Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューめりぴょん - 阿佐ヶ谷ロフトAイメージガール、めりぴょん!

阿佐ヶ谷ロフトAイメージガール、めりぴょん!

2020.02.04

 2020年1月16日に「阿佐ヶ谷ロフトA」にて開催されたオーディションイベント「阿佐ヶ谷ロフトAイメージガール公開オーディション!!」にて見事グランプリを獲得しためりぴょんが「Rooftop」に初登場!!
 オーディションにエントリーした志望動機が、「阿佐ヶ谷ロフトAのイメージガールになって阿佐ヶ谷ロフトAを乗っ取りたかったから」という彼女。めりぴょんとは一体何者なのか。阿佐ヶ谷ロフトAに突如「外道ナイト」というイベントを持ち込んできた彼女の生態に迫る。[interview:山崎尚哉(阿佐ヶ谷ロフトA)]

阿佐ヶ谷ロフトは一番尖ってるイメージ

──阿佐ヶ谷ロフトAイメージガールオーディショングランプリ獲得おめでとうございます。改めてお聞きしますが、阿佐ヶ谷ロフトAイメージガールオーディションにエントリーしたきっかけは?

めりぴょん:阿佐ヶ谷ロフトさんってロフト系列の中では一番尖ってるイメージがあって、それでいてアットホームで。是非、阿佐ヶ谷ロフトAのイメージガールになりたいなと思いました。それに、吉田豪さんの騒動も面白かったし。

──ありがとうございます。それではめりぴょんさんの経歴を伺っていきたいと思います。どうやらドラッグがお好きと伺ったのですが。処方箋ドラッグはまだやっていますか。

めりぴょん:昔よりは頻度は下がりましたが、ぼちぼちやらせていただいていますね。

──処方箋ドラッグをやり始めた経緯は?

めりぴょん:初めて精神科に連れて行かれたのが中一の時で…。

──親にですか?

めりぴょん:いや親というより学校の先生ですね。学校の先生が、「めりぴょんは様子がおかしいから、精神科に連れて行ったほうがいいんじゃないですかね」って。それで連れて行かれ、薬を処方されるようになったんですけど。

──それが精神安定剤とか?

めりぴょん:そうですね。それが私とマイナートランキライザーとの出会いでした。

──マイナートランキライザー?

めりぴょん:精神科の薬ってメジャートランキライザーと呼ばれる強い統合失調症の人とかに使われる薬と、デパスとか効用の時間が短くて一時的にふんわりするマイナートランキライザーと呼ばれている分類がありまして。

──コカインみたいな感じですか?シャブとコカインの違いみたいな。

めりぴょん:そこまではいかないけど、マイナートランキライザーは不安な気持ちをポワポワさせたり穏やかにさせたりする効果があって。ジプレキサとかリスパダールとかメジャートランキライザーは統合失調症患者向けで、脳のざわめき、幻聴とかが消えるんです。それを普通の人が飲むとすごく眠くなって十何時間も寝ちゃうから強い眠剤として飲んでいる人もいるんです。

──メジャートランキライザーはラリったりはしないのですか?

めりぴょん:ラリったりするのは、マイナートランキライザーのデパスですね。乱用が問題になっていて、世間の噂によると出す医者が減っているらしくて。依存症が問題になっていますよね。眠剤もロフピノールとか有名ですけど、レイプドラッグとして悪用する人が多すぎて、薬に青い色がつけられたりしました。

──それで、入れられたか判別できるようになっているんですね。

めりぴょん:でも最近は処方箋OD(オーバードーズ)ってあんまり流行ってなくて、若者は大体ストロングゼロとか。よくいるじゃないですか、パキってるって言葉使っている人達。歌舞伎町の路上で、ストローでストロングゼロを飲んでるみたいな。あとはブロンですかね。市販の咳止めの錠剤なんですけど、最近、若者の薬物乱用の天下は間違いなくブロンです。SNS映えするんですよ。瓶の写真を載せたりして。

──そんな薬が普通に販売されているんですね。

めりぴょん:私、若者の情勢を知るためにSNSで「#病み垢さんと繋がりたい」のタグを見てるんですけど、やはりブロンが多い。がっつり精神病みたいな人も、カジュアルな商品のほうが流行ってきている。私が処方箋ドラッグを乱用し始めたのは高校生の頃で、デパスは病院でしか処方されないんですけど、個人輸入のサイトでデパスが買えた時代で、オオサカ堂っていうサイトの通販で買えたんですよ。メンヘラで飲んでいる人がいっぱいいて、私もご多分に漏れず乱用していたんですけど、乱用して奇行を起こす人が増えすぎたせいで、規制されちゃって輸入禁止になりました。

──日本で作ってるのはあんまりないのですか?

めりぴょん:それもおもしろくて、デパスって日本生まれの薬なんですけど、日本で個人から個人へ売ると違法なので、噂ですけど、デパス粉というデパスの粉を日本でつくってインドに送ってインドでプレスして日本に送る逆輸入のような形だったとか。デパスは砕いて鼻から吸ったりしていましたね。アルミホイルの上に置いて炙って吸ってみたり。

──すごい生活ですね。学校とかは行けてたんですか。

めりぴょん:なんとか。でも高校は三年の時に中退しました。俳優のおっかけをしていたら、出席日数が足りなくなって、留年するかやめるかという状態になって、やめてしまいました。そこからずっと2chとかで中卒って言われていて、自分でもちょっと中卒って肩書きに愛着が湧いてたんですけど、去年ちょっと大学というところに行ってみようかなと思って、21歳で半年間通信制高校に入り卒業しました。教室でレポートの写経をやったり。体育も実技と座学があって、実技がだるかったんで座学ばっかり取っていて、無駄にオリンピックの歴史に詳しくなりました。「国際オリンピック協会の創始者は?」「クーベルタン」みたいな(笑)。アテネから始まって、全裸でちんちん丸出しの屈強な男が走り回っていたのが、いまは素晴らしい行事みたいになってるのが世の中わからないですよね。いつか外道ナイトも素晴らしい行事として国連に取り上げられるかもしれませんし(笑)。

外道ナイトのきっかけ

──外道ナイトはいつからはじめたのですか?

めりぴょん:初回は2018年の5月にやりました。

──最初にイベントやったとき集客の不安はありましたか?

めりぴょん:外道ナイトは、これで食ってくという感じで始めたわけではなかったので。外道ナイトの前に別のオタクが主催した新年会みたいなのがあって、20人くらいきたらウケるよねって話をしたら50人来てくれて、これなら行けるかもしれないと思いまして。最初は高円寺のPunditでやってみたらソールドして、これはいかんと思い。イベントって当日ふらっと行きたいじゃないですか。舞台とか半年後とかのチケットを取らされるのって嫌じゃないですか。生きてるか死んでるかもわからないのに。当日、生きてたら来れるというのがいいのかなと思って、そういう人のために当日券は絶対に用意したくて。それでキャパの広い阿佐ヶ谷ロフトさんにワンチャンでメールして。こんなおかしなイベント受け入れてもらえるわけないよな…と思ったのですが、いいですよ! って返ってきたのでびっくりしました。

──こちらも、よくわからないけどとりあえずやってもらおう! となりまして、蓋を開けてみたら浪費女とかの類の集まりのイベントなのかなと思いました。めちゃくちゃ面白かったです。

めりぴょん:割と劇団雌猫さんとかと比べられることが多くて、始めた動機も劇団雌猫のカウンターを打とうというところからで。劇団雌猫の人たちってアイドルとかに浪費をしたりオタクをしたりっていうのをポジティブに捉えすぎていて、私はそれに一石を投じたくて。実際オタクを見ていると、愚痴アカっていう悪口を言うだけのコミュニティがあったり、借金、風俗とかと不可分の話しで、そういう側面もちゃんとさらって行かないと良くないのではと。私は、浪費は素晴らしいことっていうのがわからなくて。浪費は自傷なんですよ。そもそもアイドルにお金を使うという行為自体が他人に勝手にいっぱいお金を使っているだけ。ドルオタ同士の争いも結局他人同士で争っているだけ。ツイッターでライブマナーについてスクショ4枚とかで、ライブ会場でこんな悲しいことがありましたみたいなことやっていますけど、別にあなたは他人ですからね。

──辛辣な意見ですね。

めりぴょん:でも推しと喋りたいからグッズをたくさん買っちゃうんですよ。一般の方からしたら「アイドルと喋ってないで恋愛とかすれば?」っていう冷たい目線を向けてしまうと思うのですが、劇団雌猫はそれに対するいやいや、オタクはこんなに素晴らしいことなんですよ!と言っているんです。それは一理あると思います。でも正月に実家帰ったときに、「あんたいつまで若い男に握手券いっぱい渡しているの」とか言われたときに、本当に言い返せる人がどんだけいるかという話しですよね。みんな後ろめたいんですよ。でも私はその後ろめたさを受け入れたいんですよ。

メン地下業界はブルーオーシャン

──めりぴょんさんがインターネットで知名度をあげたきっかけはなんだったんですか。

めりぴょん:これが大バズりしたとかはなかったですけど、去年一番バズったのはメンズ地下アイドルの人達がCDを1枚も出さないままリキッドルームに行ったという内容ですね。世の中の人にとっては衝撃的だったみたいで、一生懸命音楽やっている人たちが、CD作って、手売りして夢はリキッドルームという感じなのが、指チュー1本でやっている連中がリキッドルームにいけるっていうのが。

──曲も少ないみたいですしね。

めりぴょん:少ないっていうかライブ用の曲はありますけど、2曲しか配信で出してなくて。しかもメン地下のオタクってセトリ上げるおじさんみたいなのが誰もいないので、この曲気になるなって思った曲がオタク達に聞いても誰もわからないんですよ(笑)。

──そこは興味ないんですね(笑)。

めりぴょん:みたいですね。あと、ライターとして仕事が来るようになったのはメン地下のことをブログで書き始めたのが大きいかもしれないですね。

──仕事が来るようになったのはいつ頃ですか?

めりぴょん:去年くらいからボチボチ増えて来ました。ライター以外だとブログを見たテレビ大阪の制作部の人から連絡が来て、ノンフェイクションのメンズ地下アイドル特集に有識者として出てくださいって。おそらくメン地下業界に精通している人が人材不足なんですよ。以前は舞台の感想についてブログに書いたりしていたんですけど、舞台界隈はポストが埋まってるんで、入り込んでくのがなかなか難しくて、でもメン地下業界はブルーオーシャンでした。

──これからずっとメン地下を追って行けば第一人者ですね。

めりぴょん:そうなんですよ。だから私には夢があるんですよ! メン地下で殺人事件が起きる! 起きたら、もうワイドショーで引っ張りだこですよ! 石丸元章先生が誰かが薬物で捕まるとテレビに出るみたいな感じで。

──去年刺されたのがホストじゃなくてメンズ地下アイドルだったら…。

めりぴょん:だったらもう、大ブレイクでしたよ! でもそのうち起きると思いますよ。そしたら阿佐ヶ谷ロフトのイメージガールですと言って、出演するんで。意味わかんねえから! ってなりそうですけど。

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