ロックの一つの本質じゃないかと思います。
――それを実現する橋本さんの手腕もさすがです。音楽繋がりで言うと劇伴のこだわりも強いように感じています。音楽を聴くだけでも楽しい作品です。
橋本:楽曲数は多いですよね。物語全体に通底する楽曲群。各話のジャンルを表現する楽曲群。一番の見せ場で画とリンクして流れる楽曲。この3つをどうやって予算内に収めるか? 音響監督の小泉さんと安藤監督、じん君とで何度も話し合って貰って、シナリオに対してどの場面でどの曲を填めるかのパズルを出来上がるフィルムを想定しつつ緻密に組んで貰った事で実現しました。音響チームも凄く熱意をもってやってくれましたね。本当に難しいダビングだったと思いますけど。
――設定資料集は出ますか? お話を伺って改めて欲しいと強く思いました。
橋本:僕も欲しい! どこか出版社さんが商品化申請して頂ければ、直ぐ許可できると思います。音楽誌/アニメ誌のライターでもある宮さんが全部書いてくれるはずです(笑)。
――本当によろしくお願いします! 沢山のコダワリを伺えましたが、改めてここに注目してほしいという点があれば教えてください。
橋本:先ず旅の行き着く先ですね。合わせてジミの正体です。登場人物、皆がそれぞれに違うジミ像を語る。モデルとなったジミ・ヘンドリクスもそういう存在ですし、ロックの一つの本質じゃないかと思います。
――ミミナシやこれからの物語が気になってしょうがないのですが、話せる範囲で伺えますか。無理を承知でお願いします。
橋本:黙秘します(笑)。それは…。折角、オリジナル作品ですから、先の分からない事を楽しんで貰いたいですね。
――ですよね(笑)。座して放送を待ちます。「LISTENERS」のテーマの1つになっていますが、橋本さんにとっての『決して忘れられない「音」』はありますか。
橋本:映画学校を卒業した後、楽器も弾けないのに何故かバンド始めたんですよ。就職もせず。で、唯一、経験者だったメンバーが持ち込んだオリジナル曲を演奏した時のギターの音。自分が叩いたドラムの音。演奏が終わった瞬間に爆笑した皆の嬉しそうな声。忘れられないです。
――最後にファンの方へのメッセージをお願いします。
橋本:今までロックに触れて来なかったとしても、この作品を観て、例えば、ニルって可愛いな。ビリンとケヴィンカッコいいな。なんて思っていただけたら、ちょっと検索してみてください。広大なロックの海が待ってますから。最高に楽しいですよ。そうやって、若い人たちに何かを受け渡す事が出来たら本望です。僕らも、同じように伝説のプレイヤーから受ってここまでやってきましたから。アニメもロックもそうやって繋がって行くのだと信じてます。



















