Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューGOOD BYE APRIL(Rooftop2012年8月号)

たくさんの期待と希望を胸に、ファースト・ミニ・アルバム『夢みるモンシロ』リリース

2012.08.02

リアルな言葉を紡ぐ

GBA_LIVE02.jpg── アルバムのタイトルはどう決まったんですか?

倉品:表題曲の『夢みるモンシロ』を作ったのがレコーディングの1ヶ月前ぐらいで、この曲は4人でセッションしながら作った曲なのですごくバンドっぽいと思います。歌詞に込めているテーマは、その時自分たちが思っていた悔しさや反骨的な精神を込めた曲で、これを表題曲にしたいとずっと思っていたんです。“モンシロ”という言葉が出てきたのが良かったですね。歌詞は二転三転してますけど。

── 歌詞は倉品くん、延本さん、上田健司さんの共作になってますけど。

倉品:えんちゃん(延本)と同時進行で別々の歌詞を書いていて、えんちゃんの書いたやつのスピリットだけ残して僕が言葉をかぶせていったというか。上田健司さんにはアイディアをいっぱい頂きました。

── 歌詞はどんなところからインスピレーションを受けているんですか? 日常から得ることも多いですか?

延本:私の歌詞ってファンタジーとまではいかないんですけど、リアルではないと言われることが多いんです。でも自分の実体験を歌詞に出てくる主人公に経験させるような感じで、それを私が客観視して書いているので、自分ではすごくリアルな歌詞だと思っています。あとは、ラッシー(倉品)が持ってくるメロディーや景色から歌詞が浮かぶことも多くて、作家の気分で紡いだりとかけっこう自由にやっています。

── 倉品くんは?

倉品:僕は曲を先に作るタイプなので、曲の景色が見えた時点でそこにストーリーがくっついてきたりとか、イメージがわくとか、そういうパターンが多いです。景色プラス普段自分が思ってること、自分が何を言いたいかというのをうまいこと混ぜられたらなと模索しながらやってます。

── 吉田くんとつのけんくんは、2人が生んでくる言葉からイメージを膨らませてプレイを考えたりするんですか?

つのけん:僕は歌詞に関しては2人のことを信じ切っているから間違いないと思っていて、言葉に合うリズムを考えるのが自分の役割だと思ってやっています。

倉品:歌詞はここの2人(倉品と延本)でいつもやり合ってますね。

延本:私はボーカルではないから、メロのノリとかもわからないので歌いにくいと言われたところはどんどん直しながら。

── なるほど。『I'm for you 』は? この曲はライブで初めて聴いた時に、すごい良い曲だと思ったのは覚えていて、もう少し年を重ねた時にもっと深みが増しそうな気がしています。どうやって生まれた曲なんですか?

倉品:これは曲と同時に歌詞が出てきたんです。僕のある1日について書いていて、頭の中でこの曲が鳴った時の景色と思っていた感情がうまくはまったので、そのまま一緒にパッケージ出来てやりやすかったです。

── 今回は会場限定と全国盤ではジャケットが違っていて、両方手にする価値がある作品ですね。

延本:盤面と歌詞カードもデザインが違うんです。ライブハウスで買ってくれた人が限定盤を持っていることになるんですが、そういう人たちは『夢みるモンシロ』を出す前からずっと応援してくれている人たちで、うちらが頑張ってもっとたくさんの人に評価された時に自慢出来る作品にするには、その人たちしか持っていない特別なものを作りたくて、盤面と歌詞カードの絵を変えて、一生大事にしてもらいたいなって思ったんです。

── 延本さんは、ジャケットのイラストも手掛けてますけど、絵を描くことと歌詞を書くことって違いますか?

延本:私の中ではベースを弾くことも絵を描くことも歌詞を書くことも全部一緒だと思っています。もし、今後お芝居をやれと言われても経験が無いし、たくさん映画を見る人でもないし、大きい声も出ないし、でもそこが身に付けば表現という意味では全部同じなのかなと思っています。

スケール感のあるギターロックバンドになりたい

── では、ライブについてお聞きしたいんですけど、みなさんにとってライブってどんなものですか?

延本:ライブはバンドが更新された状態をお客さんにプレゼンする場所で、良い時も悪い時もバンドの状態が一番わかると思うんです。常に新しい鮮度を発信する場所だなと思っています。

つのけん:唯一自分たちとお客さんとがひとつになれる場所。たとえ、家でそれぞれの人が僕たちのCDを聴いてくれていたとしても、僕たちが演奏している曲を生で聴くことは全く違うことだと思っていて。だから1個1個大事にやってますね。楽しいです。

吉田:ライブをやってる時は、生きてる感じが一番します。あと、こんなにもバチバチに目を合わせてメンバーとおる時もないかなっていうぐらい。それはお客さんにも言えることですけど。

── お客さんの顔ってステージ上からよく見えるんですか?

吉田:見えてますよ。

延本:ライブはお客さんと一番交流できる場所だし、うちらはまだたくさんお客さんがいて話せないってほどではないし、お客さんと話すのはすごく楽しいです。

── 人気になればライブに人がたくさん来てくれるけれど、CDを出す前から熱心に来てくれるってホントすごいことだと思います。

吉田:感動やもんな。ネットで聴いて気に入ったから来ましたって言ってもらったりもして。

── チケット代払って来てくれて、お客さんから「元気をもらいました」って言われることが多いと思うけれど、みんなも元気をもらうことが多いですよね。

延本:お客さんから生き甲斐を与えてもらっているというか、音楽をやる意味を持たせてもらっているという感じがしています。自分たちだけで発信しているわけではなくて、ちゃんと届いていて、続ける意味を持たせてくれてるというか。

倉品:僕は普段は人見知りだし、すぐに1人になりたがるし、だからステージに立つことでこれだけたくさんの人と関わる瞬間が出来て、すごいことだなって思います。この間、ロフトにスピッツのライブを見に行ったんですけど、自分が作った曲をあんなにたくさんの人が聴きに来ていて、笑顔になってくれたり、ステージ上から見る景色も素晴らしいだろうし、僕たちも立たせてもらっているステージでスピッツが演奏していることにも感動したし、すごく刺激を受けましたね。

── みんなも求められる側にいる立場ですから、これからが楽しみですよ。GOOD BYE APRILはどんな未来像を描いてますか?

倉品:個人的な野望はいっぱいあって、フェスで一番大きいステージに立ちたいとか、スピッツのイベントに呼んでもらいたいとか、オーケストラを入れたいとかありますけど、曲を作る立場で言うと、たくさんの人の耳に触れる音楽でありつつ、僕の中でスケール感は大事なテーマで、スケール感のあるギターロックバンドになりたいです。

延本:今回の売れ行き次第だと言われてますが、早く次のレコーディングがしたいです。フェスに出たいとか具体的な目標もあるけれど、たくさんの人が関わってこうやってCDが出せるので、その1人1人の人と接して仕事をしていきたい。GOOD BYE APRILの音楽も人も含めて応援したいから売りたいんだって人を増やしたいし、その人たちからも好かれて成り立つバンドでありたい。そういう関係を築きながら一歩ずつ進んでいきたいです。

倉品:チームでありたいですね。関わってくれる人全員で上を目指す。人間味のあるバンドでいたい。

つのけん:何年経っても変わらずにこのメンバーで音を鳴らせていけたら良いかなって思いますね。まわりを大事にしつつ、支えられてることもしっかり胸に刻んで、それを支えてくれてる人たちにちゃんと返していきたいです。

吉田:みんながだいたい言ってますね。あとはみんながケガせんと楽器が弾けたらいいかな。

 

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