見せ方も意識するようになった
── では、ボーカル以外に今回の作品でここは聴いて欲しいというものがあったら教えて下さい。
大森:ギターは、前作ではレコーディングの時に1人パソコンに向かってスペースキーを押して自分で録音していたんですけど、今回はプロデューサーの方が付いてくれて、いろいろ教えてもらったり、ダメ出ししてもらったりして、すごく良い経験が出来たんです。聴きどころとなると…『モノクロ』のイントロでサビがシンセっぽく聴こえるところがあるんですけど、実はギターで弾いているんです。16分でガーッと弾いていて。
── 手が痙攣を起こすぐらい?
大森:中学の時にバスケをやっていて、100本ダッシュをしたんですけど、それに近い感覚がありましたね。
── 例えがよくわからないんですけど、大変だったってことは伝わりました(笑)。『feel』の後半に入っているじっくりと聴かせるギターソロも良くないですか?
大森:そこはギター的な意味では気に入ってますね。録る前日に家で考えたらテンション上がっちゃったぐらいで。
── ドラムだと自分の聴きどころみたいなものってどんなところですか?
山崎:『ソラリス』の時はかっこいいドラムを入れてやろうというのは思っていたんですけど、最近は歌が良く聴こえればというのが強くなってきたので、ここはドラムで見せてやろうというのはあまりないですね。
── リズム隊としてバンドを支えるというか。
山崎:気持ちはそうです。前に比べて自己主張が減って来ている気がします。僕と福山はそうだと思います。
福山:気持ちの変化ですね。
山崎:でも大事だよね。ライブの時はドラムは後ろなので目立ちたいとは思いますけど、レコーディングは良いものが出来るのが一番だと思っているので、そうやって少しずつ大人になっていくんですよ。『少年シンドローム』のように。
── 山崎さんと大森さんは前作リリース後に大学を卒業したばかりですし、そうやって大人になっていくんですね。では、ベースだとどこですか?
山崎:『e.a.e』のAメロですね。
福山:『e.a.e』のサビ前はかっこいいと思います。それと、『モノクロ』のサビはかっこいいと思う。ルートをずらしているところがあって、そこはこだわってます。
── ライブではこれから演奏していくんですか?
児玉:はい。このアレンジになってからはほとんどやっていなくて、今練習中なので10月からライブでやっていこうと思います。やっぱり音源に近いものを再現しようと思うと難しいんですよ。
大森:今回の作品は鍵盤をけっこう使っているから、それをどうやって4人のアレンジにするかというところで試行錯誤しています。
── ライブはライブ用のアレンジで?
福山:特にもりし(大森)はそうですね。
── アレンジが緻密に練られているから、そのまま再現するのは大変かもしれないですね。
山崎:アレンジはみんな性格が出ますよね。特にもりしは神経質なんです。神経質の順番で言ったら、1番がもりし、2番が僕とまさはるで、児玉くんは4番(笑)。
児玉:歌はこだわりますけど、楽器のことはあまりよくわからないんです(苦笑)。
山崎:歌以外は特に何も言わないんです。それがお互い良くも悪くもなんですが(苦笑)。
福山:出来上がった音を聴いて、僕たちはもうちょっと何とかならないかなって言うんですけど、児玉くんに「どう?」って聞いても「全然わからん」って(笑)。
── 全員細かかったらそれはそれで大変ですよ、きっと。4人が良いバランスだということですね。
山崎:みんながシビアだったら収拾つかないし、みんなダメでも収拾つかない。
── 話が少し変わってしまうんですけど、最近大森さんはライブ中に良い顔をして演奏してますね。前はもっと表情が固かったなって思ったから。
大森:お客さんに「サイボーグみたい」って言われて気にするようになりました。
児玉:前に比べたらだいぶ良くなったよね。
── ライブの見せ方も考え始めているところですか? 前のインタビューでは「まだまだこれからです」言っていましたが。
大森:ライブの構成もちゃんと考えるようになりましたね。
── セットリストも、ここでこういう盛り上がりをして、とか考えたり?
児玉:CDを聴いてライブに来てくれる人も増えたし、前から来てくれる人もいるし、この曲をやったらお客さんが楽しんでくれるなとか、この曲はしっとり聴いてくれているなというのがわかりやすくなったので、ライブの緩急みたいなものはつけやすくなりましたね。それはお客さんのおかげなのかなと最近感じます。
── ライブを意識した曲作りは増えてきます?
児玉:そういう曲も作りたいなと思っているんですけど、考えすぎちゃうと曲が出来なくなりそうなので、今はまだ自分が歌いたいこととか思っていることとか、こういう曲をやりたいと思ったものを作るという感じですね。
── もう新しい曲は作り始めてますか?
児玉:作ってはいるんですけど、納得の行く歌詞がなかなか書けなくなってしまっていて。自分たちでハードルを高くしているのかもしれないんですけど、それぐらい思わなきゃダメだなって。だいぶ意識が変わりました。
期待を裏切らないライブをしたい
── 今回はリリースしてインストアも含め、東名阪と福岡でライブが決まっていますね。福岡は初めて行く土地ですか?
福山:ライブハウスは初めてです。
── 車で行くんですか?
児玉:たぶん車で行きます。
── 先日シェルターでライブをやった時、みなさんだけ機材の搬出がなくてひたすら打ち上げ開始待ちという状態になってましたが、ギターとかベースとかそういう楽器以外はだいたいライブハウスのものを使っているんですね。
大森:まだ自分のアンプを持ってないんです。でも、最近イベントでいろいろなバンドと対バンさせてもらうと、みなさん機材の量がすごいですし、僕らは下手したら高校生バンドよりも少なかったりしますから、ちょっとだけ恥ずかしくなってきました(苦笑)。
── では、いろんなところで楽しみに待っている人がいると思うので、作品に対して、ライブに対して一言ずつ頂いて締めたいと思います。
大森:今回福岡に行くって情報が出た時に、ようやく来てくれるという人が多かったんです。楽しみにしていて欲しいし、良いライブをしたいなと思います。どの土地もそうなんですけど、いつも行けるわけではないから、楽しみにしてくれている人たちの期待を裏切らないライブをしたいですね。なおかつもっとたくさんの人に聴いてもらえたらなと思います。
山崎:僕ら4人だけじゃ良い演奏をしても良いライブが出来るとは限らないので、温かく迎えてください。一緒に良いライブを作りましょう。よろしくお願いします。
福山:大阪は2回目ですが、福岡は初めて行く場所で、初めてライブを見てくれる人も多いと思うので、これからよろしくねとはじめましてという意味を込めて、良いライブを見せたいし、やりたいと思います。CDでしか聴いたことがないという人ばかりだと思うから、どんなライブをするのかなと気になってくれている人もいると思いますし、自分たちも納得が出来るライブがしたいですね。
児玉:今回のアルバムは今の自分らに出来る全力が詰まったアルバムになっているので、しっかり聴いてもらって、ライブでみんなでたくさん楽しめたらと思います。歌詞を聴いてもらうと、僕たちの熱気が伝わると思いますので、ライブでもしっかり歌詞を届けられるように演奏したいと思います。歌の力で感動して欲しいなと思っています。よろしくお願いします。