オオトモ ヒロユキ(ヒロVo.&G.)、半妖ゲッチ(B.&Vo.)、ヤマダアキヒロ(アッキー、Dr.&Cho.)からなる大阪在住のバンドごっこ。2009年の活動開始以来、「ライブとは自由なものだ!」を銘に毎度集うものに「楽しいライブ」を寄与してきた。
ポスト/マスロックを経た技巧的なサウンドと、ポップで親しみやすいメロディや歌も魅力的な彼ら。共演ジャンルも多岐に渡り、各毎共演者のお客さんをも含め魅了してきた。
「これまで最も立ったステージが新宿ロフトだった」と語る彼ら。4月9日には同地にてKoki Tanakaとリアクション ザ ブッダと共に「三つ巴ライブ」を繰り広げる。ジャンルやタイプが異なるも接点も深いこの3者。同日の共に創り上げる一夜にも期待が募る。
そんな彼らに、新宿ロフトとの想い出、自身のライブでの気構え、「三つ巴ライブ」等について訊いた。
(interview池田スカオ和宏)
これまで数多く新宿ロフトのステージに立ってきたけど今だに立つ度に背筋がシャンとなる
──これまで最もライブを行った会場が新宿ロフトだったとお伺いしました。
ゲッチ:そうなんです。僕ら大阪在住のバンドなんですが…(苦笑)。今や東京のホームグラウンドであり東京のふるさとですね、新宿ロフトは。今やもう実家です、実家(笑)。
──そんな新宿ロフトのステージに最初に立った際を覚えていますか?
ゲッチ:とても嬉しかったのを覚えています。憧れのライブハウスだったし。東京でライブをやり始めた直後辺りから出させてもらったんですが、最初の動員は2~3人でした(苦笑)。
ヒロ:もう空気感やハコの雰囲気、スタッフさんの本気度、対バンの方々…その全てに圧倒されましたね。
アッキー:僕ら程度のバンドでもキチンとスタッフさんが機材の搬入等を手伝って下さったのには感激しました。その分、「しっかりやらなきゃ!!」って気持ちが引き締まったのを覚えています。
──ちなみに樋口さん(新宿ロフトにてバンドごっこ初の同地でのライヴブッキングを始め以後数多くの彼らの新宿ロフトでのライブを企画してきたロフトスタッフ)が彼らを知ったのは?
樋口:「飛ばない鳥」のMVをYouTubeで観たのがキッカケでした。「歌とメロディが凄くいいな…」って。それで『MUSIC LINXS』という当時(2013年)私とVINTAGE ROCK(イベンター)さん、タワーレコードさんと共同でやっていた定期イベントに出てもらったんです。
ヒロ:最初に樋口さんに会った際に、「音速ラインと近いものがある」と言ってもらえたのが記憶にあります。とても嬉しかったですね。後に2マンも実現させてくれたし。
──現在はもう慣れた感じ?
アッキー:いやー、立つと今だ背筋がシャンとなります。想い入れも深いので。これまで錚々たる方々が立ってきた伝説や歴史もあるし。あとは怖い街(新宿歌舞伎町=世界有数の歓楽街)にありますからね(笑)。
ゲッチ:キャパも大きいので演る際は毎度かなり気合が入ります。「いつかはロフトでワンマンを演る」、それが僕らの目標の一つだったりするし。去年はツーマンまではこぎつけたんですよね。あとひと息です。
ヒロ:僕も毎度、気を引き締めながら演らせてもらっています。今や親しいスタッフさんも多いし。
ゲッチ:リハの時にオレンジジュースが飲めるのも嬉しい(笑)。あとはライブの打ち上げの際に毎度食べるオムライスが大好きで。あれが誰でも500円で食べれる。あのコスパは凄いです。
ヒロ:僕は終演後の出演者との会場での打ち上げも大好きですね。そこでの結びつきや、更なる親密度のアップも含め。
──そんな新宿ロフトにて何か印象に残っている出来事ってありますか?
ゲッチ:オムライスと…(笑)、あと、「うわっ、信号機がライブハウスにある!?」って(笑)。
ヒロ:毎度対バンのレベルが高いですよね。勉強になることも多くて。出る度に成長させてくれるし、成長できるハコやなぁ…と。あとは何かトラブルがあると素早くスタッフさんが対処してくれる。自分たちレベルだと他の会場ではまだまだトラブルを自分で対応することも多くて。その際のトラブルシューティングの事例の多くは、そのスタッフさんの対応を見て学びました。
アッキー:自分は誕生日付近にロフトでライブがあった時に、ステージ上でみんなに祝ってもらったことですね。その際に樋口さんがケーキを持ってきてくれたんです。あれは嬉しかったなぁ。あと今だに色々な場所で「バンドごっこを初めてみたのはロフトでした」って方々も多いし。
ゲッチ:当初は僕らはまだ取り置きチケットが主だったんです。でも樋口さんからは「それじゃあ、広がりにくい」と教示してくれて。「プレイガイドでの販売にもっと力を入れた方がいい」って。で移したはいいけど当初はなかなか上手く結びつかなかったんです。それでも続けていくうちに成果も現れ始めて。その他にも「プロ意識」みたいなものや「バンドマンとしての常識」を色々と学びました。それが結果、広がりや大きくなっていったことへの結びつきを今は実感しています。色々なライブハウスに出てますが、なかなかそこまで親身になってくれる方って少ない。バンドごっこに対する愛は常に感じており感謝しています。
樋口:「そこまでのバンドで終わって欲しくない」との気持ちが常に私の中にもあったんでしょう。
共に一緒にいい空気や雰囲気、一夜をお客さん共々作り出せたら最高
──4/9には「三つ巴ライブ」がありますが、一見異色な組み合わせ印象ですが、3組とも接点があるとか?
ゲッチ:そうなんです。各々それなりの関係性を築けてきた自負があるので、この3組で一緒に演るのが今からとても楽しみで。
アッキー:それぞれ何度か一緒にライブさせてもらいました。Kokiさんからは主催イベントやツアーにも何カ所か呼んでもらったり。キッカケはKokiさんが僕らをYouTubeで知って声をかけて下さったことでした。
ゲッチ:ブッダも最近は減りましたが、これまでかなり一緒にやりました。それこそロフトでも何度か。
アッキー:ブッダとは最初、普通のライブハウスの何気ないブッキングのイベントが初めての共演やった?
ゲッチ:「何気ナイト」やったっけ?(笑)
アッキー:そんなわけないやろ(笑)。で、その日の打ち上げでメンバーと喋って、当時ギターのケン君と僕が非常に髪型が似ていたんです。その時の写真を最近見返したら、今やお互い1mmも似てないという(笑)。
──当日はどんなライブにしたいですか?
ゲッチ:もう僕らは僕ららしく。各々タイプもカラーも音楽性も違うので、どこに寄せるとかは考えず、あくまでも自分たちの音楽を演るだけです。
ヒロ:あくまでも独自路線で。僕らは僕らのやり方で勝負して、それが3アーティスト共に一緒にいい空気や雰囲気、一夜をお客さん共々作り出せたら最高です。僕らはラウド系だろうがメロコアだろうが、アコースティック等々ジャンル関係なく常に無尽で呼ばれたりしますが、いつでもどこでも自分たちの音楽を楽しくやってるだけですから。それはこの日も変わらない。
ゲッチ:最近はアイドルのイベントにも誘われて、いい反応でした。
アッキー:めちゃめちゃ盛り上がったよね。
ゲッチ:僕らの曲でもヲタ芸が最前列で繰り広げられていて。
アッキー:「サンダー!」「タイガー!」ってみなさん掛け声と共にヲタ芸をやってくれたんです(笑)。
ゲッチ:事後にTwitterを見ていたら「バンドごっこがトラ打ちを解禁してくれた!」ってあって。まっ、僕らは他のお客さんが困惑しない程度に、みなさんに楽しんでいただけたのならそれでいいので。
アッキー:僕らはお客さんを選びませんから。いつかはやってみたいですよね。大きな会場で4つぐらいに客席を仕切って、観るゾーン、暴れるゾーン、盛り上がるゾーン、ヲタ芸するゾーンって(笑)。みんなが共有できるし、楽しめる音楽性やライブの自負を持っているので、自分らは。
ヒロ:好きに楽しんで欲しい。みんな仲良くおもいおもいに自由に楽しんでもらうのが理想です。
──最後に当日の意気込みを教えて下さい。
ゲッチ:是非Kokiさんには自分たちのステージに上がってもらい、僕たちの曲を歌ってもらうか、Kokiさんのバンドの際の曲を僕らが演奏し、Kokiさんに歌ってもらいたいですね。それが実現したら最高です。
ヒロ:ブッダにも是非僕らの曲でも一緒に歌える場面があったらいいな…とも考えていて。Kokiさんもブッダも一緒に文字通り「三つ巴」な夜を作り出したいです。
アッキー:それこそそのイベントならではの何かを生みたいですね。是非楽しみにしていて下さい。