今尚、熱狂的なファンをもつバンド"THE STREET SLIDERS"。そしてそのメンバー、楽曲イメージを取り入れて描かれた漫画『SEX』。連載から30年の時を越えて、"THE STREET SLIDERS"ベーシストの市川"JAMES"洋二が『SEX』をイメージした楽曲を制作、そのジャケットを作者の上條淳士が制作。この運命的なアルバムはどのようにして生まれたのか、その一端を語っていただきました。(interview:柏木聡[Asagaya/Loft A])
キッカケになることは必然でした
――まずはお二人の出会いを教えていただけますか。
JAMES:上條さんが“THE STREET SLIDERS”(以下、スライダーズ)のライブによく来てくださっていて、そこで会ったのが最初です。
上條:25年前とかですね。最初は単にファンとしてお邪魔していたんですけど、その後、お仕事でもご一緒させてもらう機会もできて。
JAMES:最初は別世界だから分からない部分もあったのですが、話をしていくと、表現方法が筆なのか演奏なのかというだけで、共通することもたくさんあるんだなということが分かって、今は親近感を持っています。
上條:でも解散後はしばらく時間が空いて、12年くらい会っていなかったんですよ。どこでしたかね、再会は。
JAMES:HARRYや土屋公平(以下、公平)のライブの打ち上げですよ。
――上條さんは元々ファンだったということですが、当初のスライダーズファンは年齢層が高めだったと聞いています。同世代の方はどうだったんですか。
上條:漫画家の中にもっと距離の近い方がいて、それが浦沢直樹さんなんですけど、JAMESさんたちの大学の1年後輩で、その時代の話を聞いてました。
JAMES:浦沢くんは僕たちのアマチュア時代を知ってるので…彼にとっては自慢らしいんだけど(笑)。
上條:『20世紀少年』の中にスライダーズをモデルにしたキャラが出て来ますよね。
――そういう点では『SEX』もユキ・ナツはスライダーズをモデルにしているので共通してますね。自分たちのバンドがモデルになる作品というのは、いかがですか。
JAMES:想像もしなかったことだったので、不思議な感じです。
――『SEX』ではなぜスライダーズをモデルにしたのですか。
上條:風景や時代の空気感を漫画に落とし込みたかったというのがあります。あの辺りの風景・時代を書きたいと思った時に三多摩のバンドであるスライダーズの存在というのが必要で、キッカケになることは必然でした。
JAMES:時代や空気感を表現するというのはロックと一緒だね。ただフレーズをなぞっているだけでは説得力がない。大げさに聞こえるかもしれないけど「魂・気持ち」がこもらないから。ただ知識として知っているだけじゃ伝わるものが全然違うと思う。
――そういう点では『SEX』とスライダーズの曲はほんとうにシンクロしていて、読んでいるとバックに流れているような感じになります。
上條:そう言ってもらえるのは嬉しいですね。