自分が変われるような気がした
──『Like a record〜』での活動は、音楽をやる原動力になりましたか。
藤井:もちろん! 絶対にそうです。ここ4年くらいで自分が変わったと思うんです。もともと芸人としての活動はテレビから始まって、その次にはもうNGK(なんばグランド花月)になっちゃうんですよ。だからお客様の前に立つということをもう一回知らしめてくれたという場所が、ネイキッドロフトだと思うんです。何度も話しているかもしれないですが、(桂)三度さんのイベント(世界のナベアツサックス練習会)は一生忘れないです。あの当時の自分は模索していて、どうなっていくんだろうと不安になっていました。その不安を払拭してくれるのは、目の前にいるお客さんが支持して下さったり、否定されたりということで、自分が変われるような気がしていたんですよね。しかもあの空間はシビアに顕著に伝わりますから。その中で、ネイキッドロフトの店長さんがきちんと評価して下さるのが、凄い嬉しかったです。そういったライブをやらせていただけたということが僕には意味があるし、音楽をまたやってみようと思えたのはその経験があるからですね。会場も内容も違ったら、こういったことにはなってなかったでしょうね。素敵な出会いです。目の前にお客様がいるという怖さより、いてくれるという心強さを教えてもらえたのがネイキッドロフトです。その経験があったから、クラブ・ツアーみたいなこともお客様がいてくれるから大丈夫っていう強みしかなかったかな。喜んでくれるかな、という不安はもちろんありますけどね。だから今は毎回、心強さを確認させていただいてます
──アルバムのタイトルですが、以前、アジアン馬場園さんとバッファロー吾郎A先生と開催した『Azusa Babazono D-live』というイベントの際、3人のユニット名を「COFFEE BAR COWBOYSです」と名乗っていたかと思いますが、それとは関係がありますか?
藤井:そうなんですよ! 実は僕、タイトルの話はどこの取材でもしてなくて。絶対今回聞いてくれると思っていたので、ここでしようと決めていたんです(笑)
──凄い! ありがとうございます!
藤井:ある中華屋さんに行った時に、スラングの辞書みたいなのがあったんです。待ち合わせをしていて、まだ時間があったのでずっとそれを読んでいたのですが、そこに『COFFEE BAR COWBOY』って書いてあったんですよ。英語の本なので、その時意味は全然分からなかったんですけど、帰って調べてみたら、ライダーたちがツーリングをする途中でバーに立ち寄って、アルコールじゃなくコーヒーを飲んで、またツーリングを続けていく様という意味らしくて。それでその言葉が凄い引っかかっていて、何かに使うだろうなと思ってたんですよ。で、あの時の『D-live』がその瞬間でした(笑)
──それから時を経て、今回のアルバムのタイトルにもなったんですね。
藤井:まさか自分のアルバムのタイトルになるとは思わなかったですけどね
──今後の活動についてはいかがですか。
藤井:SLENDERIE RECORDとしては、今回は自分が出てる側の一方で、冨田さん、郷太さんと共同プロデュースという形で参加させていただいたので、何かをプロデュースしていくっていうことをこのレーベルでやっていきたいと思いました。普段、僕はお仕事する時に武装してしまうんですよね。でもネイキッドロフトは本当に文字通りネイキッドなままできるんです。クレイジーなネイキッドをさらしてできるんですよね。今後は先輩後輩関係なく、自分が好きで尊敬する方たちとまた作り込んでやらさせていただけたらと思っています