バンドは合わせ技
——ヴォーカルとして、ここは他の人には負けない! って部分はどんなところですか?
石川:スーパー負けず嫌いですね。どんなちっちゃいことでも負けたら死にそうになります。例えばゲーセンの太鼓の達人でも、ほんとに死ぬ気でやったりとか、負けることは自分の中では許されないです。子供だろうが何だろうが容赦なくやっちゃうんで、ほんとにクソヤローです(笑)。
松本:ピュア!
一同:(笑)
Sachiko:私はなんだろう? あるかなぁ?
——では間口を広げて、自分のアピールポイントは?
Sachiko:私、忍耐力はあると思います。
——打たれ強いんですか?
Sachiko:音楽の中ではですけど、打たれて一度パタンって倒れるけれど、倒れっぱなしっていうのがほとんどないと思います。自分で言うことではないとは思うんですけど(苦笑)。
——Sachikoさんのステージを観ていて、同性として力強くて格好いいなってずっと思ってたんです。でもステージ以外の所で会うと可愛いいなって(笑)。
石川:FLiPのメンバー4人とも、みんな力強いよね。人一倍努力して、ステージ立って、芯がある4人だっていうのがすごい出てますね。
Sachiko:多分、自分たちのことを自分たちが認めてないからだと思います。上手いねって言ってもらえるのも嬉しいんですけど、男性と同じフィールドに立った時に対等かって言われたらそうじゃないと思うし、まだまだ足りないと思うんですよね。褒められて嬉しいけど鵜呑みにしないっていうのが根本的にあるんです。
石川:満足したらそこで終わりだもんね。成長が止まると思うし。女の子バンドはあるよね、そういうのって。
Sachiko:ありますね。でも女の子だから出せるグルーヴ感があるっていうのは信じてるんで。女の人が出すグルーヴ感って丸いじゃないですか。
石川:そこを絶対壊してやる、超えてやりたいって意思がすごい伝わってくるんだよね。媚びないというか、実力だけで戦うっていう姿勢がすごい伝わってきますね。
Sachiko:10代の頃から男性と対バンする機会が多かったからですかね。沖縄でバンド組んだ時は女子バンがほとんどいなくて、しかも同世代バンドもいなくて、みんな先輩だったし上手いし。しかもジャンルがハードコア、メタルとかでみんな早弾きが上手かったりしたんで(笑)。超越したような人たちが周りに多かったから、なめられたらいかんなっていうのがスタートです。今はフランクですけど。
——明人さんのアピールポイントは?
松本:いい意味でも悪い意味でも気にしいです。
——そうなんですね。例えばライヴした日の夜とかはいろいろ反省したりするんですか?
松本:ライヴ中に反省してます。
——ライヴ中に!?
松本:それを乗り越えるためにがむしゃらに演奏してます。ワンコーラス前の自分を蔑んでます。それが気が散ってるって言われたら終わりなんですけど、そうなっちゃうんです。
石川:自分にめっちゃ厳しいですね。
松本:…なのかなぁ。
——逆に「今日はやったー!」って思う時はどういうライヴの時なんですか?
松本:「今日やったー」って時は……満場一致で良かったねって言った時はいいと思いますね。
Sachiko:確かにそれはありますね。
松本:それ以外は大体ヘコんでます。とんでもなく歌が上手で、どんでもなくギターが上手なわけではないので、両方合わせて…。合わせ技!(笑)
Sachiko:あっ、でもバンドって合わせ技ですよね。それはあると思います。
松本:手も口も人と同じ数しかないから、それをどう3人ぐらいに見せるかということをいろいろ考えたりします。
Sachiko:でもエフェクターとかでルーパーとか使ってますよね? 一人三役ぐらいの足下を作っている記憶があります。
松本:そうですね。アンプも2人分置いてます。ベースも歌はやらないですけど、エフェクターとかいろいろやってるので、4〜5人ぐらいいるような圧になるように。そういうとこを気にしてます。
——気にしてる所になっちゃいましたね(笑)。
松本:気にしいなんです(笑)。
Sachiko:でも日常から気にしてないと、ささいなこととか音楽のアンテナに反応しないですよね。
石川:常に張っとかないとね。