Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューYellow Studs(Rooftop2017年5月号)

「血反吐を吐く思い」で作った9th Album『TRIANGLE』!

2017.05.01

蟹工船ぐらい難航した

-まずは9枚目のアルバム-発売決定おめでとうございます。

一同:ありがとうございます。

-前作『DOOR』から約1年、昨年12月にはアコースティックアルバム『Stroll』も出してかなり積極的に活動してますね。今回の資料を見ると「血反吐を吐く思いで作りました」とありますが、アルバム制作は難航したんですか?

野村太一(Vo,Key以降、太一):難航しましたね。まぁ、蟹工船ぐらい…波に呑まれて誰かひとり帰ってこない、みたいな。

-蟹工船(笑)。それは曲作りや作詞をしていく上でということですか?

太一リキッドの前に何かしらやっておかないと、と思って。レコーディングのスケジュールを結構タイトにしたんです。俺らは事務所さんもレーベルさんも、そういうアドバイスをしてくれる人がいないので、「アルバムを出す」みたいなアクションを起こして、何かしらファンへライブに来る意味や楽しみを作れたらいいなと-なるほど。メンバーの皆さんどうですか。今回のアルバムは自信作だと自負していますか?

野村良平(Gt以降、良平):そうですね、最初はどうなることかと思いましたが。今は大好きなアルバムですね。「こいつら売れる気あるのか?」ぐらい時代錯誤な曲もあるし、インドメタシンみたいな体にスーっと入るキャッチーな曲もあるし、いろんな意味でロックしてると思います。

-個人的には「CB750F」が好きでした。あれはバイクのことを書いてますよね?

太一そうです、今もすぐそこに停めてます。(笑)

田中宏樹(Dr 以降、田中):珍しく明るい曲ですね。

良平今までで一番マニアックなアルバムになったと思いますね。

-「ハイボール」や「ライブハウスポルカ」はライブハウス、ひいてはバンドマンのことを歌っていますよね。何か思うことがあるんですか?

太一最近のライブハウスはキレイだなあって思います(笑)もちろん良いことだと思うんですが。昔のライブハウスの思い出を巡らせて作ったのが「ハイボール」ですね。食って食われての世界じゃないですか、正直。そんな歌です。今そういうハコとはもちろんお付き合いないんですけど。今すごい酷い言い方したんですけど、そういうハコはいまだに、いろんな所にあるんだろうなあと思うと…なくなればいいのにな、ってことですね。

-各々、このアルバムの中で好きな曲とかありますか?

太一ちょっと曲見せてもらっていいですか。

良平まだ曲名すら馴染んでないですからね(笑)。どの曲がどれだっけ、みたいな。

太一どれもレベル同じですかね。

-まだライブではやってないんですか?

太一やってないですね。CDジャケットの写真と中身のイメージは全然違うと思います。

田中本当ですか?

太一一緒?

田中僕は割とイメージ近いですね。

太一すいません。

田中いえいえ(笑)。

植田大輔(Ba以降、植田):「ハイボール」は弾いてて楽しかったです。

田中僕は「ロックが流れる」が好きですね。

良平僕は全部好きです!(笑) まだ身体に馴染ませている途中ですけどね。早く馴染ませないと。

-今回のアルバムは、全体を通してどういうコンセプトで作ったんでしょう? 以前とは違う形でやっていくぞ! という感じなのか、それともさっき話に出たように制作の時間が少なかったからいつも通り淡々とレコーディングなりをしていたのか。

良平「こういうアルバムにしよう」とか「こういう曲を作ろう」とか、そういう気持ちは特になかったですね。いつも通り体から滲み出た感じです。

-よりいつも通り、いい意味で作りこんでない曲が多いというか。

良平全部出し切って8曲というわけじゃなくて、他にも曲はあったんですけどね。

太一練習しながら「新しい曲をやろうか」っていうときにメンバーでジャムりながら作っていきました。大まかに俺や良平が作って、あとは皆で作っていった感じですね。

-自分はベーシストなので聞きたいんですが、植田さんは今回のレコーディング、ウッドベースとエレキはどのくらいの割合でした?

植田:ウッドベースが多いかな? エレキが3曲、ウッドが5曲かな。

太一じゃウッドベース多めのアルバムですっていう推しで行きましょう。

田中推せますかそれ(笑)。

植田:ウッドを推してるわけではないですからね。

良平いい意味で、古臭い感じになったんじゃないですかね。

-今回ウッドベースが多くなったのはなぜですか?

植田:僕は基本的には全曲、一旦ウッドベースでやってみるんです。それでどうしてもエレキの方がいいと思ったら、しょうがないなとエレキでやります。

-今までの曲だと「ライブハウス」とかもエレキですかね。

植田:レコーディングはエレキで弾きましたね。「脱線」も「言葉にならない」もそうです。やっぱり曲がエレキを求めてる感じだったら、エレキにします。

-演奏で新しい試みはありましたか? ドラムやギターのパターンというか。

田中ドラムが一番好きなのは「CB750F」ですね。今まで通りというか、シンプルなドラムパターンなんですけど、細かいところは凝ったというかチャレンジした気持ちはありますね。

-ギターはどうですか?

良平「ライブハウスポルカ」は右手でとれちゃう、とかね。ギターはどれもいいんじゃないですかね(笑)。難しいんですよね、前に出すぎてもアレだし。空気を見ながら、古臭いことをいっぱいやったかな。

-古臭さがテーマだったんですか?

良平テーマと言うか、気付いたらそうなってました。

-どういうギターが古臭いんでしょう?

良平漠然と、イメージなんですけど(笑)。

-90年代というか?

太一もっとさかのぼりますね。

良平「一歩ずつ」とかめちゃくちゃじゃないですかね。

田中古臭いというかルーツっぽいよね。

良平「一歩ずつ」はJanis Joplinをイメージしたり、「ロックが流れる」は90年代のUKっぽいの弾こうとか。僕はカントリーが好きなので、「CB750F」は世間の人たちがやらないような曲だったりしますね。 「遠い栄光」なんかは「どう考えたってみんなこれ好きだろ」って気持ちでした。

-共通して好きなミュージシャンっているんですか?

植田:みんな好きってのはいないんじゃないですか。

太一俺らの作品はいつもチャンポンで、ジャンルが定まってないじゃないですか。当然、好みが一致するはずもなく。

-ライブでの推し曲は何ですか? これはライブで盛り上がるだろうという。

太一「ライブハウスポルカ」ですかね。

-「CB750F」は?

太一CBは普通ですかね(笑)。良い曲だと思いますけど。

-今度のリキッドルームでのワンマンはこのアルバムを出す前から決めていたんですか?

太一そうですね。

-リキッドに決めた理由はありますか?

良平単純にやってみたい、ということで。ひとつの目標だったんで。全力出して集客もして、『TRIANGLE』も初お披露目と行けたらいいな、という感じですね。

-今までだとRENYが一番大きいハコでしたか。

良平RENYはなんだっけ、何かのツアーだったっけ。

田中『Door』のリリースファイナルですよ。

-『TRIANGLE』のツアーの本数はどんな予定ですか?

田中まだ具体的ではないですが、いつも通り、主要都市と言いますか。

良平前回は福岡と岐阜が入ったから、少し多かったですね。

-もちろんインストアライブも?

良平そうですね、5月某日・某所から回っていく予定なのでHP等を随時チェックしていただければ。

-沖縄は行かないんですか?

良平毎年呼んでもらってるんですけど今年はどうなんですかね(笑)。あ、台湾行くんですよ。初の海外公演を7月に控えてます。

-いいですね。大きな会場なんですか?

田中もともと大学校舎の場所を使って、野外と屋内と…。10か所ぐらいでやるフェスですかね。

-メインで?

良平まだ会場は決まってないですけど、うちとKING BROTHESが出演することは決まってます。

-リキッドのツアーファイナルに向けて、何か意気込みはありますか?

太一俺は不安しかないです。…それまでに集客をどう伸ばせるかということですね。

良平集大成ですからね。ぜひ遊びに来てください、という気持ちです。

-前回のインタビューで自分たちでバンドを運営するメリットデメリットを訊いて、太一さんが圧倒的なデメリットは「広報力」と仰っていたんですが、今後Yellow Studsにとってメジャーデビューという選択肢はありますか?

太一超ありますね。俺の中では最近考えが変わって…メジャーだとどうやってやってるのか、ノウハウが見たいです。

植田:僕も「メジャー行きたくない」っていう強い信念があるわけではないので。

良平そうですね。DIYって言ってますけど、好き好んでやってるわけじゃなし、やらざるを得なくてやってきた状況だったんで。声がかかるんであれば、という気持ちですね。

-メジャー行ってガンガンやっていきたいと。

良平メジャーってどうなんですかね。

-僕もわからないですけど(笑)。

良平入ってみないとわからないですよね。何を言われるか。

 

このアーティストの関連記事

9th album 「TRIANGLE」

2017.05.24(水)発売
品番:TOTS-0009 
価格:¥2,000+税

amazonで購入

1. 天使か悪魔か
2. ハイボール
3. 遠い栄光
4. アルマエラ
5. CB750F
6. 一歩ずつ
7. ライブハウスポルカ
8. ロックが流れる

LIVE INFOライブ情報

2017年6月4日(日)
 「ごくつぶしが鳴く夜」Tour final 
恵比寿LIQUIDROOM 
OPEN.16:30 / START.17:30
 
休刊のおしらせ
ロフトアーカイブス
復刻