ハードコアバンド「ヱヰ十」のBa. がきをa.k.a板垣が5月13日に新宿LOFTにて2度目の自主企画を開催。チケット代なしで2D¥1,200で入場でき、おかわりのドリンクも¥300で飲める。ジャンルレスな対バンではあるが、酒を飲むという目的で集まった全5バンドのLIVEが見れる異色なイベント。この日の意気込みを新宿LOFTのステージ・ホールスタッフとしても働いているBa. がきをa.k.a板垣とGt.西にインタビューをした。[interview:見澤孝輝(新宿LOFT)]
ヱヰ十の始まり
──ルーフトップ初登場ということでまずは自己紹介をお願いします。
板垣:まずは遅刻してすみませんでした。
西:布団が温かくて。あと二日酔いで。
板垣:ヱヰ十というバンドをやっています、がきをa.k.a板垣です。
西:ヱヰ十の作詞・作曲、デザイン、その他諸々をやらされている西です。
──先ほども言いましたが初登場ということでまずはヱヰ十の結成から教えてください。
西:結成が8年前で15歳の時に高校の軽音楽部で結成してそれから8年が経ちました。
──一気に飛んだね。
板垣:色々ありすぎて今のヱヰ十にたどり着くまでが長かったです。
──最初は何人組だったの?
西:最初は5人です。僕はボーカルでした。
──ギターボーカルで?
西:ピンボーカルです。ドラム・ベース・ギター2人と僕だったんですけど、ギター2人が辞めて3人組になって次はベースが辞めて2人になり、それから4人になり自分とボーカル以外変えて5人になってハードコアを始めました。
──西君は最初からハードコアをやってたの?
西:最初は青春パンクやってました。
──そのイメージはなかった。板垣はいつからヱヰ十に入ったの?
板垣:3年経つか経たないかくらい前ですね。丁度3年前のこの時期にヱヰ十のサポートベースをたまにやっていて、当時は横浜でコミックバンドやっていました。そのバンドを出て路頭に迷っていたら西君に誘ってもらって加入しました。最初ベースじゃなくてギターで入ったんですけど、当時はギタリストがベース弾いてベーシストがギターを弾いているっていう謎の期間が半年間ぐらいあって。何かのタイミングで変えてみようってなって。
西:遊びでいいから本職でやってみようぜってなって。
板垣:他のバンドのメンバーに提案されてやってみたら、当然の様にクオリティも上がって。今日めっちゃよかったよって言われてそりゃそうだろって(笑) ただ確信持てなくてもう一回元に戻したら違うねってなって今の体制になりました。今の下手ギター(西は上手ギター)がサポート始めたのが3.4年前で、正規になったのが今年の3月で最近なんですよ。
西:岡山に遠征した時にギャラの分配の話になって、正規メンバーではないからギャラをあげないって言ったんですよ。その時が一人4,000円貰えたんですけど、そのメンバーが俺も4,000円欲しいってことで正規メンバーになりました。
板垣:よく言ってるんですけど、うちはメンバーを4,000円で買ったって言ってます(笑)。
──音楽性じゃなくて(笑)。
板垣:まあ、仕方なく弾かせてやってるって感じです(笑)。
──じゃあ今のところ全員正規メンバーになったんだ。
板垣:ようやくまとまりましたね。元々は全員違うジャンルの音楽が好きで、みんなうるさい系の音楽は好きだけどハードコアが好きでやってますっていうメンバーが一人もいなくて。西君だったら青春パンクとかロカビリーとか。もう一人のギターがハードロック・メタルが好きで、俺はアイドルとかミクスチャー。
西:ドラムはアニソンしか聞かないし、ボーカルは邦ロックですね。
──それが集まってハードコアやってるって面白いね。
板垣:それぞれが好きなジャンルで音楽をやってみてはいたと思うんですけど、向いてなかったって言って。試しにハードコアやってみてこれで良くない?ってなりました。
──楽曲制作は大部分を西君がやってるんだよね。
西:原案を作ってメンバーに渡していじっていきます。
板垣:西君が作ってきた原案に色々あれがダサいこれがダサいって言って西君が「じゃあ作れよ!」って(笑)。
──ハードコアをやろうっていうきっかけはあったの?
西:ありましたね。この後ライブがあるんですけど、主催の人が元々ヱヰ十のサポートメンバーで。その当時はグラインドコアに近いことをやっていたのですが、その人がもっとハードコアをやりなよって言って、3,4曲作ってめっちゃいいじゃんとなりました。
──他のメンバーが曲を作ったりとかは?
西:1,2回もう一人のギターが持ってきたんですけど、メタル過ぎて曲も5分くらいで没になりました。
板垣:新曲を作ってからLIVEでやるまでに2回ぐらいしかスタジオに入らないです。
西:むしろその時ぐらいしかスタジオに入らないですね。LIVEが多いので。
板垣:絶対に週1とかで入らなきゃいけないバンドではないんで。
──それでLIVEで弾けるのもすごいね?
西:各々がちゃんと弾けるし、下手のギターが日本でトップ10に入るくらい上手かったんで。
──その人を4000円で買ったんだ(笑)。
板垣:俺も元々コミックバンドやってたのでちゃんと弾けるようにしてましたね。
──レコーディングはしてるの?音源だそうとかは?
西:初期メンバーから数えたら2回ぐらいは録ってて、今世に出してるのは2枚くらいですね。
板垣:現状3枚目を制作しているんですが、何をしているかと言ったら「いつ頃やる?」みたいな感じで(笑)。3・4月頃にとって5月ぐらいには形にしたいですね。
西:あんまり言わない方がいいですね。できない可能性の方が高いので。
──あえて書いとくね。
板垣:予定は未定って書いてください。
西:何年の3月とは言ってない。
憧れのハコで自分の好きなこと出来たら俺の勝ちでしょ
──話は変わりまして5月13日の企画について聞きますがどういった経緯で開催することになったんですか?
板垣:LOFTの店長からやりなよって言ってもらって、俺的に新宿の2大巨頭っていうのが、おっかないハードコアのハコがアンチノックで、数々のロックスターが生まれてきた場所に何としても立ちたいって思うのがLOFTであって。憧れのハコで自分の好きなこと出来たら俺の勝ちでしょみたいな。
──チケット代なし・2D 1200円で入れるし。
板垣:酔っぱらった店長に酔っぱらった勢いで全部いいよって言わせました。若いバンドがたくさん出て深夜に酔っぱらって夢を語るっていう風景を作りたくて。今の新宿LOFTではあんまり見れないし、昔はあったのかもしれないけど、俺はそんな風景を夢見てLOFTで働いてるし、ここは夢を見せる場所であるべきだし。ライブハウスの頂点で自分がそれをできたらもっと色々発信できると思って企画しました。対バンもそんな夢を語れるバンドを集めました。
──元々関係のあるバンドだったの?
板垣:昔横浜にいた時に関わったバンドと東京で出会ったバンドと半々ですね。
──LIVEと銘打った盛大な飲み会みたいな。
板垣:友達と飲んでてあそこでLIVEやってんじゃん! このバンドやばいね! みたいな風景がライブハウスだなって。その手段がお酒かなと。