音の鳴る弁当箱は何度でもおかわり自由
──こうして見てくると今回の収録曲は多彩すぎるにも程があるという感じで、『OTONARI BENTO BOX』というアルバム・タイトルに引っかけて言うなら、本作は和洋折衷、どれも主食になるくらいの具材がてんこ盛りの弁当箱と言ったところでしょうか。
高島:好きな食べものがめいっぱい詰め込んであって、フタを開けたら音楽が流れてくるような弁当箱ですね。「OTONARI」には二つの意味があるんです。一つは聴いてくれる人たちの「お隣り」にいるような音楽でありたいということ、もう一つは「音鳴り」、つまり「音の鳴る弁当箱」ってことですね。それが「誰も一人ぼっちにしない音楽」とイコールになるかなと思って。
──バンドによってアルバムはオモチャ箱、玉手箱みたいなたとえもあるけど、TBMGの場合は弁当箱であると。身近な存在で、お腹も満たされて栄養も充分に摂れて。
高島:TBMGが作る弁当はどこから食べても美味しいし、何度でもおかわりできますしね。
──当面の目標は、ミニが続いたのでフル・アルバムを作ることですかね。
高島:ミニでもフルでも形式にはこだわりませんけど、次の音源を早く出したいですね。いまはまたやりたいことが出てきてるので。
──具体的に言うと?
高島:メロコアをやりたくて。アルバムとなれば1曲くらいだと思うけど、そういう要素の強い2ビートの曲をやりたいんです。僕はくるりとかDragon Ashみたいにアルバムごとに自分たちのやりたいことを貫くバンドが好きで、そういうバンドは何をやってもそのバンドらしい芯がちゃんとあるじゃないですか。
かつくん:今回のアルバムも完成する前はまとまりが出るのか心配だったんですけど、いざ仕上がったのを聴いたらちゃんとまとまってたんですよね。だからメロコアをやっても自分たちらしさはちゃんと出せるのかもしれない。それはきっと、「誰も一人ぼっちにしない音楽」というコンセプトが軸にあるからなんでしょうね。
高島:まぁ、やりたいことをやってるだけなんだけどね(笑)。あと、目標としてあるのは、クワトロ・クラスのハコでワンマンをやりたいんですよ。僕らはまだワンマン・ライブをやったことがないので。
かつくん:一度だけ、保育園でやったことはあったけどね(笑)。
DOMESTICKS:動員が350人でね。園児、先生、保護者ばかりだったけど(笑)。
高島:ここまでいろんなタイプの曲が出来てくると、30分のライブじゃ自分たちの見せたいものを見せられないんです。だからワンマンをやりたいんですよ。まぁ、ワンマンじゃなくてもライブはぜひ見て欲しいですね。「誰も一人ぼっちにしない音楽」というコンセプトはライブでも変わらないし、一人で来ても充分楽しめるライブをやっているので。一人でも、二人でも、おじいちゃん・おばあちゃんでも、子どもでも、きっと楽しめるはずなのでぜひ遊びに来て欲しいです。