2003年結成。ガレージ、ロック、昭和歌謡、ジャズ、さまざまな要素を楽曲に取り入れ、野村太一(Key.Vo.)の独特のしゃがれ声で独自の世界観を繰り広げる。2008年11月、野村良平 (Gt.)が加わり、5人編成で活動を開始。そんな無所属のインディーズバンドYellow Studsが2016年4月13日水曜日に8th Album『door』を発売した。2015年7月31日金曜日に新宿LOFTで開催したYellow Studs presents 方位磁針 VOL.2で、Radio Carolineをイベントに招き動員400人以上と大盛況。今年1月に東京・渋谷 WWWで開催された〈方位磁針Tour 2015 Tour Final「ごくつぶしが鳴く夜」〉はソールドアウト。現在、もっとも勢いのあるロックバンドではないだろうか。今回は『door』の発売を記念してYellow Studsの野村太一(Key.Vo.) / 植田大輔(Ba.Cho)に、アルバムのことやバンド活動について話を聞いた。そこには今もピュアに音楽を楽しみながら、活動にまっすぐ向かうバンドマンの姿があった。
[interview:柳沢英則(下北沢SHELTER&新宿LOFT)]
—8th Album『door』リリースおめでとうございます。
一同:ありがとうございます!
—早速なんですけどYellow Studsは、どういった経緯でバンドを始めたんですか?
太一:居酒屋でバイトをしてて、そこで音楽をやりたい奴が集まってなんとなく始めました。
植田:「よし、このメンバーでやるぞ」ってはっきり決めた感じではなかったです。ほんとに「なんとなく」だった気がします。
—結成13年目で8枚目のアルバムですが、今回8th Album『door』の手応えはどうですか?
太一:自信があるかないかと言ったら「ない寄り」ですね。けど反応がいいみたいなので、だんだん自信がついてきた…という感じです。
−ライブは何度も拝見していますが、楽曲について話を聞く機会はなかったですよね。そもそも楽曲は野村太一さん(Key.Vo.)がベーシックな部分を作っているんですか?
太一:そうですね。ただかっこいいギターのリフとかは、良平(Gt.)が持ってくることも多いので、そこから曲を広げたりします。
−Yellow Studsは活動歴も長いですし、”ライブバンド”ですが、楽曲制作の段階からすでにライブでの反応を意識しているんですか?
太一:もちろんしていますよ。多分、皆さんが思っているほどアーティスト気質ではないんでしょうね。料理と一緒で、既存のお客さんの嫌いなものを出してもそれはちょっと違うんじゃないかな、と。なので、楽曲を作るときはいろいろな人の顔が浮かびます。けど、それだけになると偏っちゃうので、アルバムには自分たちで好き勝手にやる曲も入れてます。
—『door』のツアーも始まりますが、現在、バンドの調子はどうですか?
太一:どうなんでしょう。逆に、俺らの調子はどうなんでしょうか?(笑)
植田:調子いいなーって感じたことは、あんまりないですね(笑)。
—個人的に今後は、自分達で活動の運営をしていくバンドが増えていくと思うんですが、Yellow Studsは完全無所属バンドというキャッチコピーがついていますし、自分達で運営することのメリット・デメリットの話を聞かせてください。
太一:デメリットは、圧倒的に広告資金と広報力が足りない。というところでしょうか。知識がまだ全然ないので、いろいろな方から情報を得て営業しています。メリットは「フットワークが軽い、やったらやった分だけ金が入ってくる」これに尽きます。
—『door』を聞かせていただいて、歌詞がちゃんと入ってくる気がしました。バンドの表現で、お客さんにどんなことを伝えていきたいのか、結成13年目でそれに変化があったのか、一貫してコアな表現で描きたいのか、そのあたりを詳しく聞けたらと思います。
良平:どんなことを伝える…っていうのは難しいですけど、僕は昔から曲作りもライブも根本的に「楽しい」っていうのが必須なので、それを感じなくなったら潮時だと思ってます (笑) 。あとは、俺が楽しい=お客さんも楽しいっていう勝手なルールを作ってずっとやってます。じゃないと、こんがらがっちゃうし、イラっとするので…。とりあえず一貫している事は、「ライブもCDも格好良くて楽しい」昔も今もこれからも、そんなシンプルな気持ちでやっていけたらなと。
—今年1月に東京・渋谷 WWWで開催された〈方位磁針Tour 2015 Tour Final「ごくつぶしが鳴く夜」〉がソールドアウトを記録しましたし、現在のツアーや『door』のレコ発に来てくれるお客さんにコメントをいただけますか。
植田:『door』は、自分でもいいアルバムだなと思っておりますが、ライブではその音源を超えるパフォーマンスができるよう牙を研いでおります。お客さんがたくさん来てくれて、わーって盛り上がってくれるとすごく嬉しいのはありますが、個人的には、来てくれたお客さん一人ひとりの心に何かを残すことを目標に、全公演、全力で臨みます。
—個人的には大きなFESでビール片手に揺れながらYellow Studsを見たいんですが、Yellow Studsの今後の目標や展望を語ってください。
良平:僕個人としてもFESでビールを飲みたいので、FES紹介してください(笑) 。展望はこのままライブもCDリリースもコンスタントに続けていって、それにともない、地道でいいからお客さんが増えていったらいいですね。お客さんがたくさん来て、CDがたくさん売れたら、それで僕たちは暮らしていけるので。ワンランク上のおっさんになりたいです。