この作品がまた変わるきっかけになるような気がする
── この7曲に加えてライブバージョンの3曲が入ってますけど。どうしてこの3曲を選んだんですか?
岡田:ライブ感もあったし、今の自分たちが伝えたいことも入れてるし。
高津戸:『弱虫ペダル』のファンの方がこのアルバムを買ってくれた時に、僕たちのことをもっと知ってもらえるように昔の代表の3曲を選んだという感じですね。それで興味を持ってもらいたかったんです。あとは臨場感のある感じになっているので、少しでもライブに来てもらえたらと思っています。
── 『桜川』を初めて聴いたのは何年か前のクアトロでのワンマンだったんですが、ライブで聴くと歌詞で描かれた景色のイメージがより膨らまされて泣けるんですよ。
高津戸:人気のある曲ですし、ライブバージョンなので語りも入ってますし。
── この曲はワンマンとか大事な時にしかやらない感じもあって。
高津戸:この前の弾き語りライブでやりましたけど、何回もライブに行ってるけど初めて聴けましたと言ってくれる方もいました。
── 『スターチス』はこの4人になって初めて作ったアルバムに収録されていて、当時鍵盤とか打ち込みを使ったのが珍しいなという曲で、バンドとして転機となってるタイミングの曲が多いような気がするんです。
高津戸:打ち込みを使ったのはこの曲が初でしたね。『呼吸』も初めてこの4人で作ったアルバムに入った曲だし。
── だから今とDIRTY OLD MENをこの3曲が象徴しているような感じもしますね。
山下:僕はこのアルバムは、インディーズのファーストの『bud』(2008年6月リリース)の匂いがしてるんです。『bud』は目に見えて俺らが変わるタイミングのアルバムだったんです。
── 『bud』って人形が座ってるジャケットのCDでしたっけ?
山下:つぼみのイラストが描かれているものです。『moon wet with honey』とか『桜川』とか『メリーゴーランド』が収録されています。
── 今でもライブで演奏されてる人気の曲ばかりですね。
高津戸:この作品をリリースしたタイミングでワンマンの規模が変わりましたよね。もちろん『bud』になればいいとは思ってないけどね。越えていかないと。
山下:越えるのはもちろんなんだけど、きっかけになるアルバムだと思う。
── 当時に比べたらメンバーは違いますし、最初に言っていたけど歌詞もリリース毎に力強くなっているし、この作品でみなさんを知る人もいるだろうし、今まで知ってたけど初めて聴く人もいるだろうし、ここから広がってもらいたいですね。
高津戸:まだ光が見えるのは、俺らのことを知らない人が断然に多い分、それがチャンスだとも思っていて、挑戦者の気持ちで今年も頑張りたいです。
まずは目の前のことを全力でやる
── アルバムをリリースして、ツアーもけっこう回りますね。
山下:20本です。
── 東名阪はワンマン。対バンはどんな方々が出るんですか?
山下:LEGO BIG MORL、Lyu:Lyu、真空ホロウ、ircle、シナリオアート。今回は年齢が若いバンドも多いよね。
高津戸:あとasobius とかLAID BACK OCEAN、鶴、Rhythmic Toy World。基本仲が良いバンドです。
渡辺:福岡の、彼女 in the displayというバンドは僕の個人的な知り合いで。
── 2ヶ月間はツアーで出っぱなしですが、このツアーで手に入れたいものとかってどんなものがありますか?
高津戸:最初に言ったように、このアルバムタイトルに思いを込めたように同士を集めたいですね。僕らのことを初めて知る対バンのお客さんにも輪を広げていきたいと思っています。それと全部ソールドアウトさせたいですね。
山下:とにかく売り切りたいです。
── 全国ツアーの楽しみってお客さんに会えるとかライブが出来る以外だとどんなことがあげられますか?
岡田:各地の食べ物も楽しみですね。
山下:それと、その土地の愛してくれてるイベンターさんとかに会えることとか。年に何回かしか行けないから。
── 年内の目標ってあります?
高津戸:かっこ悪いですけど、目の前のことに全力でしか出来ないですよね。ツアー全会場ソールドアウトに出来るようになりたいし、そういうことしか考えてない。目の前のことをやって、あとは曲を書いて、次に繋げられたらなと思ってます。簡単にテレビ出れますというバンドではないので、DIRTY OLD MENを面白いなと思ってくれる人たちをもっと増やしていきたいですね。
── ちょっとずつだけど進んでいるように見えてますよ。
高津戸:進んでいるとは思いますけど、僕らは悶々としてるというか。
山下:ちょっとじゃ満足出来ないんですよ。
高津戸:悔しいですから。
山下:今年中にzeppでワンマンをやりたいし。
高津戸:結局上に上がっていかないと続けられないから。ただ続けるだけには価値はないと思っていて。全国各地でお客さんが待ってくれるという状況は本当にありがたいから、その分努力しなければいけないと思っていて、それが僕たちの任務なのかなと思います。
── わかりました。では、最後言っておきたかったことがあったらお願いします。
高津戸:じゃあ、最後は雄司にお願いします。
渡辺:『Blazing』は、今の自分らが出来ることを全部詰め込んだアルバムなので、それを聴いてライブに来てもらえたらと思います。
高津戸:楽しくやるためにね。僕らも頑張って。
渡辺:みんなを楽しませるために頑張りますので。
高津戸:ただ、わかって欲しいのは、僕らはステージに立ってるけど、みんなと同じなんだよってことですね。同じように戦ってるから聴いてくれる人に寄り添えるようなアルバムを書けるんだよってことをちゃんと伝えていきたいです。
DIRTY OLD MEN – 夜空のBGM(MUSIC VIDEO)
http://youtu.be/Q2nrmUWEdQI