言いたいのは「お前を笑顔にするんだイェーイ!」
──ですね。ところで、いま挙がってるバンド名や人名って米国ものが多いと思うんですが、ええと、そもそもイギリス人という名前はどこから?
たつ子りん:つけた人はもう辞めちゃったんですけど、そもそもは「こんなバンド名はイヤだ!」みたいな感じでメンバーと大喜利してたんですよ。そのなかでイギリス人っていうのが妙にウケて、いずれ絶対変えなきゃいけないバンド名だとも思ったんで、それにワクワクしながら活動していこうって(笑)。
──そして現在に至ると(笑)。ちなみに、同名の先輩がいたって知ってます?
たつ子りん:知ってます知ってます、グレイト・リッチーズもポテト・チップスも知ってたのにイギリス人ってバンドをもりくんさんがやってたの知らなかったんですよ。ケンヂさんがイギリスってバンドやってたのは知ってたんですけど、「人」がついてないからいいだろうって(笑)。ちなみに日本のパンクのなかではケンヂ&ザ・トリップスがポップで僕はいちばん好きです!
──同士よ! っていうかマジ詳しいですね(笑)。はい、では話も後半になってやっとですが、今回のロフトからの配信シングル「などわ」についても聞かないと!! ええと、ロフトとのつながりは?
たつ子りん:うちがまったくペーペーだった頃に、ロリータ18号とゲンドウミサイルとうちっていう企画を代々木のザーザズーでイベント組んでくれた人がいたんですよ。すごく嬉しかった。そんでロフトの話とかをMCでしてたら、それを聞いててくれたんだと思うんですけど、初めて会った極蔵さん、メチャクチャ怖かったんだけど、「俺がお前をロフトに連れてってやる」って(笑)。
──すごくいい話ですね。
たつ子りん:はい! ほんとにロフトが好きだったので、すごく嬉しかった。そこからですね。
サコ:2011年のことでした。
たつ子りん:そこからは、あっという間だったような、長かったような。まぁ僕たち遅咲きですが、やることを変えずにやってきたのが良かったのかな(笑)。
──はい。で、「などわ」。これは短編映画のシングルとしての配信ですが、この経緯は?
たつ子りん:「などわ」は、青森のほうの方言で、あなたと私の意味なんです。あなたの「な」と私の「わ」。で、「わどな」という私とあなたっていう曲がまずあって、それはイギリス人の歌詞の転換期の曲というか、「この曲から意味のある曲を作ります!」って言って書いたんです。コッテコテのラブソング。でも照れくさいから、タイトルを方言にして意味をわからなくして、ってところまでを含めた「わどな」って曲だったんですね。んで、この「などわ」は、せっかくだから、この「わどな」を作った背景も曲にしてみよう! って作った曲で。当時のデモ音源でカップリングで入れた曲だったんです。そしたら、その「などわ」のほうが人気が出て(笑)、そして今回、遂にシングルにまでなってしまったという! 映画も、この曲を聴いたナリオ監督がこの曲で作りたいって言ってくれて。
──おお、これまたいい話です。で、若林美保さん主演のオムニバス映画の1篇として、来春公開される。また、来年2月にはイギリス人通算4枚目となるニュー・アルバム『SMILE』もロフトからリリース、聴かせていただきましたが、これも素晴らしかったです。いろんなサウンド、いろんなタイプの曲があるなかで、通して全部がグッとくる歌で。
サコ:ありがとうございます!
たつ子りん:歌。そうですね。僕、とにかくメロディなんです。メロディ大事だなって。
──ああ、そこは一貫してますものね。だからこそ歌となって歌詞と共に響いてくるんでしょうね。
たつ子りん:まぁ内容は全部「お前を笑顔にするんだイェーイ!」なんですけどね(笑)。