ふらっと「新曲できたから演奏させてよ!」みたいな場所
──from Studio KiKiでの活動について聞きたいんですけど。 セッションが毎月あって、さらに楽曲もこれから出していくってことになると、相 当一緒に作業している時間も多いと思うんですけど、普段どういう感じで制作してるんですか。
マスダ:from Studio KiKiに関しては、曲を披露する場ってふうに捉えてますね。
稲見:コロナでライブもそんなにできなかった時だったから、見せる場を自分たちで作ろうよ、みたいな感じだったのかなあ。
マスダ:曲ができたらスタジオライブをして、それをYoutubeにアップしてして、 それを見て賛同してくれる人とかをゲストに巻き込んで続けていけたらいいね、み たいな話をしてたかな。
──ライブができないんだったら、そういう場所を作っちゃえばいいじゃんって思ったわけだ。でもそこも多分普通だったら慎重になってますよねきっと。既存曲じゃなくて、新曲を真っ先に披露しちゃうって普通のライブでもあんまりない。
マスダ:普通リリースしてから曲を演奏するという流れはあるよね。
──アベンズはリリース前に新曲をライブでやったりするんですか。
木幡:まあ1曲とかはやってたけど、俺たちはあんまりやらないほうだと思う。間 に合わないっていうか(笑)。
──miida and The Departmentでは新曲をfrom Studio KiKiでも結構やってますよね。
稲見:カバーもあったりするけど…。
マスダ:5曲ぐらい作った気がする。
木幡:まああれだよね。楽しいことをやりたいなっていうのが結構あったかも。なんというか、曲作ってリリースして、ライブやってツアーみたいな、音楽業界の ルーティンもコロナでちょっと崩れちゃったじゃないですか。なんかそういうのを 見直すちょうど良いタイミングだったなっていうのもあるし、そういうルーティン から外れて、単純に”面白いこと”をやるのに「from Studio KiKi」っていうプラッ トフォームが今は良く作用してるんじゃないかな。
──確かに。リリースしてツアーやって、夏フェスがあって制作してって。どのアー ティストもほんとルーティーン化されてきてますよね。from Studio KiKiのスタイルは、逆に海外とかだったら結構あり得るというか。 こうやってミュージシャン同士が集まって、毎月何かやるっていうのは日本にはあまりないけど、すごくいい試みだなっていう思います。これは今後も続いて行く予定ですか。
木幡:誰かが倒れるまでは…。
一同:(笑)
マスダ:from Studio KiKiは私たち3人がマストで出なきゃいけないっていう方針もなくて、3人でコンセプトを考えて、ゲストを呼ぶんだったら呼ぶだし、1人で弾き語りしに来てもらってもいいし、お話だけしにきてもらってもいいし、あとはたとえばアート系のライブペイントとか、そういうのもやりたいねっていう話をしているので、いろんな活動方法はあるかな。
──なるほど。
マスダ:ネタが尽きたらアレですけど…(笑)。
──ちなみに今はゲストアーティストの楽曲をリアレンジしたりして演奏してますけど、準備は大変じゃないんですか?
木幡:大変なこともあるけど、いい忙しさというか。楽しくやれてる。平日曲作って土日は酒を呑むっていう理想的なルーティーンができてるかなと(笑)。
稲見:平日も呑んでるけど(笑)。
──「from Studio KiKi」の最終目標とかってあるんですか。この人を呼びたい! とか。
稲見:この前収録が終わった後飲みながらみんなでDVDとか見た時にThe Yellow MonkeyのライブDVDを観ていて…俺ら、初めてコピーしたのがイエモンだったん だよね。
マスダ:あ〜、吉井さん来てくれたら私も嬉しいな。
──ブランドとして確立してさせないとですね。
稲見:まあでも出たいよって言ってくれる人が出てくれたらすごくうれしい。
マスダ:そうですね。今後どういう風になっていくか全然わかんないんですけど、 基本、開放感のある場所というか、誰が来てもOKっていう感じにでいたいんですよ ね。例えば本当に無名のアーティストでもいいし、逆にものすごいビックネームの 方が来ても「いいね」ってなるような懐の深さというか、「え!from Studio KiKi に出れたんだすごい〜!」みたいな、そういう箔はいらないというか、敷居の高い 場所にするつもりは全くなくて。ふらっと「新曲できたから演奏させてよ!」みた いな場所にしたいです。
木幡:使いたい人はたくさんいると思うな。だってカメラマンも呼んでもらえてさ…!
稲見:俺は単純に溜まったものが1カ月でバッと出せる気持ちよさがすごくあるな あ。
マスダ:演奏は一瞬なんですけどね。
──でも映像に残りますもんねぇ。
マスダ:確かに!