Vo./Gt. 有明、Gt. みうらたいきによる横浜出身オルタナティブバンド、レイラのNEW EP『つづく』が2月9日にリリース、2月18日からはリリースツアーが開催される。2021年に『World』というそれまでのレイラの幅を広げたアルバムをリリースし、コロナ禍ではありながらもWWWでのワンマン公演を成功させ、これからというところでメンバーが2人続けて脱退。しかし、止まることなく音源リリースや、ライブへの出演を続け、2023年は新宿LOFT、下北沢SHELTER、Flowers LoftとLOFTグループの店舗だけでも自主企画を多数開催するなど怒涛の1年となった。傷つき、再生、未来へ向かって疾走していくこの約2年半のレイラのストーリーを封じ込めたような『つづく』は、とにかく美しい。ストーリー性が明確で、映像的で、先行配信された「kadode」など、レイラの新境地と言える美しい曲に驚いた人も多いのではないか。レイラだけでなく、多くの人に当てはまる美しい物語が描かれたこの『つづく』がどうやって生まれたのか、メンバー脱退当時の心境、新メンバー加入の可能性など、たっぷり語ってもらった。(Interview:小野妙子)
予定が入りすぎてて「解散しよう」とか話にも出てこなかった
──EPのお話を伺う前に、前回のWWWワンマン(2021年7月『東名阪”World” tour 2021』ファイナル)から今日までの約2年半の間のお話を先に伺いたいと思います。このときはまだメンバー4人だったわけですが、それまでのレイラの幅を広げた『World』というアルバムを出してライブをやって、手応えは感じていたんですか?
有明:まずコロナ禍で、ステージの先頭から自分たちが立っているところまで距離があったし、前2列ぐらい椅子だったんですよね。声出しもNGで。手応えはあったけど、もうちょっとやりたかったなっていうか、日常に戻った状態でまたやったらどうなるんだろうって思いました。
みうら:前回のWWWは、自分たち発信で決めたわけじゃないんですよ。当時お世話になっていた人に「WWWやってみようよ」って言われて。あんまり現実味がないというか、達成感はなかったです。
──その後にメンバーが2人脱退されてバンドの危機だったと思うのですが、当時のメンタルやバンドの状態はどうでした?
有明:1回目はもうびっくりしすぎて「え?」って。ヤバかった。しかも「じゃあ今日もう脱退です」っていう急なパターンだったんで、心の準備もなかったんで、浸ってたよね結構。脱退の翌日が名古屋遠征で、当初3人で車で「マジか…」みたいな(笑)。
みうら:ずーっとその話してたよね。
有明:LOFTの大塚(智昭)さんが心配して、わざわざ一緒に車に乗って名古屋まで来てくれたんです。すごい仕事いっぱいあったのに。慰めてくれたわけでもないけど、支えてくれました。それで、3人で続けていく中で熱量の差みたいなのがあってもう1人も抜けていったんですけど、薄々感づいてた部分はありました。1回目よりはダメージ少なかったけど、2人になってからシンプルに人数が少ないからやることが多すぎて。
──2人になって、どういう話し合いをしたんですか?
有明:逆にもうすごい予定が決まっていたんですよね。LOFTで『喧嘩』っていう企画を初めてやるのも決まってて。予定が入りすぎてて「解散しよう」とか話にも出てこなかったし。ただ続ける感じ。「2人になったから」っていうよりは「レイラをどうしていこう?」みたいな感じの話をしていました。
みうら:でもやっぱ、要所要所で悲しいときっていうのはあるんですけど、考える暇もなかったです。いいライブができなかった日に大体そういう話をしていました。
──去年は曲のリリースもして、「LOFT大賞ください!」ってTwitterで言うぐらいLOFTグループの店舗だけでもかなりの本数出演されていましたが、今振り返ってどうですか? 印象に残っているライブなどありますか?
有明:全部印象に残ってる。コロナの規制が5月ぐらいからなくなってお客さんの熱量もどんどん上がっていったし、それを見て私たちがもらうものもあったし。『喧嘩』も先輩の背中を見たからこそ、自分たちはどういうライブをしたらいいんだろうとか思えたしね。
みうら:全部ですね。サポートメンバーと一緒にやるのもなかなか難しいんで、ライブの本数を絞っていた時期もあるんですけど。2023年はたくさんライブして、今の2人のレイラを見せようっていう気持ちになってめちゃくちゃやろうとしたら、やりすぎました(笑)。
有明:みんな呆れてたよね。「企画やりすぎだよ」って(笑)。本当に悔いないぐらい頑張りました、2023年は。