうになったことがあったんです。試験終わり徹夜明けでのお酒ということもあって寝てしまい、その方は目的地に着いた時にはすでに下車されていたんです。そのことをいまだに新幹線に乗ると思い出します。
眞島:まさに同じ体験をされたんですね。知らない人とそういう空間を楽しむというのも良いですよね。高宮進はSNSの仲間と繋がっていますし。
――その場に同席していなくても繋がれるというのは、今ならではの交流ですね。
眞島:そうですね。
――訪れた場所で印象に残っているところはありますか。
眞島:小松編でお伺いした農口尚彦研究所という酒蔵は感動しました。90歳を超えて現役の杜氏をされている農口尚彦さんが運営されている酒蔵で、農口尚彦さんご本人にもお会いできました。日本酒の神様と言われている方だけあって神々しさもありました。実際にそこのお酒を買ってきて飲みましたが、本当に美味しかったです。
――いいですね、飲んでみたいです。日本酒を含めいろいろなものが出てきますがお土産におススメなものはありますか。
眞島:どれも美味しいので全部になりますが、新潟・長岡の吉乃川の吟醸と農口尚彦さんのところの日本酒は日本酒好きのかたは是非。お酒のつまみでいうと、小松の白山堅とうふと福井の小鯛のささ漬、この2品は日本酒に合います。お酒を飲まない方であれば福井の羽二重餅はおススメです。お取り寄せもできるのでぜひ。
――いっぱい出てきて止まらないですね。
眞島:そうなんです。たまたま話の流れで紹介しましたが、どれも美味しいので気になるものはぜひ楽しんでいただきたいです。
――お話を伺っているだけでお腹が空いてきました。シーズン2も空腹対策をして観ないといけないです。
眞島:そうですね(笑)。