今大注目の若手漫才コンビ、三四郎と浜口浜村。2014年度認定漫才師にも選ばれたこの2組によるトークライブが、先月2日に阿佐ヶ谷ロフトAにて開催された。前売チケットはソールドアウトで当日券もなし。2組に対する期待度の高さを再確認させられたのだが、しかし「大半の人はグダグダを望んで面白がりに来た」(浜村)との予想にうんうんと頭を上下に振るお客さんたち(たくさん)。果たしてこのイベントはどうなったのか!? 気になる当日のレポートと、ライブ終了直後の2組に「もっと気になるアレコレ」を聞いてみたのでそちらをお届けする。(構成:足立結香/阿佐ヶ谷ロフトA)
お笑い界の夜明けぜよ
超満員の阿佐ヶ谷ロフトAに半笑いで登場した4人。イベント第一声は、勝手に座ってしまった三四郎・小宮に対する、相方相田の「小宮さん、最初は立ちでって言ったでしょ」だった。うつむきがちで恥ずかしそうにオープニング・トークをする面々。その原因は揃いのTシャツにあった。
小宮:この4人でライブをするにあたって、作務衣とか、なんか衣装を揃えようかって話になって。たとえば作務衣とか。
相田:そしたら浜口くんが「俺、買って持っていくよ」って言うから任せたら…。
小宮:なんなんだよこの柄! 恥ずかしいよ!
と、一人ボタンを留めていた小宮がシャツを脱ぐ。
小宮:坂本龍馬て!!! 意味わかんねえよ!!!
相田:あ、中には着てたんだ…。
浜口:お笑い界のぉ…。
相田:やめろやめろ! それ以上言うな!
浜口:お笑い界の夜明けぜよ! ってか!
相田:だからやめろよ! みっともない!
年表トーク
左にプロジェクター操作リモコンを持った小宮、右にパソコンを開いた相田、その間に浜口浜村の2人を挟んで着席。まず始めに全員1983年度生まれという4人の年表を使っての同い年トークに。この年表、開場時からずっと貼ってあったので、写真を撮って保存しようというお客さんも大勢見えた。さてこの巨大な年表、誰が作成したのかと言えば…。
相田:えー、実は。この2組に、ドリーマーズっていうコンビを入れて、3組でもライブをやってまして。なのにここ2組でライブが決まったもんで、ドリーマーズの坂本ってヤツが、「いや、わしはぃ?」と噛みついてきまして。面倒なんで、じゃあ年表作ってくれる? って言ったらこんなのを。
浜村:午後4時にね。事務所にこんなでっかい紙持って現れましてね。
と告白すると、会場からは「ええーー!?」という驚きの声が。
小宮:いや、引くよね〜。
大合唱
序盤、最も盛り上がったのは「校歌を歌おう」のコーナー。時間の都合上、浜口浜村、2人の出身小学校の校歌のみ発表することに。またこれが大当たり。一風変わった節と詩で、中盤から歌い終わっても小宮は全くツッコミ終わる気配を見せない。特に、
小宮:ぼっくらーのーわたーしらーのっっ↑
という一節が引っかかったようで、最後には会場含め全員で大合唱。爆笑のまま前半を終えた。
その頃の眼
年表に絡め、各々の幼少期の写真をプロジェクターに映すことに。このリモコンを小宮に持たせていたものだから、
浜口:のちに漫才師になるとは思えない顔。
相田:まさか人々に笑いを提供するなんて。
と2人に言わしめた、浜村の「人生で一番キツかった高校時代の写真」が会話のオチの部分で毎回壁に映し出されるというイタズラも。
浜村:もっとウケると思ってたのに!
小宮:俺のほうがそう思ってたよ!
その後、お互いの第一印象を聞くという流れに。「三四郎のことは最初から面白いと思っていた」と浜村が言うと、
相田:いや、でもなんか様子がおかしかったんだよな、(浜村が)すげー自慢してきたり、M-1の成績を聞いてきたり…。
浜村:どんな方法を使ってでも三四郎とは話したいと思ってたから。
小宮:芸人に面白いって言われたらやっぱり凄く嬉しいから。声かけられて、やった! って顔上げたらすげーやべー眼のヤツがいて「モロなヤツきたよ!」って。で、その1年後にスパナペンチの永田くんに「三四郎さん面白いっすね」って! またモロなヤツきたよ! って!
と返し、思い出話に花を咲かせる面々に会場が沸いた。
推理要素は全くない
最後のコーナーは、それぞれが持ち寄った企画をやってみようというもの。小宮「勉強クイズ」、相田「検索ワードを足してって0にしたら負けゲーム」、浜口「浜ボウル2014」とあったが、最も盛り上がったのは浜村の「俺なりの人狼」。浜村いわく、「今流行りの人狼。この内容を全く知らない俺が想像した限りの、俺なりの人狼ゲーム」ということだったが…。
浜村:まず、みんなでカードを引きます。
相田:それは人狼と同じだよね?
浜村:カードは、人狼と、銀狼と、ミッドナイトシャッフル…。
小宮:ミッドナイトシャッフル!? 銀狼の?
浜村:と、市民。
小宮:市民!? お前絶対人狼知ってんじゃん!!
と、説明の時から全員がツッコミ終わらない状況に。たまたま引いたカードも、浜口→銀狼(茶番)、相田→ミッドナイトシャッフル(熱唱)、小宮→人狼、浜村→市民とぴったりな構図に爆笑と拍手が鳴り止まなかった。
トークライブを終えて
──お疲れ様でした! まず、他誌の事前インタビューで相田さんが「浜口浜村は全く喋らないから正直不安」ってお答えしているのを見たんですけど…どういう意味ですか?(笑)
相田:お疲れ様でした! あのー、浜浜とはネタやるライブでもよく一緒になるし、仲も良いんですけども。なんて言うのかなー、2人とも、話すよりふざけちゃうタイプの人間なんですよね。
小宮:そうそう。エピソードトークをがっつりしないと言うか。
浜村:トークから逃げてきた。
相田:はっはっはっ…おい!(笑)
小宮:いやだからね、トークライブとか、全く興味ないんだろうなと思ってたんですよ。なのにね、まさか! 今回のライブの発端は浜村さんだっていうことで。是非にこういうライブを、三四郎とやりたいよー! というようなことを言ってくれたということで。ね?
浜村:記憶にはないんですけどね。
──え!?
浜村:あのー、以前、阿佐ヶ谷ロフトAのイベントに出演した際に、べろっべろに僕が酔っぱらって、ロフトの人にそういうことをわめいたらしくて…いやもう記憶には全くないんですけど。
浜口:でもこいつ、ダイナマイト関西の新人王ですよ!
小宮:急になんだよ! 調子乗るからそれもうあんま言うな! 芸能界は大喜利だけじゃないんだぞ!
浜村:まぁ、そうなんですよね…だからトークも、やんなきゃダメだなぁ、っていうようなことを…その時の僕は思ったんじゃないかなぁって思います。
小宮:きっかけが記憶にないってなんだよ! いやでも浜村さんは頑張ってお話してくれて…いや、おかしな話だな! だけどね、ほら蓋開けてみたら! 僕ら出会って5年かそこら一緒にいるんですけど、もう初耳! っていうエピソードも多々あったので。
相田:そうですよね。相方と、お互いはひとつのキーワードで同じものが連想されるんだけど。それがもう1組には凄く新鮮で、っていうね。幼少期の話なんかは普段しないじゃないですか。そういうとこも含めて、同級生ならではのトークライブになったんじゃないかと。