毎回、違う混沌を作っていく
──そういえばサル問題はどうなったんでしたっけ?
村山 去年、影絵デザイナーの川村亘平斎さんに出ていただきましたが、河村さんはバリ島でガムランを修行されていているんです。バリ島の芸能ではケチャも有名ですが、ケチャってモンキーダンスなんですよ。「ケチャケチャケチャ」って歌ってる人はサルという設定。それで、川村さんに「ケチャってできませんか?」と相談した所、一人じゃできないので、我々が川村さんからケチャを教わって、みんなでやろうということになりつつあります。できれば当日はお客さんも一緒に参加してもらって、みんなでサルになれたらいいなあと。なので、ロフトのスタッフの人達もケチャを覚えて下さい。事前に練習しますから(笑)。
──パスカルズが客席で輪になって演奏を始めたりとか、みんなで盆踊りをしたりとか、客席を巻き込む感じは楽しいですよね。
寿 ここまできたら本物のおサルさんにもオファーしたかったなー。
河井 当初からしりあがりさんは「混沌」をテーマにしてましたから。
寿 とはいっても毎年同じだと面白くないので、新しいことも入れていきたいし、混沌と新しいことのバランスですね。毎回、違う混沌を作っていくという。
河井 プロの方はどんどん実験していって欲しいですね。そういう場ですから。
寿 そういえば昨日、安齋肇さんにテーマは工場だって言ったら、すごい張り切ってたよ。
──安齋さんはジャンクフォークとありますが。
村山 一昨年は、潜水服を来てノイズっぽいパフォーマンスをやってましたよね。
八木 去年は全身迷彩模様で、誰かと思ったら安齋さんだった…。
村山 もはやお得感があるのかないのかよくわからない(笑)。そういう意味では、大人数でカズーを演奏する三浦カズーもよく見るとすごい豪華メンバーなんですよね。
河井 戸田誠司さんや矢口博康さん、鈴木さえ子さんなど錚々たるメンバー。
寿 なんか、さるフェスでいいのかなあって思っちゃうよね…。
村山 三浦カズーのメンバーでもあるLanguageというバンドは、本来はとてもお洒落な音楽をやる人達なんですが、先方が三浦カズーで出たいと言うんですよ。
河井 多分、へんな空気があるんだと思う、俺らに。
村山 なんかおかしなことやって下さい、みたいな同調圧力?
河井 お洒落なことやったら怒られそうな。へんなことをやらないと。
村山 おかしなことをやる人は他にもたくさんいるんですけどね。のぐおとか(笑)。
ハヤマ Languageのウィキペディアを見たら、活動履歴に「さるハゲロックフェスティバル出演」と書いてありますよ。
寿 書いて大丈夫なのか?
──歴代出演者を一覧にすると凄そうですね。誰かウィキにまとめないかな。
八木 逆に、今まで出演した人のウィキペディアに、さるフェス出演履歴を勝手に追加していくのはどうですか?
村山 あ、それいいかも。谷川俊太郎さんや鈴木慶一さんとかのウィキに「さるハゲロックフェス出演」って勝手に追加しちゃう。ウソじゃないしね(笑)。
何が実現して何が頓挫したのか
村山 あと今年の剛連合は禁断の曲をやるみたいです。某ホンモノのライブではその1曲で40分ぐらい歌い続けるという。剛連合の年齢と体力を考えると今年やらないともうできないかもしれないからやりたいって言ってましたね。だからお客さんはどん引きするかもしれないです。
──自分への挑戦ですね。お客さんが求めているかどうかは別にして。
村山 逆に、他にこれをやったらいいということはあります?
──前に河井さんが外タレを呼びたいって言ってませんでしたっけ?
村山 そうだ!外タレ枠。
寿 そういえばジェフ・ミルズにビミョーな超間接オファーをしたことはあったけど、どうなったんだっけ?
村山 確か、やんわり断られたような・・・。
──工場に合いそうなのにな。
寿 もう少し工場っぽいのを増やしたほうがいいかな?
村山 演目にですか?
河井 シンデレラだとみんながイメージがしやすかったけど、工場だとなかなかイメージの統一が難しいですね。
寿 俺のイメージする工場は製缶工場になっちゃうな。ビール缶を作る工場。昔仕事でよく行ってたから。
河井 僕はラザニアの工場でバイトしたことあります。ラザニアの皮を重ねて、敷いてく仕事。
村山 僕は自動車工場でディーゼルエンジン作ってました。ある日、寮で同室のおじさんが失踪してました(笑)。
寿 エンジン工場がいちばん工場っぽいね。そうだ、グラインダーとか欲しいな。あと溶接?
八木 溶接体験コーナー!
ハヤマ 溶接機のレンタルは意外と安いですよ。3日間で2100円。
寿 じゃあ溶接機とグラインダーと、あともう1つぐらい派手なやつを借りようよ。
──あと2週間で本番ですが、こんなんで大丈夫ですか?
村山 まあいつものことですね。何が実現して何が頓挫したのかを当日確認しに観に来て下さい。
寿 事前に決めちゃうとその通りに行くかどうか心配になっちゃうんで、何も思い描かない方がいいんです。
河井 あ、これも毎年言ってることですが、おそらく来年はもうないですからね!