“ムード歌謡コーラスグループ”改め“歌謡コーラスグループ”の純烈です
── その振付は、ライブやMV等で拝見しましたけど、今作ではかなりアグレッシブになりましたよね。ムード歌謡ってあんなに踊るんだって思いました。
友井:今回はプロ振付師の方にお願いしたんですけど、すごく激しいですよね。ムード歌謡というよりは、ジャンルが変わってきてるなと思います(笑)。
酒井:前は純烈を紹介する時に“ムード歌謡コーラスグループ”と言ってましたけど、日本クラウンさんに移籍してからジャンルを広げたいという意味もあって、“歌謡コーラスグループ”に改めたんです。ムード歌謡の定義自体がそもそも難しくて、何をもってムード歌謡とするかわかりきれないところがあったんです。でも言い得て妙でムード歌謡。ジャンル自体は確実に存在していて、たまたま誰もやらないタイミングを見計らって僕らがムード歌謡をやり始めたんです。
── ちょうど席があいていたというか。
酒井:長くあったみたいですね。
友井:実際今回の作品を聴いてどんな感じでしたか?
── もともと演歌が私の原風景のひとつでもあるので、すんなり入れたんですけど、歌っている方の年齢が自分に近い分より取っつきやすい感じがしましたね。それに、演歌もムード歌謡も自分よりも上の世代が楽しむものというイメージがあるんですけど、曲調はアップテンポですし、聴きやすいしノリやすい。好き嫌いはもちろんあると思いますけど、もともと歌謡曲を聴いて育った人には受け入れやすいと思いました。
酒井:僕らぐらいの世代だと歌謡曲を聴いて育った人がほとんどだと思っています。ムード歌謡って悪い言い方をすると一旦終わったジャンルで、昔からあるネタを引き継いでいくもの。この世界では『ラブ・ユー東京』(※1966年にリリースされた黒沢明とロス・プリモスの作品)が世代を超えて歌い継がれていますけど、それを僕らが表現することでちょっと間口を広げられるような気がしています。
── 『恋は青いバラ』の歌い出しの“Get you!”もみんなで踊れますし。
林田:キャッチーになりましたよね。それがやりたかったんです。
── また、今回は衣装がずいぶんと派手になりましたが、そのキラキラとした衣装にもコンセプトがあるんですか?
小田井:もともと『涙の銀座線』も『キサス・キサス東京』も衣装が地味だとずっと思っていたんです。
── 『涙の銀座線』も『キサス・キサス東京』もスーツが基調でしたね。
小田井:最初から今回のような衣装でやりたかったんだけど、予算的やらいろいろと無理があって。それで、『キサス・キサス東京』あたりから定期的に自分たちでライブをやるようになり、健康センターとかご年配の人が多い場所でやることも増えたんですけど、今までの衣装だとみなさんが普通に歌を聴いている感じ。でも、それぞれがソロ曲を歌う機会があって、自分のソロの時に突拍子もない派手な衣装で出ていったら客席がすごく盛り上がったんです。その時にご年配の方は派手なものが好きなのかなって。それで、今回は絶対に派手な衣装が良いって言ったんです。
酒井:それで、友井くんが舞台に出た時に、昭和からの素晴らしい振り付け師であり、こういう衣装を作れる方がいらしていて紹介して頂いたんです。この格好で街を歩くと確実に振り返られますけど、ステージに立てばお客さんが喜んでくれますし、これがエンターテインメントには大事なことで、衣装をお願いしてよかったなと思ってます。
小田井:青と白の衣装に関してはリーダーと相談して決めました。白川くんはメインボーカルだから白を着て欲しいと思っていて、達也も若い子に人気があるから王子様的な白を。僕と酒井くんは体が大きいから白を着るとさらに大きく見えちゃうから青で。あと、友井くんと後上くんのどっちを白にするかという話で。
酒井:花のない後上に花を持たせた。みなさん想像してくださいよ。友井さんが白を着て後上さんが青を着たら、後上さんのいる意味がないじゃないですか。それぐらい彼は地味なんですよ。
友井:そんなことないよ(苦笑)。
小田井:衣装に関しては、昔デビューされてるムード歌謡の方達の中でもこんな派手な衣装を着てる人たちはいないと思う。僕らかっこいい言い方すると、ムード歌謡をやりながら、見た目はグループサウンズのテイストを取り入れようとしているんです。でもなまじ楽器ができないから踊りながらやってますけど、いろんなものを足してやったらそれを受け入れてもらえたという感じですね。
結束していくしかなくなった
── ところで、今作『恋は青いバラ』ではそれぞれソロパートを歌われていましたが、これも初めての試みですよね? これまでは白川さんと酒井さんがリードボーカルで、4人がコーラスを担当することが多かったと思いますが。
小田井:リーダーはキャラ付けという意味でソロパートが欲しいと前から思っていたようですが、僕ら新人だし、そんなに歌がうまくないのに全員歌いたいですなんて生意気じゃないですか。そしたらクラウンに移籍して担当の方が逆に、ソロパートの提案をしてくれたんです。
酒井:芸能界のしきたりって、ちょっと古風なところがあるじゃないですか。僕らは演歌歌謡曲界に新人で入っているので、無礼のないように。アイディアは持っているけれど、それを相手にどう言わせるか。その感覚を掴むのに2年ぐらいかかりましたけどね(苦笑)。
── パート決めは?
酒井:ディレクターが決めてくれました。
白川:今回から“歌謡コーラスグループ”と改めてそれぞれがソロを執り、限られたフレーズでいかに表現していくか、どうお客さんに伝えていくのかも楽しんで頂けると思います。3枚目に関しては歌もどんどん良くなっていくと思うし、現に良くなっているから、これを機に4枚目5枚目とどんどん大きくなっていったら、純烈としてのグループの力がもっと上がっていくと思います。
── リードボーカルの白川さんは、前作以上に歌声にも艶も色気も増した印象を受けました。
白川:ムード歌謡って女性の気持ちを男性が艶っぽく歌うというのが基本となっていて、目標とする先輩もいらっしゃいますし、とにかくそういう人たちに引けをとらないように、日々鍛錬してお客さんに喜んでもらえるように一生懸命やってます。もともと役者をやっていたので歌に関しての技術的なものはよくわからないんですけど、どうすれば歌を伝えられるかを重視するようになったし、心で歌うということを意識してます。
── 「青いバラ」の花言葉を調べたら、“奇跡”とか“夢叶う”というものがあるそうで、このタイトルは改めての気持ちが込められてるなと思ったんです。クラウンさんに移籍して、もう一度歩き出した感じもありますし。
林田:3枚目ですけど移籍もしましたし、初心を忘れず、デビュー当時の気持ちで頑張ってます。
後上:夢を叶えたいですよね。実は『恋は青いバラ』の最初に頂いた時のタイトルは『覚悟を決めて』だったんです。3枚目に対する意気込みも“覚悟を決めて”そのものですね。
── 移籍してやりたいことがより明確になったというか、形になりそうだという感じはありますか?
友井:はっきりし始めたと言えばそうかもしれないですよね。
酒井:それもお客さんのおかげですよ。何度もライブに通ってくれて意見を言ってくれるし、だから成長出来ているし、やりたいことが明確になった感じはありますね。
── この作品は、前作と同様にまた1年かけてじっくり売っていくんですか?
酒井:まずはこのシングルのキャンペーンを一生懸命やって、その後どうなっていくかなって。でも年内にもう1枚は出したいですよね。