小学校からの幼馴染コンビ、クレオパトラ。5月31日に、日本初となる参加体感型ゲーム『仮面Xの悲劇〜舞踏会殺人事件、はじめに桑原が死ぬ参加型推理芝居。犯人を見つけるのはアナタ達だ!〜』を横浜市開港記念会館にて開催する。自分たちで積極的に作り上げるイベントへの行動力はかなり迅速で刺激的。今後何を仕掛けてくれるのか、非常に楽しみで目が離せない。(interview:鈴木 恵/Naked Loft店長)
昔から変わらぬ関係性
──積極的にライブやイベントを開催しているイメージですが、動くようになったきっかけはありましたか?
桑原:最初の頃は、なかなかライブとかやらせてもらえなかったな。
長谷川:芸歴4年目くらいの時に、今もお世話になってる先輩のMさんに初めて会って、戦略の話とかを聞いたんです。そこで、ただネタをやってるだけじゃないことを知って、やり方を変えてみた感じですね。そこから自主的なライブをやったり、路上ライブもしてました。
──コンビの関係性や役割はどのような感じですか?
長谷川:僕が上司で桑原が部下みたいな感じですかね。
桑原:社長と事務員みたいなイメージです。
長谷川:最初は桑原の方がしっかりしてたんですけど、途中から全然何もしなくなっちゃって。飽き性なんですよね。
桑原:信頼ですよ! 信頼してるということですよ。
長谷川:桑原もネタを書いてたんですよ。僕が書き出したら僕の方が誉められるようになって。誉められたい奴だから、たぶん悔しくてもう飽きちゃったんでしょうね。
──学生時代はどんな感じだったんですか?
長谷川:関係性はあんまり変わってないですね。中学校のバスケ部で一緒でしたけど、スラムダンク全盛で人数がメチャクチャいたんで、全然レギュラーには入れなくて。ベンチの人たちを笑わせてたんですよね。そこで漫才みたいなことをやったりとかしてて、芸人になろうかって思い始めました。
桑原:高校は行ったものの、中学生の時に面白い奴が多かったから、周りの奴がつまんねーな、みたいになってました。今思えば、思春期特有の感情で楽しもうとしてなかっただけだと思うんですけど。長谷川と会って、バカな話するのが好きでした。そっちの方が楽しかったです。
──そこから桑原さんが高校卒業するのを待って芸人になってからはどんな感じですか?
桑原:ライブは会社から言われたイベントしか出てなくて。ただ仕事を待ってるだけの状態でした。
長谷川:それで、4年目の時に、先輩に言われたのをきっかけに、先の目標を決めて一歩ずつライブをやろうかと、動くようになりました。
一風変わった子供時代
──ネタは主に長谷川さんが書いてるんですか?
長谷川:そうですね。でも僕がこんなの作りたいって言って、一緒に喋りながら作るって感じです。一人じゃ作れないんです。桑原に居てもらって喋るっていう感じです。まぁ、全然案は出さないですけど(笑)。
桑原:聞き役として居ます。居るだけで違いますからね! そこは。
長谷川:百回に一回くらいは、すごい良いこと言うんですけどね。
──長谷川さんは常にネタとか考えてるタイプですか?
長谷川:そうですね。でも、最近ネタは何も考えてないですね。脚本とかの方を考えちゃいますね。お笑いのことは毎日考えてますけど。僕、趣味がないんで。
──桑原さんは割と趣味が多いイメージですが。
桑原:そうですね。アニメ観て、ゲームやって、犬と遊んで、彼女と遊んで(笑)。
──桑原さんは私生活見えますもんね。長谷川さんは生活感があまりないですね。
長谷川:私生活は普通に…僕も自分で思い出しても何やってるのか分かんないです。今日は八百屋行って、野菜をいっぱい買ってきました。自炊とかはしてますよ。テレビもそんなに見ないですし、漫画も読まなくなっちゃったし、本もあんま読まないし…何してるんですかね?(笑)
──5月17日にネイキッドロフトで開催の『妖怪芸人夜話』にも出演してもらいますが、妖怪は昔から好きだったんですか。
長谷川:そうですね。水木しげる先生が好きなんで。小さい頃の写真は、ちゃんちゃんこ着て下駄履いて写ってたりしてます。
──絵のイベントも開催してましたが、小さい頃から描いてたんですか?
長谷川:絵はずっと描いてましたね。でもなんか、変わってて。幼稚園の頃の写真がいっぱいあるんですけど、全部僕が写ってないんですよね。自分のおもちゃだけを撮ってるんです。動かして自分の中でストーリーを決めて、いろんなアングルから撮ってるんですよね。多分僕の中で話を決めてたんでしょうね。
桑原:幼稚園の頃とかなら、普通自分を撮らせますよね。
長谷川:あとは、親のビデオカメラ借りて、自分で自分を撮影をして一人何役も演じて、みたいなことをずっとしてました。
──それはかなり変わってますね。
長谷川:親が、僕が興味を示したものは絵でも写真でも、何でもやらせてくれてました。それで、お笑いのことも、やりたいならやりなさいっていう感じで背中を押してくれました。
桑原:子供をほったらかしに育てたらこうなるっていう見本ですよ。みんなそういうものをそぎ落とされて良識のある大人になっていくじゃないですか。だから人間をつまらなくしているのは、大人なのかもしれないですね。
長谷川:お前はどのポジションでモノ言ってんだよ!
桑原:本当は面白い発想をみんな持ってたのに、それをそぎ落とされてしまっただけだと思う。そうされなかった選ばれし人間が、こういうふうにクリエイティブな仕事をするのを許されるということなのかもしれないですね(笑)。
──ストーリー的なものも小さい頃から作ってたんですか?
長谷川:小学校の頃からずっと、漫画家目指してマンガを描いてました。桑原が高校行ってる間、お笑い芸人になると決めたけど、あいつすぐ裏切るから今後は分からないな、と思ってましたし。
桑原:おい! そんなこと思ってたのか。
長谷川:マンガはちゃんと投稿もしてました。桑原も読んだことありますよ。
桑原:気持ち悪いなと思いましたよ! 紙に顔が描いてあって、その紙が喋り出すみたいな、全然よく分かんない話で。なんかふわっとした感じで、終わって爽快感もなくて。
長谷川:新聞紙が風に飛ばされて、全世界を旅するっていう話ですよ。最終的には落ちてきて、拾われたと思ったら人間がみんな新聞の顔してるという超怖い終わり方でした(笑)。あとは、太ってる少年が恋をして、贅肉と会話しながらダイエットしていくっていうマンガもありました。ダイエットしていくと最終的にお別れしないといけないんですよ、贅肉と。
桑原:気持ち悪い主人公ばっかりだな。
──(笑)でも、発想やイメージは今に通じてるものがありますね。
長谷川:昔見たものが強いですかね、なんか。18〜22才の時に観たもの、好きなものが印象強くて、それを使ったりとかしてます。それと、人を観ているのが好きなので、こういう人いるよねとか、こんなの聞かされたら嫌だなとか、自分の嫌な面とかをキャラクターにして書いたりします。