Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューフルカワユタカ(Rooftop2017年7月号)

フルカワユタカが作り続けていくストーリー

2017.07.01

 元DOPING PAND(通称ドーパン)のフルカワユタカが主催し、ゲストにBase Ball Bearやthe band apartを迎えて話題となった2マン企画「play with B」が、今年はタイトルを「Play With」に変えて新宿LOFTにて開催される。6月3日に行われた1回目の企画では、ゲストにBenthamを迎えて行われ大盛況を収めた。そして来る7月28日。新宿LOFTでは2回目となるこの企画、フルカワの先輩にあたるバンド、ASPARAGUSを迎えて行われる。今回はフルカワにこの企画と2つのバンドに抱く思い、そして彼の思い描くこれからのことを訊ねた。[interview:小林駿仁(新宿LOFT)]

ストーリが大切

 

—前回の新宿LOFTライブありがとうございました。DOPING PANDAのインディーズ時代のプロデューサーだったFRONTIER BACKYARDの田上さんがプロデュースする4人組のロックバンドBenthamと共演して感じたことを教えてください。

フルカワ:田上さんがプロデュースしていることなどいろいろあるのですが、若いバンドと一緒にやること自体があまり無くて、フェスとか大きなイベントとかじゃないと会わないし、いわゆる対バンで、楽屋でしゃべって、打ち上げでしゃべってみたいなことは、ドーパンの最後くらいのころから無くて。なかなか向こうからは誘われないし、こっちからも誘わないので、そこがまずは新鮮でしたね。まず彼らとは10個くらい違いますからね(笑)。そこでなんか思い出す部分もあったし、懐かしかったですね。

—では、これから若手とどんどんやっていきたいなんてことはありますか?

フルカワ:どうなんでしょう(笑)。でも、交わる部分と交わらない部分がありますしね。これは自分と同世代のバンドや先輩のバンドも言っていることなんですけど、ただ単に対バンでやったとしても、ファンを取る・取らないじゃないですけど、ファンの人はやっぱりつかないんですよね。まずは、ストーリが大切なので。バックグラウンドがはっきりわかると、ファン同士はすぐ交じりますけど。今回を例に取ると、田上さんがプロデュースして、音源を聴いてレコーディングに遊びに行って、なにか一緒にやりたいなと思ってピックアップしてきても、なかなか交わらないんですよ、やっぱり。そこにストーリーがあったとしても、来るお客さんはわからないわけですよ。なんとなくですけど、僕のファンはBentham面白いねってなってくれた気はしましたけれど、若い子のファンがフックアップしている方になかなか交わって来ないというのが、僕だけの意見じゃなく、みんな言ってることですね。

—なるほど、ストーリーとして交わっているというBenthamとはそのレコーデイングで初めて会って、いいなと思ったのですか。

フルカワ:いや、Benthamを初めて見たのは彼らのフリーライブで、田上さんに「今やってるバンドいるから暇だったら観に行こう」って誘われて、行って観てみたらすごい田上節だったんですよ(笑)。僕、田上歴長いのですぐわかるんですよ。それで田上さんに言ったら、「そうなんだよ。俺なんだよ」なんて言われたりして(笑)。それでもう少し踏み込んでレコーディングに行ったら、レコーディングも、エンジニアやスタジオ含めてドーパンと同じだったんですよ。それで懐かしいなと思って、一緒にイベントやったら面白いんじゃないかなと…。そういう、ファンが知らない水面下でのストーリって実はたくさんあって、彼らが所属してるKOGA RECORDSの社長の古閑さんとはふるくて、古閑さんとドーパンのタロティは「二人で週8下北にいる」なんて冗談言われるくらい本当に仲が良くて。そういうバックグラウンドって一発のライブじゃなかなか表現できなくて、打ち上げでもグルーヴとか生まれたりしてたんですけどね(笑)

—Benthamの他に注目している若手アーティストはいますか?

フルカワ:いっぱいいますね。今のバンドはみんな上手ですからね。CDもバカ売れする時代じゃないし、キャラやニュース性で売れるのは難しいから、実力がある人が多いんですね。でも逆に、今はインターネットやSNSもあるし、すごいキャラクターやニュース性で出てくる人も増えましたよね。今はその両極端で真ん中がいないという気がします。だから、意味のあるバンドがたくさんいて、これっていうバンドはあげられないですけど、頑張っているなと思います。

 

化学反応が起こるようなバンドとやっていきたい

 

昨年から始まったこのイベントですが、そもそも何故、2マンのイベントを始めたのでしょうか。

フルカワ:難しい質問ですね(笑)。最近、フェスとか多いじゃないですか、1つのバンドが主役で、最後に主役が出てきて物語チックにしてみるとか。バンドが3、4つ以上だとそのノリが出てきちゃうと思って。あとは今自分のライブ自体が少なくて、たくさんバンドを出すと、尺的に自分が表現したいことを表現しきれないなと思ったのがありますね。でも一番は「2マン」っていう響きですね。

去年と今年でタイトルが少し変わったのはどんな意味がありますか?

フルカワ:去年はたまたま頭文字が”B”のバンドが二つ揃って、面白いから「play with B」ってタイトルにしようかってなったんですけど。今年も2マンイベントやろうってなって、Benthamはどうだって考えたらそれもたまたま頭文字がBで(笑)。よし「play with B」を続けていこうってなったんですけどなかなか難しいもので、HUSKING BEEを誘おうとして、その時点で軽くブレていて(笑)。ハスキンはツアーの関係でダメで。あれ、もういないぞって(笑)。このままB縛りで続けてたらいつかBRAHMANに頼まなければならなくなるぞっ! てのは冗談ですけど、Bだけは無理があるねって話です(笑)。それでBを外して「play with」。タイトルをまるっきり変えるのも考えたんですけど、去年と繋がっていたほうがストーリーもあるし、アーカイブもできて歴史があるのはいいことですからね。

今後、このイベントを続けていきたいとのことですが、次にやるとしたらどんなバンドを呼びたいですか?

フルカワ:いっぱいいますよ(笑)。ドーパンの頃やったこともあるPOLYSICKSとか、今でも仲が良い髭とか、ART-SCHOOLとか呼んだっていいし。若手でも目についているバンドも呼びたいですね。客寄せパンダみたいなバンドと一緒にやっても面白くないですからね(笑)。きちんと化学反応が起こるようなバンドとやっていきたいです。ドーパンの頃は、2マンだと薄まっちゃうのでやらなかったんですけど、その分どんどんやっていきたいし、その時やれなかったバンドをどんどん呼びたいっていうのはありますね。

その時は是非、新宿LOFTでお願いします()

フルカワ:あーそうですね(笑)。リップサービスじゃないんですけど、一つの箱で決まっててそれが定番になっていったら、メンツだけじゃなくて場所で選んで来るっていうお客さんも増えますからね。

 

オープンなマインド

 

—728日に新宿LOFT2回目となる「Play With」が開催されますが、今回のゲストである、ASPARAGUSとの出会いを教えてください。

フルカワ:出会いですか(笑)。いつだろう…キャプヘジの時だと思うんですけど…まあよくみんないるんで。直央さんはまさにここですよ。KINOSHITA NIGHTで初LOFTだったんですけど、SHORT CIRCUITで出てて、その時が出会いですね。忍さんは古すぎて忘れちゃいました(笑)。一瀬さんとはドーパン時代はあまり接点が無かったんですけど、一見してすごいドラマーだと思いましたし、とにかくずっとやりたいと思ってたバンドなんで、今回は念願が叶ったって感じですね。

—ASPARAGUSには今、具体的にどういった思いを抱いていますか。

フルカワ:僕はインディーから離れて、遠くから見ていた存在だったので、去年のバンアパも含めて、そことまたやれるってことの喜びがありますね。インディーを出てメジャーへ行った自分がこうやって戻ってきた時に扉が開いてて、またみんなとやれるってすごい光栄なことだなって。

—ASPARAGUSの魅力はどういう所ですか。

フルカワ:曲ですよね。~With Melancholy A~と付けてるくらいなんで、メランコリックなメロディーというか、ドマイナーじゃないじゃないですか、演歌チックな日本っぽい切なさというわけじゃなく、うまく琴線に触れるようなメロディーを、忍さんが、あの音楽界の高田純次(笑) 渡邉忍が歌ってるのがね、そこのギャップがなかなか無いですよね。

最後に、今後どんなストーリーを作っていきたいと考えていますか。

フルカワ:Base Ball Bearにサポートで参加したことがきっかけで、今の僕は結構オープンなマインドで。去年は、2枚目のアルバムをつくりましたし、今年はLOW IQ 01でギターを弾かせてもらってますし。結局音楽は一人じゃ作れない、いろんな人の影響を受けて出来上がる素晴らしさみたいなものを、大昔はもっと信じてたんだけど、ドーパンを続けていく中で、あえてそれを否定してた所もあって。でも、今は逆にいろんな人と交わって、いろんな要素を吸収してそれを作品やイベントにしていくということを、やっぱりやっていきたいなあと思ってます。なんだかんだで40歳になっちゃいましたけど。だからそういうストーリーにこの先もなっていくでしょうね、きっと。

このアーティストの関連記事

LIVE INFOライブ情報

2017年7月28日(金)
フルカワユタカ presents 
「Play With」 ~with Melancholy A~
OPEN 18:30 / START 19:00
ADV¥3990 / DOOR¥未定
 [発売] PIA・LAWSON・eplus 6/10〜 ●Pコード:330-771 / Lコード:70942 
 ※お問い合わせ:DISK GARAGE 050-5533-0888(平日12:00~19:00) 
《出演》
フルカワユタカ
ASPARAGUS
 
休刊のおしらせ
ロフトアーカイブス
復刻