ラジオが大好きだけど、まだラジオ番組を持てていない芸人達によるオールナイト・ラジオトークライブが2014年から不定期開催で阿佐ヶ谷ロフトAにて行われている。
記念すべき第1回の出演者からはオールナイトパーソナリティーが2組、第2回の出演者からはラジオレギュラー獲得1組と、ラジオ業界内聴取率、注目度もまさにうなぎのぼり! ラジオリスナーから、ハガキ職人、ラジオ関係者、昔はラジオをよく聞いてたなぁ...という人まで、ラジオを愛する人は全員必聴!
今回はそんな次世代のパーソナリティを担うであろう"ラジオ好き芸人達"にラジオ愛を思う存分に語って頂きました。[interview:おくはらしおり(阿佐ヶ谷ロフトA)]
ラジオのきっかけ
──ラジオを聴くようになったタイミングやきっかけはありますか?
ヒコロヒー:小学生の頃、松浦亜弥の強火ファンだったので、「松浦亜弥のLet's do it!」が聴きたくてラジオに初めて触りました。
XXCLUB・大島(以下、大島):小・中学生の頃、ほとんど全ての娯楽を禁止された家庭で育ったのですが、中学入学のタイミングで英語学習用にラジオを買ってもらいました。ふと深夜に目が覚めて聴いてみたら、有名な芸人さんのラジオが毎日あることを知り、ハマりました。
ゾフィー・上田(以下、上田):中学時代、数少ない親友の畠山君の家に遊びに行った時、「99ANN」とラベルされたMDがずらっと並んでいるケースを発見しました。「絶対エロいやつだ」と思って1枚こっそり持ち出して聴いてみたらナイナイさんのオールナイトで、めちゃくちゃ面白くてハマりました。
カカロニ・菅谷(以下、菅谷):高校受験時にラジオ好きだった母親からラジオをもらって、勉強中に聴くようになりました。
ジャパネーズ・モネ(以下、モネ):仲良くしていた友だちが深夜ラジオの話しをしているのが楽しそうで、父親の携帯ラジオを貰って聴くようになりました。
──いつからどんな方のラジオを拝聴していましたか?
ヒコロヒー:あややの流れで、子どもの頃は「上戸彩Seventeen’s map」や「モーニング娘。矢口真里のallnightnippon SUPER!」を聴いていました。学生時代に「ブラックマヨネーズのずぼりらじお」にハマり、そこから「放送室」、「くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン」などお笑い系にのめり込み、しばらくして、「山下達郎のサンデー・ソングブック」(現・サタソン)に出会ってからは、お笑い以外も聴くようになりました。
モネ:中学1年生の頃から、地元広島のAMラジオ局RCCの番組を聴いてました。音楽番組やバラエティ番組です。そこから派生してプロ野球中継や、全国放送の深夜ラジオを聴くようになりました。
大島:中1の頃、伊集院光さんの月曜JUNK「伊集院光深夜の馬鹿力」と爆笑問題さんの火曜JUNK「爆笑問題カーボーイ」を同時に聴き始め、まもなくライムスター宇多丸さんの「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」を聴き始めました。J-WAVEの「TOKIO HOT100」もその頃からずっと聴いてます。
菅谷:中3から「くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン」にどっぷりハマり、高校受験が終わってからもJUNKを中心に深夜ラジオを録音して聴くようになりました。特にハマったのはくりぃむしちゅーさん、アルピーさん、最近だと霜降り明星さんがめちゃくちゃ好きで聴いています。同世代のラジオはあまりなかったので、アニメやゲームなど世代あるあるがドンピシャで最高です。
上田:畠山君の影響でナイナイさんの「ナインティナインのオールナイトニッポン」は聴いてましたが、ある時、畠山君が「エレ片(「JUNKサタデーエレ片のコント太郎」)もやばいよ!」と教えてくれて、気が付いたらJUNKも全部聴くようになりました。
──ラジオを拝聴していて記憶に残るエピソードやコーナーはありますか?
ヒコロヒー:うろ覚えですが、あややの「Let's do it」か「ANN」で、くりぃむ上田さんなどのおじさん芸人が乱入してきた時。
モネ:自分の送ったメールが初めて読まれた瞬間は、人生で一番興奮したかもしれません。人生初の投稿が読まれた番組には、最終回に電話出演もしました。そこで芸人になるって夢も語りました。子どもながらにこれ何?戦争?と混乱したことを覚えてます。もう一度聴きたいです。
菅谷:「他力本願ライブ」で採用された時。南海キャンディーズさんや東京03さんが、今見ると恐ろしく拙い僕の書いたネタを、少し修正をしたり演技力だけで笑いをとってめちゃくちゃウケていたのが、ネタに命が吹き込まれたようで感動しました。
大島:ライムスター宇多丸さんの映画評論のコーナーで、メールを読まれると映画代2000円がもらえるシステムがあって、それはお小遣いゼロ円の私にとってだいぶ強い軍資金でした。そのために毎週ちゃんと課題作品を観てメールを送って、計1万円くらいはもらったと思います。爆笑問題さんの事務所に芸人として入り、お仕事で伊集院さんにお世話になるようになってから、自分のラジオの原点であり、12年間聴いてきた2番組で自分についてのエピソードトークをしてもらえたことは自分の半生で最大の自慢です。
上田:記憶に新しいのは、三四郎さんの「ANN」で自分のエピソードが話されたことです。普段からお世話になっている三四郎の相田さんと一緒に2人で旅行に行った話が突然出てきて、「わ!これ、ラジオでよく聴く「先輩が後輩との旅行の話をする」ヤツだ!まさか自分の話しがラジオで聴けるなんて!」とワクワクしていたら、いかに自分が後輩力のない人間だったかという話しだったので、「え?俺って後輩力ないの?」と、家で棒立ちになりました。あと、自分がキングオブコント決勝でプチ炎上した時、めちゃくちゃ落ち込んでいたんですが、山里さんが不毛な議論で応援していたGAGさんが勝てなかったことに対して、「ゾフィーも俺のせいじゃねえかな?あんな面白いのに」って言ってくれて号泣しました。それと伊集院さんが僕らの単独ライブに来てくださった感想を話してくれている「伊集院光とらじおと」の回は落ち込んだらすぐ聴いて励みにしています。多分100回以上聴きました。
──実際にハガキ職人としてラジオへネタ投稿はしたことありますか?
ヒコロヒー:ありません。
大島:「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」内の、「ザ・シネマハスラー」というコーナーです。
モネ:地元広島のRCCでやっていた、maegashiraというインディーズバンドの「前頭のぶちかましRADIO」という番組の、「今週のぶちかまし番付」という三段オチの大喜利コーナーです。赤ヘル21というラジオネームでした。何回かチャンピオンになったこともあります。
菅谷:「ラジオネーム鼻」として山里さんの「不毛な議論」や、アンタッチャブルさんの「シカゴマンゴ」などに送っていました。くりぃむしちゅーさんのオールナイト復活回では、おふたりに自分の名前を呼ばれたすぎて、恥ずかしながら「ラジオネームカカロニ」として送らせていただきました。
上田:ナイナイさんの「ANN」にハガキ職人として一度だけ投稿したことがあります。畠山君をビックリさせようと、「三ツ沢上町のハタケ」というラジオネームで投稿しましたが、自分のネタが読まれるのではないかというドキドキ感で一切ラジオの内容が入ってこなくなったのでやめました。結局、読まれませんでした。
自分の番組を持ったら
──自分のラジオ番組を持ったとき、どんな企画をしてみたいですか?
大島:終わってしまったラジオのパーソナリティをゲストで呼んで、人気コーナーを再現してもらう!局は関係なく!
ヒコロヒー:男性しか通ってきてない道で笑えるものがあるように、女性しか通ってきてない道で笑えるものもあると思うので、なんかおもしろいことできたらいいです。
モネ:自分がリスナー側で愉しかったので、やっぱ大喜利っぽいコーナーは持ちたいです。後は、ラジオドラマとかもやりたいです。リスナー参加型でストーリーを作るような。世の中の童貞たちが生きていていいんだ、と誇らしく思えるコーナー。
上田:ここまでラジオが好きになったのは畠山君のおかげなので、畠山君に捧げるコーナーをやってみたいです。「俺の畠山」みたいなコーナーを作って、みんなの畠山を募集したいです。それと、自分がうだつのあがらない学生時代にラジオと同じくらい鬼リピで聴いてた曲があるんですが、それをラジオで流すのが夢です。
菅谷:相方が面白いので基本相方の話しの聞き役がいいです。あとは前後の期と比べて全く誰も売れず、あらゆる事務所に飛び散ったワタナベコメディスクール14期の同窓会的な企画とかしたいです。
自分にとってラジオとは
──ラジオってみなさんにとってどんなモノですか?
大島:血液。イヤホンは血管。
ヒコロヒー:生活、仕事、感性、コンディション、すべての基準みたいな感じです。
菅谷:その放送のために、これから一週間頑張ってみようって思えるものです。
モネ:メディアと僕とを初めて繋げてくれたモノ。君もこっちの世界に来ていいんだよって言ってくれた気がしました。
上田:結局、ラジオは優しいです。ずっと。優しい人だからこそラジオができるのかもわからないですけど、どんなに自分がダメな人間だと思って絶望していても「ほら?俺もこんなダメなんだぞ?でも楽しいぞ!」って言ってくれるのが僕にとってのラジオです。
ラジオのお仕事獲得したいです!
──最後に「ラジオ好き芸人GOLD」への意気込みをお願いします。
モネ:僕のラジオ愛は歪んでるというか、偏っています。なので他の皆様がつつけないような重箱の隅、いや隅をつついて開く隠し扉の向こうみたいなラジオ愛を語れればと。
ヒコロヒー:前回、出演させて頂いた際に会場すべてがラジオ愛に包まれていたような雰囲気が忘れられませんね。今後ラジオパーソナリティーになっていく連中の大伏線イベントだと思って、お客さんにも楽しんでいってもらいたいです。
上田:前回も出演させてもらって思いましたが、お客さんとして来てくださっているラジオのリスナーさんも異常に優しいです。正直言うと、「笑いに厳しいお客さんなのかな?噛んだりしたらぶん殴られちゃうかな?」と思ってドキドキしていましたが、むしろ普通のトークライブよりもなんでもウエルカムな感じで自由に楽しくお喋りさせてもらいました。今回は身も心も素っ裸になる気持ちで参加させて頂こうと思います。
菅谷:ラジオ好きの方がたくさんいらっしゃると思うので、力まず楽しく時の共有ができたらと思います!!
大島:観覧に来られるキャスティング権ありそうな大人に熱を伝え、ラジオのお仕事獲得したいです!