本読みをした時からワクワクしていました
――まさに作中と同じ関係性だったんですね。
上地:そうですね。演じる前から同じ関係性になってしまいました。作中もアサガワがグルグルと、本当に雪だるまみたいに周りを巻き込んでいくことで大きくなって、前田建設工業が盛り上がったという実話ですからね。
――そうですね。
上地:その周りを動かせるちょっとした宇宙人的でカッ飛んでるのが、小木さんでないとできない役だと思うので。そこは本読みをした時からワクワクしていました。
小木:確かにね。本読みで、「これ俺だな」と思いましたよ。
上地:そこは謙遜するところじゃないんですか(笑)。
――脚本の上田(誠)さんは、ここまでテンションが高い作品のつもりでは書いていないとおっしゃられていました。
小木:そうだったんですね。
――現場を観覧した際にびっくりしたそうですね。それが完成した作品を見て、しっかりとハマっていて素晴らしかったとおっしゃられていました。
小木:名作はそういうもんなんです。
上地:やかましいわ(笑)。
――作られている皆さんの熱量が高いからだと思います。そこは画面からもにじみ出てくるものですから。
上地:ありがとうございます。作品としてもいろんな人が共感できますし、お子さんたちも見やすいと思います。
――そうですね。アニメ・漫画の中で出てくるものをリアルで作ったらどうなるのかは年齢に関わらずワクワクしますから。
小木:そうですね。大人になっても、トンネルの中とか見るのは楽しいですよね。
上地:この作品ではCGじゃなくて本当のところで撮りましたから。
――そこがすごいじゃないですか。
小木:ああいうのを見るとワクワクするんだよね。そういうのを見るとお子さんもこの作品に引き込まれていくんじゃないかなと思うんです。いい場所で撮影されているな、と羨ましいくらいで。
気持ち・熱を受けて答えるというのは忘れてはいけない
――実際の現場はどんな感じだったんですか。
小木:町田(啓太)君も共演して好きになっちゃいましたね。いい子でいい役者さんなんです。高杉(真宙)君も可愛いんですよ。こんな擦れていない役者さんは初めて会いました。
上地:チームワークも良くて、本当に現場に行くのも楽しみでした。みなさんそれぞれに個性もあって、このチームに参加できることが嬉しかったです。
――それだけ熱がこもって楽しんで作られた映画がいよいよ公開になりますね。
小木:そうなんですよ。実際に前田建設工業のみなさんの思いを受けて、スペシャリストたちが無償で助けてくれて出来上がったわけじゃないですか。そういう気持ち・熱を受けて答えるというのは忘れてはいけないと思います。
上地:大事ですね。
小木:町田君のヤマダや六角(精児)さんが演じたフワをはじめ、周りのみんなも仕事じゃないのにロマンにかけてくれたわけじゃないですか。その熱いお気持ちは観に来てくれた方に持ち帰って欲しいですね。そこがお子さんにも伝わって欲しい。何回も観返してほしいです。
上地:そうですね。何回でも楽しめる作品です。いくつになっても、見えないものと戦うことってあるじゃないですか。僕も小さいころマジンガーZやヒーローに憧れて、架空の敵と戦ったことがありました。大人になってからも、将来の不安とか見えないものと戦うことがあると思うんです。その中にいろんな夢やロマンが転がっていて、最初は意味がないと感じるかもしれないけど、後から必要だったとわかることもあって。この作品ではそこが描かれています。情熱を持ってやっていくと、いろんな人たちが集まって1つの形になるんだということを感じていただければ嬉しいです。