ムリのないペースで楽しくバンドを続けたい
──今回のレコーディングで学べたことはありますか。
堀口:ありますね。とにかく録るのに必死で、技術的な部分で全然追いつかなかったんです。それで私が一番ご迷惑をおかけして、一発録音の醍醐味を味わうまでには至らなかったんですよ。だけど昔はやり直しがきかないのが当たり前だったし、昔のミュージシャンはすごく演奏が上手かったんだなと改めて思いましたね。自分もそんなふうになりたいなと思いました。
金成:こうして最初のアルバムを作れたことがまず良かったと思うし、また新しい曲が欲しくなりましたね。
堀口:そこも私が頑張らないといけないですね(笑)。
平野:大元の曲作りで知江ちゃんが苦労することはあるだろうけど、それ以降の曲を形にする部分は早いと思うんですよね。
──金成さんと平野さんが曲を書いたり、唄ってみることはいまのところないんですか。
金成:歌はやっぱり知江ちゃんありきなので、自分が唄うなんて考えたこともないです。曲はいつか作ってみたい気持ちはありますけど、知江ちゃんからOKをもらえる自信がありません(笑)。
堀口:え? なんでなんで!? まだ聴かせてもらってないから何とも言えないよ(笑)。
──こうしてファースト・アルバムも出せたことだし、バンドの活動がより活発になっていきそうですね。
堀口:基本的に楽しくやるのが前提なので、ムリのないペースでバンドを続けたいんですよ。いまのところは7月のワンマンを成功させたいし、それが上手くいけば定期的にワンマンをやれたらいいなと思ってます。音楽性に関しては間口の広い音楽をやりたいし、日本におけるアウトロー・カントリーの先駆者になれたらいいなと思ってるんです。日本でカントリーをやろうとすると“ド”カントリーになりがちで、そこにパンクやロックの要素が合わさることが少ないんですよ。私はルーツ一辺倒じゃなく、いろんな音楽的要素を組み合わせたものをやりたいんですよね。
──ラーナーズとの棲み分けはどうしているんですか。
堀口:もともとギタリストになりたくてバンドをやってきたわけじゃなくて、自分でギターを弾きながら歌を唄いたかったんですよ。いまはどちらも楽しくやってますけど、ウルフベイツのほうが自分の全部を出している感じです。ラーナーズではギタリストとして、こっちではシンガー・ソングライターとして使う頭が違うのもありますね。
──当面の目標は?
平野:アメリカへ行きたいっていう大きな目標が一つあるんですよ。
堀口:私はSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)にここ2年くらい出たことがあるんですけど、いつかウルフベイツとしてカントリーの本場であるアメリカでライブをやってみたいんです。それと、今後はもっとバンド・サウンドを強めていきたいですね。今回のアルバムは弾き語りの曲が多かったので。これからはバンドありきで作った曲、60'sのガールズグループみたいな女性3人でやっていることを活かせる曲をやれたらもっと面白いことになるんじゃないかと思うし、いろんなことに挑戦していきたいですね。