STEP UP RECORDSに移籍、KARIBUxNOxKAIZOKUからTHE FOREVER YOUNGに改名し、夢に向かう決意を改めて固めた彼ら。久留米出身らしい九州男児の熱い気持ちを余すところなくぶつけたセルフ・タイトル作品『THE FOREVER YOUNG』をリリース、バンド史上最大規模の全国ツアーを敢行。混じり気なし、直球勝負の言葉で構成された作品に偽りない彼らの魂を感じ取った。今回はそのツアー・ファイナルであり、初となるSHELTERでのワンマンに向けて、今まさにピークを迎えている彼らのテンションが存分に込められたインタビューとなった。[interview:上里 環・川本 俊(下北沢SHELTER)]
──Rooftop初登場ということで、まずは読者に向けて自己紹介をお願いします。
クニタケ(vo, b):ボーカル、ベースのクニタケヒロキです。昔からRooftopは読ませてもらってます。
ヒラヤマ(g):ギターはパーカッションだと思っている人の一人です! パッションなら負けません! ジャンルは問わず壮大なものが好きです。よろしくお願いします。
ヒラタ(g):ギター、コーラスのヒラタタクヤです。曲を聴いた時、ライブを見た時に、あの心がわし掴みにされるような瞬間がたまらないです! 同じような感覚を自分でも出せるようにライブに臨んでいます。
オガワ(ds):ドラムのオガワリョウタです。パッション溢れるプレイ、それで見ている人の心を揺さぶれたらなと日々思っています。
──昨年、STEP UP RECORDSに移籍した際にKARIBUxNOxKAIZOKUからTHE FOREVER YOUNGに改名した意図とは?
クニタケ:一番の理由は決意表明ということが大きかったです。もう一度、夢を掴むために突っ走ろうという決意ですね。
──FOREVER(永遠)とYOUNG(若い)という相反する言葉を組み合わせたこの名前の由来は何でしょうか。
クニタケ:RYOSUKEさん(STEP UP RECORDS社長)とNO-HITTERのヨシトさんと俺たちでLINEで案を出しながら決めたんですが、ガムシャラに今を突っ走って行って、未来に行った時にそんな今を振り返って笑おうぜ! っていう素敵な由来があります。この気持ちはずっと変わらねぇって思いです。
──STEP UP RECORDSへの移籍のきっかけとなった出来事は?
クニタケ:単純に、高校生の時からRYOSUKEさんとSTEP UP RECORDSのファンでした。2012年6月に高松でHARDCORE FANCLUBのレコ発ツアーに出演させてもらう機会がありまして、初対面でガチガチに緊張していたんですね。出番前に控室で「次、俺たち出番なんでよろしくお願いします」とガッチガチで挨拶したところ、「クソみてーなライブしたらタダじゃおかねーぞ!!」とガン切れ頂きまして、絵に描いたような緊張クソライブかまして号泣入りまして(笑)。その日の打ち上げで、話したいけど近くに行ったら絶対ぶん殴られると思って、話をしに近づけなくて(笑)。でも「打ち上げもう終わりますよー」ってなった時に、このままだったら二度と見てもらえないだろうし、一生後悔すると思って、OVER ARM THROWの洋平さんとRYOSUKEさんの話してるところに「ココいいですか?」って割り込みまして。そしたら「話が長くなるから座布団座れよ」って。そこから30分くらい俺たちの話をしてくれて、たった1日で俺たちのすべてを見透かされてるようにいろいろ見てくれてて、「自分らしくライブすればいいんだよ」「道端にヤンキーいてもいちいちケンカ売らないでしょ?」「最後の日本語の曲はグッときたよ」って言葉が突き刺さって。それから地元に帰ってから俺ららしさ、日本語の良さをかなり模索しました。その日のことがデカすぎたんですね、俺たちにとって。
──なるほど。
クニタケ:それから約1年後、俺たちが2枚目のアルバムをリリースして、「WORLD END」のPVをYouTubeにアップしたら、いきなりRYOSUKEさんから「良かったよ、まだ興味があったら音源送って」ってメールが来て。即送りでしたね。メールも保護で。バイト帰りに鬼泣きでした(笑)。そしてそのアルバムのツアーで新宿ANTIKNOCKでライブだった時に来てもらって、打ち上げ終わりで5人でジョナサン行きまして。その日の感想とかじゃなくて、不安や悩みを打ち消してもらったんです。ただ単純に近所の兄ちゃんみたいに。ホントに嬉しかったですね。それからオムニバス『...OUT OF THIS WORLD』に呼んでもらったり、福岡で遊んだり、気にかけてくれてて。そんな頃、俺たちはこれからの人生のことを考えて不安や悩みが増えていって、仕事しながら自主でバンドをやっていこうと考えてて。それをRYOSUKEさんに相談した時、全部ひっくるめて理解してくれた上で、「もう一度夢を見ようぜ!」と言ってもらえて、STEP UP RECORDSに所属したいと決意しました。
──昨年11月に発売されたTHE FOREVER YOUNG名義として初のフル・アルバムはセルフ・タイトルの作品ですが、どのような思いが込められているのでしょうか。
クニタケ:これしかねぇ! とみんな一致でした。俺たちとRYOSUKEさんのこれからの覚悟と、いろいろな人たちの協力が血となって、肉となって。感情や熱はもちろん、感謝を思いっきり込めています。
──レコーディングで苦労された点、特に気をつけた点はどんなところでしょうか。
クニタケ:臨場感が出るように、感情、リリックが伝わるようにブレスは気にしてボーカル録りをしました。日本語もただ単に並べるだけじゃなくて、韻を踏んでみたりリリックだけでも面白いものを、と気にしてました。プリプロの段階で入り浸らしてもらった地元のWEST POINTには足を向けて寝れません(笑)。
ヒラヤマ:どちらかと言うとレコーディングまでが苦労した印象です。やりたいことを形にする作業に時間がかかりました。ボーカルの声や歌詞を後押しできるサウンドにしたいと思っていたので、イメージ通りに仕上がりました。
ヒラタ:レコーディングは毎回緊張との闘いです。
オガワ:ライブ感と言うか、勢いを出すことを心がけました。特にシンバルとギター、ベースを同時にかき鳴らす部分が、聴いていてとても気持ちがいいです。
──全編日本語詞で構成された11曲は、非常にライブ感の強い仕上がりになっていますが、みなさんの思う聴き所を教えて下さい。
クニタケ:感情が入り狂いすぎて泣きながら唄っています。その人のことを思って、現実にムカついて唄ったら自然とそうなりました。だから純粋に誰かを思って聴いて欲しいです。
オガワ:ライブ感は強く、でもメロディや歌詞はとても切なかったりして。日本語だからスッと入ってくると思うし、ふと口ずさんでしまうことがよくあります。是非爆音で聴いて欲しいですね。
ヒラヤマ:11曲通して、ある男の人生が詰まったものだと思っているので、映画を見るような気持ちで聴いてもらえたら嬉しいです。1曲目のオープニングからラストのエンドロールまで。何か心に残るものになっていると思います。個人的には4曲目の「YOUR WRIST SCAR」のギターが気に入っています。
──ATATAの池谷龍人さんを始めとするゲスト・ミュージシャンも多く参加していますが、印象深い出来事があれば教えて下さい。
ヒラヤマ:池谷さんにゲストでギターをお願いして、ギター録りの前日の朝4時くらいにギターをボイスメモに録って、「こんな感じ?」みたいなやり取りをしたことです。赤ちゃんの夜泣きも録音されてたりして。本当に感謝してます。
オガワ:いろんな人にコーラスしてもらえて嬉しかった。あと、差し入れの量が凄かった(笑)。
クニタケ:毎日誰かが来てくれて、賑やかで、バンドやってて良かったなーって、毎日支えてもらいながら思ってました。
ヒラタ:今までゲスト・コーラスは経験あったんですけど、ギターやキーボードの楽器類は初めての経験で、それによってのパワーアップ感はとても新鮮でした!