1日の6割ぐらい「どうしよう?」と思ってる
――単純な質問ですけど、将来の夢や目標はありますか?
品:夢はないんですよ、マンガも小説もお笑いも好きなんですけど、それは消費するのが好きなだけで……。作る楽しみもあるんですけど、しんどさが上回るというか、それなのになんで今、色々掛け持ちでやっているのか正直分からないんですよね。
――オファーがあると断れないタイプなんですかね?
品:ホントはやるべきではないと思うんですけど、ついやってしまうし、そこにやりがい的なものも感じてしまうんです。痒い所って掻いちゃダメですけど、掻くと気持ちいい、でもそんなことしてどうするみたいな、そういう感じで創作をやっているかもです。
――なかなかのドМですよ(笑)。“これ引き受けたらどうなるんだろ?”と思いつつ、引き受けちゃうみたいな。
品:そうですね、だから常にモチベーション面で負い目を感じてます、他の作家さんとお話する機会があるんですけど、みんなモチベーションをしっかり持っていて。前に脱サラして今は漫画家とかライターとか色々やってる方と少し話したことがあるんです。ホントに創作意欲の塊というか、何かの集まりで初めてお会いして一言目に、「ものづくりのモチベーションとは?」みたいなこと聞かれて、「えっ?」って(笑)。それぐらいマジメに考えてる方もいらっしゃるんだなと。「そんなんじゃないんですみません」、「痒い所、掻いてるだけなんです」って言いたくなっちゃう……。
――それなのに2冊本を出して、ちゃんと評価もされてるってすごいですよね。
品:本当にこれが書きたい、ってわけじゃないし、だからといってスカして適当に仕事するのもそれはそれで失礼だし、微妙なんですよね……。ちゃんとやるし、やりたくてやってるけど、本当にやりたいかというと、それがホント難しい。乙女心ですよね。
――なるほど、品田さんって、すごくしっかり自分のビジョンを持って、できるものできないものの線引きを持って取り組んでる人だと思ってたんですけど、今日でだいぶイメージ変わりました(笑)。
品:1日の6割ぐらい「どうしよう?」と思っている気がします。心配性というよりも、もうトラブルが起きた後の“これどうしよう?”です。
――仕事受けた後に“どうしよう?”と(笑)。
品:だから来月(8/18)のイベントもどうしよう?(笑)。そろそろ告知していかないと。正直集客力があるわけじゃないので、ゲストさんとかどうしようかなと……。
――菓子盆選手権1級審判の理路騒然とした品田さんとイメージが違う(笑)。
品:あれも大変なんですよ、お菓子に対してそんなに言うことないんです。8回やって50個ぐらい総評書いてきましたけど、もうないですね(あっさりと)。
――そうですか、やる度に含蓄が深まっていく感じがしてましたけど。
品:次回の原稿も実はあるんですけど、まだ総評を書いてないのでどうしよう、って感じです。次のイベントも「品田遊はこれからどうしよう?」ってテーマでやりたいぐらいです(笑)。