兎に角、綺麗に撮ろうと意識しました
――「ポルノグラファー」は口述筆記で官能小説を書かせるという特殊性癖を描いていて観ている側としては面白い設定ですが、お二人は実際にそれを演じてみて如何でしたか。私は普通の濡れ場よりも恥ずかしいような気がしているのですが。
猪塚:そこが「ポルノグラファー」の一番の魅力だと思っているので、羞恥心とかは全くなかったです。その設定が面白いと思って原作も読んでいました。
三木:最初の「ポルノグラファー」撮影初日の最後がトイレでいきっているシーンですからね。
猪塚:女性が観ている事も考えないといけないので、トイレシーンの時はどんな顔すればいいんだろうと凄い考えてしまいました(笑)。口述筆記部分は撮影を楽しめたくらいです。
――それはなかなか難しい演技ですね(笑)。そういう意味でも全部をさらけ出さないといけないわけなんですね。
三木:口でもなんかしてましたからね。
猪塚:しっかり臨場感が画に出るように工夫してました。
三木:自分で指を置いて舐めて音を出していて、凄い上手いんです。だから、羞恥心はまるでないという事です。
猪塚:努力の賜物です(笑)。
竹財:感覚はおかしくなってましたね。2・3回やっているとつまらなくなってきたので、アレンジも加えてました。
――濡れ場は打ち合わせされたりしてるんですか。
竹財:ある程度の流れだけですね。
猪塚:そうですね。殺陣と一緒なので。
三木:映像としてみると綺麗になることを意識したポーズをとってもらいました。
――確かに、画として綺麗に魅せるという意識が必要になりますから大変ですね。
猪塚:そういう意味ではドラマの時も含めて監督が絶対に綺麗に撮ってくださっているので、安心して身を任せさせていただいたた部分はありますね。
――実際に「ポルノグラファー」は、ベッドシーンだけでなく全体を通して画が綺麗なんです。その画作りを三木監督はどのようなことを意識されて撮られたのでしょうか。
三木:兎に角、綺麗に撮ろうと意識しました。「ポルノグラファー」をやり始めたときにBL作品をいくつか観たんですけど、ちゃんと撮っていない作品が多かったんです。だから、濡れ場も含めて綺麗に美しくなるようにしっかり手を込めた作品にしたいと考えました。
――竹財さんも先ほどおっしゃられていましたが「ポルノグラファー」は行間を含めて美しい作品なので、演技のコダワリも含めて画作りを丁寧にしていただけていて、漫画がそのまま映像になったなと感じました。この作品に限らず漫画は画があるので映像化することは難しいと思いますが、実際にこの作品ならではのやられたことはありますか。
三木:漫画に近づけるように竹財くんは爪の手入れだけじゃなくて、下の毛も剃っているんです。剃った方がきれいだねという事になって、そうしてもらいました。
竹財:「インディゴの気分」の時に木島の自慰のシーンがあるんですけど、そこは好きな人のために開発するという凄い大事なシーンなので、他に目が行くようだと違うシーンになってしまうと思い整えました。実際に画を観たときにやっぱりこっちの方が綺麗だなと思ったので今回も剃っています。