新宿ロフトで6月8日に開催のmeiyo×新宿LOFT presents『aufgießer(読み:アウフギーザー)1st set』。"ありそうでなかった3組"で、meiyo/SAKANAMON/メメタァが共演する。meiyoと新宿ロフトの共催でお届けするイベントだが、確かに他のどんなライブハウスでも見られない組み合わせだろうし、バンドマンからのリスペクトがとにかく多いSAKANAMON/コロナ禍に屈せずライブ本数を重ねてきたメメタァ/SNSでバズを巻き起こしたmeiyoという、音楽シーンにおいてそれぞれ違う歩みを見せてきた3組が集うという点でも実に面白く感じる。その日を前に新宿ロフト・Barスペースに3組のフロントマンが集合、ブッキング担当・樋口寛子氏も加わって大いに語らってもらった。企画意図からスタートした座談会、どうぞお楽しみください!(Edit:高橋ちえ)
この3組には音楽で共通しているところがちゃんとある
樋口:コロナ禍に入ってから、ワタナベ(タカシ/meiyo活動前の名義)くんは配信ライブだったり動ける範囲でよくロフトに出てくれていたんだけど、そのコロナ禍中にワタナベくんの活動環境が変わってきたこともあってご無沙汰になってしまって。ようやくコロナの状況も緩和されてきたし、マネージャーさんに“久々にロフトでライブをやりませんか?”と連絡したら“ぜひ!”とお返事をいただいて。では何か一緒に・共催という形で進めましょうか、というところから始まったお話で。だったらmeiyoとして共演してみたいバンドだったり私が共演してもらいたいなと思うバンド、3組ぐらいで出来たら良いんじゃないかな、と…それでmeiyoくんはもともとSAKANAMONの大ファンであったりとか、meiyoとメメタァはもう既に何度も共演を何度かしているし、この3組でというのはすぐに決まりましたね。
meiyo:そうですね。SAKANAMONとはいつか共演したいとずっと思ってました。メメタァとも共演は1年ぶりとかで、けっこう久々で。
西沢成悟(メメタァ/vo & g):僕が弾き語りで一緒だったときもありましたよね、配信でというときだったと思うんですけど。
樋口:コロナが本当に大変だったときだよね。それから今、堂々とライブをやれるときが来てmeiyoくんに久々にロフトに出てもらえるのも嬉しいし、meiyoとの企画としてやれることがロフトとしてもすごく嬉しいですよ。meiyoとして活動を始めてからはコロナ禍で、ネットを中心舞台に動いていた感じがあるよね?
meiyo:そうですね、ちょうどコロナ禍に入る頃に活動の方向が変わった感じでした。コロナ禍直前まではバンドっぽい曲をやってまして、その頃から打ち込みをやろうかな…って思って作ったけど、(それまでの楽曲とは)毛色が違うし、どこで出そうかなと思ってた曲を、ライブが出来なかった時期に“こんな曲も作ってみましたよ”って(SNS等に)出したのがきっかけで、動きが変わったんですよね。自分でもビックリでした。
樋口:「なにやってもうまくいかない」(2021年)は本当にいろんな方に聴かれた曲だよね。
西沢:この前、街でたまたますれ違った女の子がその曲を歌っててビックリしました(笑)。そんなに広まってるんだ、って!
meiyo:いや〜、本当にありがたいことです。
樋口:じゃあ今回のイベントに出てくれる皆、それぞれお互いの印象だったり第一印象とかを聞かせて欲しいな。
meiyo:メメタァは共演前から名前を見かけていて、メチャクチャ精力的にライブをしているバンドだなぁって思ってて。勝手に激しいバンドなんだろうなっていうイメージを持ってて実際にライブを見たら、最強ポップ! それで一気に好きになった、メンバーも皆かわいいし(一同笑)、ちゃんとメンバーそれぞれのキャラも立ってるし、羨ましいな、バンドって良いな、って最初に会ったときから思ってました。SAKANAMONは、「ミュージックプランクトン」(2011年)を聴いたときに“コード進行とかもすごく特徴的だし、何てことをしてるんだ!!”と思って(笑)。それとちょっと勝手ながら、(藤森に)歌い方というか声の出し方に似たようなものを感じてまして。いつか一緒にライブが出来たら良いな…っていうのは本当に、ずっと思っていたので今回は本当に嬉しいです…って、緊張するな〜…!
樋口:ちょっと何だろう、告白みたいになってるね!
藤森元生(SAKANAMON/vo & g):僕も動揺してます(一同笑)。でもまず本当に、15年やってきて良かったなって思いましたね。音楽で頑張っている子たちに“SAKANAMON、聴いてました”って言われて、そういうことを言われれば言われるほど自信がつきます、っていうことも思えるような歳にもなりました。
樋口:元生くんはmeiyoとメメタァの音楽はどう感じてる?
藤森:メメタァはずっと前から知ってはいたんですけど、初めてちゃんと共演したときのライブを見て、熱いなぁって思った。見た目とのギャップがすごくて、それこそ可愛らしいライブをするのかなと思ったら逆にめちゃくちゃエモくて。ストレートで伝わりやすいし疾走感もあって、素直にカッコ良いなって思ってました。活動の仕方も地道に積み重ねながら、ちゃんとロックしてる。バンドの成り立ちみたいなものも良いなぁって、陰ながら応援してました。meiyoさんは知ったのが最近なんですけど聴いて、すごいな〜ってまず思いましたね、音楽の成形の仕方・建設の仕方が。ユーモアもあるしロジカルなところもあって面白いし、どんな音楽を聴いてきたんだろう? って思ってましたね。
meiyo:SAKANAMONでした!(一同笑)
藤森:メメタァも然りで(3組に)共通してるなと思うんですけど、曲を聴きながら歌詞の譜割りとか言葉やリズムの当て方が上手いなって思う、僕たち(笑)。語感の良さとかをすごく意識してるなっていうのを感じますね。
樋口:なるほどね〜! 成悟くんから見て、この2組はどうだろう?
西沢:meiyoさんと初めて会ったときはワタナベタカシ名義でバンドで、ロフトで対バンをしたんですけど、当時はドラム&ボーカルで。
樋口:そう、そうだったんだよね。
西沢:それだけでもかなりすごいんですけど、曲も声もすごく好きな感じで。前はもっとパワーポップみたいな感じでしたよね?
meiyo:そうですね、最近はちょっとその感じはご無沙汰ですけどね(笑)。
西沢:その曲の感じが好きで自然とメッチャ仲良くなって、アレンジに関してアドバイスを聞きたくて、デモ音源を送ったりしましたね。パワーポップから打ち込みにも移行していくタイミングの頃で、meiyoの音楽に新しいものを感じてて、“meiyoだったらどうするのかな?”って。SAKANAMONは僕、高1のときにコピバンを組んでたんですけど、よく出ていたのが大岡山にあるPEAK-1っていうライブハウスで。SAKANAMONもよくそこでライブをしていて、コピバンが10組ぐらい出たイベントの最後にゲストでSAKANAMONが出るっていうことがあって。表現が難しいんですけど…何と言うか、学校のOBみたいな感じですね(笑)。
藤森:PEAK-1の第一卒業生みたいなもんだからね。
西沢:ここから有名になっていく人っているんだなぁって、リアルに身近に初めて感じたバンドですよね、SAKANAMONは。ここでやっていることが繋がっていくんだなぁっていうのを間近で見せてくれた感じですよね。
樋口:今回、こうして新宿ロフトで共演するっていうことも繋がってるなぁって純粋に私は思いましたね、今のお話を伺って。