WHITE ASHが、3枚目のシングル『Would You Be My Valentine?』を2月14日のバレンタインデーにリリースする。バレンタインという特別な日のリリースだけに、これまでのWHITE ASHのサウンドとは少し異なる、やわらかく小気味良いサウンドで、バレンタインデーに告白する女性の目線で書かれた『Would You Be My Valentine?』と、エッジの効いたサウンドで、相手を必死に振り向かせようとする男性目線で書かれた『I Wanna Be Your Valentine』の2曲を収録。さらに、昨年秋に行なった初のワンマンツアーのファイナルとなった恵比寿リキッドルームでのライブ映像14曲を収録したDVD付き。CD2曲、DVD14曲、品番はRTC-214、お値段2,140円と、「214」にとことんこだわった作品だ。
昨年は、1月に初めてのワンマンを行ない、1stフルアルバムをリリース。その後各地フェスや初のワンマンツアー等で、バンドとして着実に力を付けてきた彼ら。今年はどんな活躍をして私たちをドキドキさせてくれるのだろう。
今回ものび太(Vo.&Gt.)に、曲の話、そして曲にちなんでバレンタインの思い出を含めて話を訊いた。(interview:やまだともこ)
新しいものを作るたびに何かしらのザワザワ感を
── バレンタインリリースということですが、WHITE ASHがバレンタインにコンセプト作品をリリースするというのも面白いですね。
のび太:昨年は初めてづくしの1年だったんですけど、2013年も新しいことに挑戦していきたいなと思ってるんです。今までコンセプトを持って作品を作るってしてなかったんで、やってみようって。あとはバレンタイン戦線に乗っかろうと思いまして(笑)。
── バレンタインの曲って、アイドルの方々ならけっこう出してるんですけどね。
のび太:バレンタインの定番と言ったら国生さゆりさんの『バレンタイン・キッス』だと思うんですけど、ロックバンド界のバレンタインの定番ってないし、そんな作品を作りたかったんです。
── のび太さん自身、これまでのバレンタインは華やかなものだったんですか?
のび太:いえ。
── 即答…(笑)。
のび太:特に華やかなことはありませんでしたね。長年の経験から、バレンタインにドキドキする必要はないということに気付いたんです。2月14日はただの冬の寒い1日です。
── 学校の机の引き出しに手を入れて確認したりとかは?
のび太:最初は気にしていましたけど、だんだんそれは無用の心配だと。僕がドキドキする日じゃないぞと。
── 登下校の途中で女の子が待ってたりとかは?
のび太:そんな甘酸っぱい経験してたら、もうちょっといろいろと違ったはずです。
── 最高でいくつもらいました?
のび太:保育園の時に2人からもらったことがあります。この時が人生最高のモテ期でした(笑)。
── でも、人生で3回モテ期が来るって言いますよ。
のび太:今後ドデカイのが、あと2回来てくれないと割に合わないですよね(苦笑)。そういう甘酸っぱい経験を未だにしてないからこそ、こういうことが出来てたら楽しいだろうなとか、こういうドキドキ感を味わってみたいなと夢が広がるというか。現実を知らないぶん、ある種ファンタジーの世界ですよね、バレンタインって(笑)。バレンタインに曲を出すとなって、メンバー内でもそういう話になったんですけど、山さん(Gt.)とか剛(Dr.)に「どうだったの?」って聞いたら、山さんはちょっと僕を見て、一瞬黙ってから「もらってないよ」って。
── 山さんやさしい(苦笑)。
のび太:そのやさしさに、ちょっとだけイラッとしました(笑)。「ここは“もらってない”だな」っていう、山さんの心の内が見えた感じがして。
──今回は、バレンタインの心情を1曲目の『Would You Be My Valentine?』は女性目線で、2曲目の『I Wannna Be Your Valentine』は男性目線という面白い構成ですね。どちらもラブソングと言えばラブソングですし。
のび太:もともとポップでメロディーが綺麗なものが好きなので、『Would You Be My Valentine?』は僕の核となる部分が出ている気がします。最初はサビが全部日本語だったんですよね。ただあまりに僕の願望が入りすぎて、曲調も歌詞も甘過ぎたというかノ。何回か作り直してるんですよ。日本語で“私 言うの 渡すの”という歌詞があるんですけど、この曲は大切な人に気持ちを伝える女の子の気持ちを歌っているので、対訳は彩さん(Ba.)がメインで書いてます。
── 女性の気持ちがよくわかってる対訳だと思ってましたが、彩さんが書いていたんですね。また、サウンドも女性目線だからか、軽快でやわらかい感じですね。
のび太:意識的に、懐かしいような甘酸っぱい感じの曲にしようと思って。それがすごく出来たなと思ってます。
── また、いつもだったら思ってもない展開をすることが多いけれど、意外と素直だという感じもありました。
のび太:WHITE ASHっぽくないって思う方もいるかもしれないですけど、新しいものを作るたびに何かしらのザワザワ感をちょっとずつ見せていけたらとは思っています。今回も僕ら的には良い作品が出来たなと思っていて、早く聴いて頂きたいです。
── 反対に『I Wannna Be Your Valentine』は男性目線だからか、サウンドが尖っているというか、いつものWHITE ASHという感じもあり。
のび太:やっぱり僕のバレンタインに対する気持ちも伝えておかないと!と思って(笑)、今回はコンセプトのある作品なのでバランスを取りながら作っていきました。この2曲は内容も対になっているし、曲の構成もほぼ一緒なんですよ。
── 今作はCDが2曲で、恵比寿リキッドルームでのツアーファイナルの映像を収めたDVDが14曲されます。
のび太:2月14日のバレンタインというコンセプトにとことんこだわりたかったんです。CDが2曲だったらDVDは14曲収録にするしかないかなって。ただ、14曲って多すぎないか悩みましたね。悩みに悩んで、「バレンタインのプレゼントだから奮発しなくちゃ!」って。その方が何か成功しそうじゃないですか(笑)本気のプレゼントっぽくボリューム感のあるものになれたかなと思います。