宇宙からのインスピレーションとジャンルにとらわれない奔放さで、人間の持つネガティブな面をポジティブなメロディーに換えて演奏する385が、初のフルアルバムとリリースツアー、そして5月16日に自身初となるワンマンを下北沢シェルターにて決行する。
今回はそのワンマンに向けた意気込みや、5月8日にリリースされるニューアルバム『人間』について、MIYA (Ba/Vo)と蓮尾理之(Key/Cho)に話を聞いた。(interview:平野風/下北沢SHELTER)
新体制になってからの初音源1stフルアルバム『人間』
── 1stフルアルバム『人間』の発売決定、そしてリリースツアーおめでとうございます。
MIYA:ありがとうございます。
── キーボードの蓮尾さんがメンバーに加入されてから初の音源作品ですね。
MIYA:そうですね!蓮尾君が入って大分音が変わりました。より宇宙に近づけるってワクワクしています(笑)!
蓮尾:前のキーボードのJUN君が僕の経験してこなかったジャズピアノ出身だったので、僕に代わってそれが大分変わったのかなと思います。
MIYA:前からキーボードの正式メンバーが欲しかったのですが、なかなか見つからなかったんです。それで、前から凄くいいなと思っていた蓮尾君が今回正式加入してくれたことで、今までサポートをやってきてくれたメンバーのみんなが「本当によかったねー!」って言ってくれました(笑)。
── そして今回のアルバムのジャケットは「SOIL」や「BAMBi」でも有名な漫画家の「カネコアツシ」さんが手がけたジャケットだそうですが、どのようなイメージでお願いしたのですか?
MIYA:まず曲を聴いて頂いて、今回は『人間』というアルバムのタイトルで、人間の内面を描いているということを伝え、あとはカネコさんにお任せします! という感じでジャケットを描いてもらいました。
── このイラストは「鬼」ですか?
MIYA:いえ、どこかの国の神様だと言ってました。
── どこかの(笑)。
蓮尾:ポジティブな意味の神様でした。確かそんな感じのことをおっしゃっていたんですが、名前は難しくて忘れてしまいました…。
──ちなみに左下に描かれた人間はどこの国の人なんですかね。
MIYA:クレオパトラっぽい何か?
蓮尾:クレオパトラで大丈夫です(笑)。
── このジャケットの神様のイメージからは人間を脅かしているように見えたんですが、ポジティブな神様ということは人間たちに「よっ!」って声かけてる感じですかね?
MIYA:そんな感じ?? かも(笑)。
蓮尾:負のイメージではなく陽性なイメージです。
蓮尾ファンに是非聴いてほしい超絶ソロ
── では今回、アルバムの聴きどころ、お勧め曲などがありましたらお願いします。
蓮尾:うーん、1曲目に収録されている『人間』は新しい試みだと思います。
MIYA:ライブの前に何か演奏したいなと思っていた時に、初めは曲だけあってお風呂に入っていたら歌詞が浮かんで来たんです。それで、こんな風にラップを唄ってみようかなぁと。出来上がったらラップじゃなくただのつぶやきじゃん! と(笑)。
── ライブが始まる時のオープニング曲として取り入れていける曲ですね。
蓮尾:もともとはインストでやっていた曲だったんですけど、ラップが入って楽しい曲になりましたね。
── アルバム全体の曲のタイトルを見て、コンセプトアルバムであるようにも感じましたが。
蓮尾:そういうわけではないのですが、元々フルアルバムはコンセプチュアルであるべきだと思っているので、本当はイントロがあってアウトロがあるものにしようとも思っていました。間にSEなんか入れても面白いと思ったんです。そういう大袈裟なアルバムが結構好きなので。
── 385主催のライブイベントタイトルの『極端な人達』も収録されていますね。
MIYA:前からある曲だったのですが、タイトルが違ったんです。この曲は『極端な人達』ってタイトルですけど、私たち普通ですし…(苦笑)。ただ、誰の中にも極端な感情ってあると思うんですけど、それをプラスに働かせることが出来るようなイベントというのがイベントのコンセプトとしてあって、それをこの『人間』というアルバムに入れたかったんです。
── 2曲目の『サーチアンドデストロイ』はタイトルが印象的ですね。
MIYA:この曲は蓮尾君が入ってからセッションをしながら組み立てた曲で、蓮尾君のソロが最高の曲です(笑)。蓮尾ファンに是非聴いてほしいです! このソロは一緒に演奏してもやばいですね。上がるソロです!
── 曲名が一番長い『真っ赤に燃えている太陽が落ちるのを見ていた』という曲について想いがあったら教えていただけますか?
MIYA:私は沖縄の出身なので、日々暮らしていると沖縄に帰りたくなることがあって、そういう気持ちを歌詞にしています。それぞれ人生に目的があって、地元を離れて暮らしている人も多いと思うんですけど、その中で焦ったり、どうにもならないことっていっぱいあると思うんです。それを慰めている曲というか、真っ赤に燃えている太陽があって、それを見ている自分に対しての想いをタイトルとしてつけさせてもらいました。
──『精神を破壊する価値』という曲名はずいぶん変わっていますが、タイトルを見ただけでどんな曲か興味をそそられますね。
MIYA:今は何をするにも簡単な時代だと思っていて、そこに依存している自分はダメな人間なんですが、みんなで頑張って行こう! という曲です。デス声とかを出して暴れているとネガティブなイメージをもたれるのですが(笑)、ネガティブな感情も良い方向にコントロールできる、それが“精神を破壊する価値”だと伝えたかったんです。まあ、とにかく蓮尾君のキーボードを聴いてほしいですね、これキーボードなの? なにこれ? みたいな感じになると思いますので(笑)。
蓮尾:言葉自体はネガティブなものが多いですが、自分の中にあるネガティブさを認めてポジティブにしていこう! というアルバムです。
MIYA:たまに「壊せー!!」みたいな、追い詰めてる曲もあるんですが(笑)、そういうのも含めて前進したいという気持ちを出したかったんです。
リリースツアーに向けて
── そして、来月よりリリースツアーが始まりますね! ツアー初日の5月16日のシェルターが初ワンマンだそうですが、ワンマンが初めてとは意外ですね。
MIYA:そういえば! という感じもします。
── このワンマンに対しての意気込みはどうでしょうか?
MIYA:かたまりみたいになって、宇宙的に行きたいですね! 凄い楽しみです!
── 宇宙という言葉をよく使われますが、そこに対しての想いというのは?
MIYA:宇宙に対しての想いが強いんですよ。バンド名の385もここから来ていて、宇宙の法則である3と5と8でつけたんです。あ、でもそこに宗教的な意味合いなどはありません(笑)!
── このツアーを通して成し遂げたいことは何かありますか?
MIYA:もっとみんなと仲良くなりたいと思います! 今でも仲は良いですけど、もっとツーカーに、音も含めて分かり合えたら嬉しいです。今回は初めての九州ツアーもありますし。以前サポートをやってくれていたメンバーがやっているバンド2組(URBANフェチ / 打首獄門同好会)と九州をツアーで回ってきます。ピクニックみたいに、仲が良い人たちと東京から向かう感じです。
──お客さんも楽しみでしょうね。
MIYA:そうですね。うちらのテンションも上がるのでそれを見て楽しんでくれると思います。
──ツアー以降の流れは決まっていたりしますか?
MIYA:まだ特には決まってないのですが、385の日(13/08/05)には何かやるかも! という感じですかね(笑)。
蓮尾:何だかんだ前回のアルバムから2年半経って、僕も加入したことだし、活動を緩めちゃいけないなという目標はあります。なので、このツアー中も新曲を作らねば! と。またフルアルバムを出したいですね!
── では最後に、このアルバムを聴いてくれる皆さんに向けてメッセージをお願いします。
MIYA:CDが売れない時代と言われているので、聞いてもらえるだけでも嬉しいんですが、良いと思ったらぜひ買って下さい。一緒に踊ったりして溜まってるものを吐き出せるきっかけになってくれたらと思います。また、聴いてくれる中でキーボードを弾いてる人がエフェクターつないで蓮尾君みたいに演奏するきっかけになったり、チョッパーを始めてくれたら面白いですね(笑)。是非楽しんでもらえたら幸せです!