Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューsleepy.ab(Rooftop2012年11月号)

脳内に広がる無限の宇宙を表現した新譜制作中!!

2012.11.02

 sleepy.abが11月26日(月)に新宿ロフト公演を皮切りに、東名阪札で現在制作中であるアルバムの経過報告をするライブ「sleepy.ab 〜新譜録音経過報告行脚〜」を開催する。今年の6月にドラムが脱退し、3人となった彼らの第一弾となる今作は、サポートドラムに鈴木浩之(ex.ART-SCHOOL)を迎え、よりロック的な"勢い"が出た作品になっているとのこと。
 今回は経過報告行脚の前に経過を伺うメールインタビューを行なった。「今作を一言で表すと"脳内宇宙"です!」とボーカル&ギターの成山 剛が答えているが、それがどうライブで表現されるのか。お話を聞いて、よりロフトのライブが楽しみになった。(interview:樋口寛子/新宿ロフト)

揺らぐサウンドを意識して作りました

_DSC9500.jpg── 前作リリース以降、今日までの近況を教えて下さい。

成山:前作まで、コンスタントにリリース出来るようにライブ活動と並行して曲作りをしてきましたが、今作はもっと時間をかけてじっくりと集中して制作したかったので、ライブ活動を制限して制作という地下活動に入ってました。リスタートという意味もあったし中途半端な形で進めたくなかったんです。

── 今年の2月29日に生産限定 両A面EP『アンドロメダ / Lost』をリリースされました。こちらの作品を発表した当時から、アルバムを制作中と言ってましたが、アルバムを作ろうという話はずいぶん前からされていたのですか?

田中:『アンドロメダ』を発表する前から、アルバム制作はやっていましたね。同時期に作った曲も今作に収録されていますが、『アンドロメダ』が出来てその後の方向性がはっきりと見えてきたと思います。

── 制作に取り掛かったのはいつぐらいになりますか?

田中:『アンドロメダ』の頃の曲を制作前期で去年の4〜9月頃とすると、後期は今年の4〜9月頃ですかね。

── 制作に取り掛かるにあたり、コンセプトやイメージするものはあったのでしょうか?

成山:コンセプトというよりはどんどん曲をリレーするみたいに繋げていった感じですね。“アンドロメダ”というキーワードから始まり、宇宙へ飛び出したんだけど、その宇宙は脳内だった、っていうか、人間の中に宇宙があるんだみたいな。あっなんかこれ危ないこと言ってます(笑)?

── 今回は3人になって初めての作品となりますが、3人の作業はこれまでに比べるといかがですか? ドラム・アレンジ等のアイディアはお願いしたものを叩いてもらうという感じだったりするのでしょうか?

田中:ドラム・アレンジに関しては、こちらでかなりかっちりしたデモを作って、サポートの鈴木くん(ex.ART-SCHOOL)に生へ差し替えてもらった形です。ただなぞってもらうだけでなく、デモの感じに鈴木くんの持ち味が加わって、これまでよりも、よりロック的な“勢い”が出せたと思っています。

── 前アルバム『Mother Goose』のインタビューの際に「次はこうもいけるよね! みたいな、続く感じのアルバムになった」とおっしゃっていましたが、今作で新しいことを取り入れた部分、『シエスタ』のように実験的に作ったもの等ありましたら教えて下さい。

山内:『パラベル』という曲では、雪を踏みしめる音や焚き火の音をいれてみたり遊び感覚で作りました。今回のアルバムは、揺らぐサウンドを意識して作りましたので各所に散りばめた揺れる音にも耳を傾けてくれたら嬉しいです。

── 現段階(10月19日現在)では進行状況としてはどのあたりの作業をしているのでしょうか?

田中:まさにマスタリング最中です。曲はミックス作業まで全て出来上がっているので、あとはCDジャケットとか音以外のところですかね。

── 今回も合宿をされたんですか?

成山:プリプロダクションの段階では、各自自宅でのPCに向かって、曲のデータと戦っていました。ただ、あまりに会わな過ぎても意思の疎通が難しいので、skypeなどでコミュニケーションは欠かさないように、今まで以上にやりとりしました。skypeでしゃべりながらトラックをあーだこーだ言いながら切ったり貼ったり。本格的なレコーディングに入る段階では、いつも札幌郊外の芸術の森にある芸森スタジオに泊まり込みでやっています。エンジニアの三好さんにはいつも大量の機材と一緒に東京から来てもらって。湿度も低く、スタジオの響きも素晴らしいスタジオなので、その点にはこだわってますね。

── sleepy.abの楽曲を制作するには、活動は北海道に拠点を置いたほうが合っているのでしょうか?

成山:この土地の空気感、タイム感が馴染んでいますね。東京にしばらくいるといろんなスピードが知らない間に上がってて。歩くスピード、時間の進み方etc…。それがなんだか説明できないけど漠然と音楽も変わるだろうなって気はしてます。冬は厳しいけどいろんな奇麗なものも見せてくれたり、四季がはっきりしてるのは色彩感という意味でも際立たせてくれている気がします。

── では、レコーディング中、印象に残っているエピソードはありますか?

山内:実は、誰にも言いませんでしたが、制作中のデータが、すべて消えました。1時間くらいポカーンとなりました。なんとか復旧できましたが恐ろしかったです。

寝ながら踊らせます(笑)

── お話できる範囲で、今作がどんな内容になっているか教えて下さい。

成山:一言で表すと「脳内宇宙」です!

── 今作がリリースされるにあたり、リスナーにとくに期待していて欲しいことはありますか?

田中:アルバムを出すごとに、良くも悪くも客観性というか周りの評価をすごく気にしていましたが、今回インディーズに戻ったこともあって、良い意味ですごく主観的に、自由にやれました。そういった部分が出せたと思うので、僕達の本質を感じてもらえればと思います。

── 11月26日(月)の新宿ロフトから東名阪札で“新譜録音経過報告行脚”のツアーを開催されますが、今回リリースツアーではなく経過報告のツアーをやろうと思ったきっかけはどんなだったんですか?

成山:こういうツアーは今までもやってきたんですが、今まではあんまり新曲が間に合ってなかったりもしてたんですけど…今回はかなりたっぷり聴いてもらえると思います(笑)! サポート・ドラマーの鈴木くんも加わって、これまでとは違った、“熱さ”も感じてもらえるのでは。一番はお客さんにいち早く新曲を聴いてもらいたいということですね。新曲を聴いた方がどう感じているか一番リアルな反応があるのはやっぱりライブですから。

田中:鈴木くんとはレコーディング後も、もう何度かライブのリハーサルをしていますが、最初から全く違和感なく溶け込んでいましたね。一緒に演奏していてすごく刺激を受けますし、今までずっとやってきた曲も良い意味で新鮮に聴いてもらえると思います。

── みなさんにとってロフトという場所、歌舞伎町という場所はどう見えてますか?

田中:ロフトではもう何回ライブをやったかわからないくらいお世話になってますが、ロフトでやるライブは攻撃的というか、攻める気持ちになるライブが多い気がします。演奏していて、どこのライブハウスでやるよりもバンド感をすごく感じるので、そのせいかもしれません。すごく好きなハコの鳴り方がしますし。

── ひさしぶりのツアーとなりますので、意気込みを聞かせて下さい。

田中:経過報告ということもあって行ける土地が限られてはいますが、新しいsleepy.abを見せる最初の舞台なので、今までのツアーよりも特別な気持ちがあります。いつも応援してくれていた方、今回初めて来てくれる方と、いろいろな思いで見に来てくれると思います。みなさんの期待以上に感動してもらえるよう頑張るのはもちろんですし、良いものを見せる自信もあります。11/26のロフトは新生スリーピーの初ライブなので、めちゃくちゃ気合いが入ってます。幕開けにふさわしいライブをやって今後につなげていくよう頑張ります! 寝ながら踊らせますので(笑)。

── ツアー中、楽しみにしている事はありますか?

田中:何回も行かせてもらっている街ばかりなので、その土地ごとに思い出風景があります。地元に帰ったような懐かしい気持ちをたくさん味わえるのが、ツアーの楽しみなところです。

── みなさんにとって2012年はどんな年でしたか?

成山:集中して制作に終始した1年でした。ライブに関しては制限していたのもあって、ライブを楽しみにしていてくれた方には本当に申し訳なかったなーと。ただ、今年は自分達を見つめ直すいい機会だったと思いますね。今までで一番人間的に成長出来た年だったんではないでしょうか。

── 来年はどんな年にしたいですか? 2013年に向けたバンドの動きや、描いているものがありましたら教えて下さい。

田中:来年、アルバムリリースそしてレコ発ツアーと、今年抑えていたものが一気に弾けますね。まずはリリースに向けて、みなさんに期待感を持ってもらえるような活動をしていかなきゃですね。

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LIVE INFOライブ情報

新譜録音経過報告行脚
11/26(月)新宿 LOFT

W)acari / pertorika(OA)
11/28(水)名古屋 CLUB ROCK 'N' ROLL
W)acari
11/29(木)大阪 Shangri-La
W)きのこ帝国
12/01(土)下北沢 CLUB 251
W)高畠俊太郎BAND / shepherd(OA)
12/07(金)札幌 Sound Lab mole
W)SNARE COVER

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