Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューHalf-Life(web Rooftop2013年7月)

下北沢シェルターレーベル“SHELTER UNITED”第1弾!
Half-Life待望のリリース&ツアー “赤○急上昇 2○13″へ向けて

2013.07.07

 1年半ぶりのリリースとなるHalf-Lifeが、リリースと同時に発足した下北沢シェルターが立ち上げたレーベル"SHELTER UNITED"へ所属することを表明、そして7月10日にシングル『○』をリリースする。メジャーを離れて1年半、彼らの成長と新しくなったスタンスを見せつけるべく、7月12日からはシェルターを皮切りにレコ発ツアーが始まる。
 1年半の時間を経て、気持ち新たに再始動した彼らに作品のこと、ツアーのこと、そして今の思いを訊いた。(interview:やまだともこ/構成:平野 風)

“SHELTER UNITED”所属へ

──今回シェルターレーベル“SHELTER UNITED”からのリリースとなりますが、これは以前からあったお話だったんですか?

岡村 健人(Ba,Vo):無かったです(笑)。自主で6月にCDを出す予定だったんですが、シェルター店長の義村が5月くらいに「レーベルをやろう!」と声をかけてきて、いろいろと検討した結果、「じゃあ、やろうか」という形で話が始まりました。

── 去年はシェルターで3ヶ月連続企画があったり、今年2月にはワンマン、そして上里さんの弾き語り等、凄くお世話になっています。その関係性もあり、新しく立ち上げたレーベルからCDをリリースする形になったと思いますが、そこからお互いレコーディング作業に取り掛かって行ったんですか?

岡村:いえ、何せ義村さんは「シェルターでレーベルを立ち上げる事を誰にも許可を取ってないから、そこから始めないといけない」と言ってましたから(笑)。それでお互い動き出し、無事にレーベルが立ち上げ、「じゃあやりましょう」といった感じでした。

── 色々順番がおかしいですね(笑)。

一同:色々順番おかしいんです(笑)!

── 社内の私ですら、つい先日レーベルを作ることを聞いたぐらいで、相当驚きましたよ(笑)。ところで、今作のリリースに至るまで、1年半ほどリリースが空いてますが、その間はどんな時間を過ごしていたんですか?

岡村:結構普通の感じですよ。皆様のご想像通りだらだらしておりました(笑)。曲作りもしていませんでしたし、練習もあまり出来ていなかったんです。去年の5月にメジャーをやめたんですけど、その時に「やばいな、やばいな」って焦りが出てきて、自分たちで決めて動くしか無い!と思い、6月にアルバムを出そうか、その次にはフルアルバムを出そうかと動き出したんです。「自分たちで積極的に動く」という事でモチベーションを上げるようにしていました。なかなか曲が出来ないっていう焦りもあったのですが、そんな中、みんなでギリギリまで粘って集中したら思いのほか良いものが出来たんです。それが、この『○』で、今はみんなで喜んでいる状況です(笑)。

── 作品が出来た当時から「良いものが出来た」という実感があったんですか?

福島 有(Dr,Vo):6曲あって、僕自身はその中から最後まで選曲を迷っていたんです。それで、レコーディング3日前くらいから全曲手直しをしてレコーディングに臨み、出来上がったら思いのほか良いものが出来上がってきたという感じです。

岡村:でも、とにかく焦りがありました。曲は作っていたので、PCに打ち込んで色々手を加えられるけれど、メンバーのスケジュールが全然合わなくてスタジオに入れる時間が以前よりもずっと少なかったんです。だけど足踏みしてたらどんどんお金もかかるし、曲も作ってあるんだから出さない訳にもいかないし、じゃあ夜中もスタジオに入ろうってことになって、ようやく満足のいく1曲目の『FAINT』が完成した訳ですが、ギリギリの作業だったので、ひょっとしたらとんでもない駄作になっていた可能性もあるような危うさもありました。まさに、「薄氷の上を進むバンド?」です(笑)。

── この『FAINT』は上里さんの作詞作曲ですが、アレンジの作業は大変でしたか?

上里 洋志(Vo,Gt):骨組みは作っていたので作業自体は問題なかったです。出来としても自分の中で良いものになると思っていました。ただ、バンドでアレンジや手直しをして行くと、初めに自分が描いていたものと違って出来上がることもよくある事なのでそういう点は不安でしたが、最終的に出来上がった作品を改めて聴いて、満足のいくものに仕上がったと思っています。

── 1年半ぶりのリリースですから、お客さんもより期待しているでしょうし、何より自分たちが一番納得出来るものにしたいという思いは強いですよね。

上里:これからのバンドの方向として、どのように自分たちがアプローチしていくかという点はメンバー間でもちろん差があったりして、合致させるのは難しい作業でしたね。曲は書きだめしていたのですが、あえてメンバーには見せていなかったりもしたんです。それは、方向性が定まっていない状況で自分の曲が着地点を見据えず駄作になるようであれば出す意味がないと思ったので。その中で集中し、方向性が定まって作品が出来上がり、今回は良い方向に進むことが出来たと思います。

── 今回の作品は以前の作品に比べると、「音が確信を持って鳴っている」というような、バンドが進もうとしている方向が見えた上で出された音だと感じましたが、先ほどおっしゃっていた上里さんの着地点とはどのようなものですか?

上里:メジャーで教わったことや周りの評価など、いろいろな意見があって試行錯誤する点はあったのですが、原点として、「自分勝手な音楽がしたい」、そしてたとえ人数が少なくても自分たちの楽しんでいる音楽を認められたい、自分と同じ感性で認めてくれる人を増やしたいということです。自分たちの感性とは違う人に無理に押し付けるということをしなくなりました。

── 昔はもっと色々な人が関わってくれる分、色々な意見があったでしょうし。

上里:その意見に真剣に耳を傾ければもっとたくさんの人が聴いてくれるようになるし、バンドとしてもステップアップ出来るんじゃないかと思っていました。でもそういった意見に押し付けられている部分や、背伸びしすぎていたところも少なからずあったと思うんです。そこから、自分たちの原点であるスタイルに戻り、改めて「音楽をやるということ」は生活の一部であって、生活の一部に音楽があることが幸せなのだと今は再び感じています。

── 自分が一番自信の持てる状態で、そして一番納得のいく形で今回の音源を出すことが出来たという感じですか?

上里:そうですね。今までは「まわりの意見を聞いてた上で」だったのですが、今回はあくまでひとつの参考でしか聞かなくなりましたね。「こういう意見もあるけど、僕はこういう思いで作ったからこうなったんだ」とはっきり言えるようになりました。

──そう思えるようになったのも、メジャーだったりの経験があったから、というのもありますよね?

上里:だからこそ、今の少し緩いくらいのスタンスが自分たちに合っているというのもわかったという感じもあります(笑)。


自分たちのスタンスから生まれた曲

──『○』は本当に3曲とも耳ざわりが良く、すんなり入って来ますね。さっきお話にあがった『FAINT』もそうですし、2曲目の『right away』もとても聴きやすくストレートでポジティブな歌詞が印象的でした。『right away』の作詞は岡村さんですが、どのような思いを込めて歌詞を書かれたんですか?

岡村:言い出したらきりがないんですが、地元の友達を想っての事だったり、もんもんとしている毎日から抜け出そうぜという気持ちだったり、そういう感情が自然と出てきて、それだけを描いた感じです。

上里:僕もそうなんですが、人間って自分の持っている理想像を歌に反映させるらしいんですよ。岡村の場合、本当はネガティブな部分があるので、なりたい自分というのを歌詞に反映させているところもあると思います。僕自身も、隠れている暗い部分が歌詞で出たりしているとまわりの人から言われたりするんですよ。

── なるほど。でも、岡村さん作詞だからとか、上里さん作詞だからとかではなく、3曲とも違和感なくすんなり曲が入ってくる感じでした。

岡村:昔から3人でそういう作業をやっているので「Half-Life」として違和感が出ないように成り立っているんだと思います。ちょっとはずし過ぎたフレーズがあったりすると遠慮なく言われますもん、「気持ちが悪い!」って(笑)。

── 結構はっきり言うんですね(笑)。

岡村:言われますね。「なんかだせぇよ」とか「リズムが合わない」だとか遠慮なく(笑)。こういうことを言い合えるというのもバランスのいいメンバーなんだと思います。

── バンド結成時から何年目でしたっけ?

岡村:7年目ですね。こっからですね!


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Half-Life
ep single 『○』

LOCS-1 / 1,050yen (tax in)
2013.7.10 release
SHELTER UNITED

TOWER RECORDS 1,000枚限定販売

1. FAINT
2. right away
3. Anny
4. FAINT (instrumental)
5. right away (instrumental)
6. Anny (instrumental)

LIVE INFOライブ情報

Half-Life『○』release tour"赤○急上昇2○13"

07.12 下北沢SHELTER(ワンマンリリースパーティー)

OPEN 18:30 START19:00
前売り 2,800 / 当日 3,300
<プレイガイド>
イープラス、Lコード:73092

07.19 鹿児島SR HALL
07.30 千葉LIVE SPOT LOOK
08.09 大阪/心斎橋VARON
08.10 香川/高松DIME
08.11 徳島GRINDHOUSE
08.30 群馬/高崎CLUB FLEEZ
08.31 宮城/仙台MACANA
09.08 長野/松本Sound Hall a.C
09.09 愛知/名古屋CLUB UPSET
09.13 札幌Sound Lab mole
09.14 札幌Spiritual Lounge

-『○』release tour"赤○急上昇2○13"tour final-
09.22 渋谷QUATTRO(ワンマン)

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